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男子高校生の青春  作者: 次原明人
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第12話 ナギ

第12話 ナギ


高校に入って6回目の自己紹介の途中、担当の教科の先生ごとに自己紹介するから6回目。

情報の授業の時だった。

「草彅薫です」

「顔が分からないからマスクとって喋って」

「え、…はい…」

マスクを取った、その顔は女の子そのものの顔だった。

「「「ええええええええええええええええ!!?」」」

「あれ!?なんで男子クラスに女子が!?」

「うわっこの娘超可愛いじゃん、やっべえ好きになりそう」

「あれっ?でもなんでズボン穿いてんだ?そういえば女子もズボン希望者は穿いていいんだったっけ?」

「昇華中学校出身です、草彅薫です、よろしくおねがいします」

「男なのか?」

「はい、こうなるからマスク付けてたんですよ…」

「性別のところには男と書いてあるし、ここ男子クラスだけどな…証明できるものある?」

「生徒手帳くらいしか…」

「マイナンバーカードは?」

「家にあります」

「脱いでって言って脱いで女だったら俺がクビになるし男で女性の先生が確認してついてたらそれも問題になるし…」

「草彅香先生に確認してください」

「草彅先生?、草彅先生と親族なの?」

「そうです、姉です」

「じゃあちょっと聞いてくる」

と言って情報の先生は職員室に言った。

先生がいなくなったのでざわざわと周りが騒がしくなった。

「藤野、あれって女だと思う?男だと思う?」

「分かんない、本人が自称している性別が正しいんじゃなーい?」

「俺はなんとなくわかるんだけど、絶対という確信はない」

走って先生は職員室に行って2分くらいで帰って来た。

「確認した結果男だって言ってたから男だな、これで万事解決」

自己紹介も終わり、授業もつつがなく終わったが。

次の授業との間の休み時間、皆、草彅に注目はされていたが、遠慮、牽制し合って話をかけていなかった。

俺と藤野は草彅に話をかけてみた。

「草彅…?、ちょっと聞きたいんだけど」

「はい?、なんですか?」

ちょっと顔の可愛さに聞くことを躊躇したが気になるから聞こう。

自己紹介が終わってやはり皆が気になる話題はこれだ。

「草彅って正真正銘の男だよな?」

草彅はパアアと顔を明るくした。

「そうです!、わかってくれるんですか!?」

「え!?そうなのー!?」

「嘘だ!、俺は信じねえぞ!」

「そうだあ!、その通りだあ!」

口調が荒い赤羽とハーフっぽい見た目の衛藤が話に入ってきた。

赤羽が口を開いた

「なあなあ、草彅ちゃんはどうしてズボン穿いてんの?」

「男の私がズボン穿いているのが何か変ですか?」

「赤羽、本人が言っているんだから信じようよ」

「信じられねえよ!、こんな子が男だなんて!」

「絶対、女の子だろお、何か理由があって男って言ってんだろお」

衛藤が会話に入ってきた。

ナギはあきれた様子で口を開いた。

「別に理由なんてありませんよ、本当の事です」

「証拠とかねえの?」

「男子の制服を着ています」

「表面上は男子だと言っているからじゃねえの?」

「表面上も内面上も男ですよ!」

「他、男だって証明できるものってねえのか?」

「喉ぼとけって男あるよねー?」

「首のところ見せて、のどぼとけがあれば男だって分かるから」

「いいですよ」

のどぼとけを見せた

「…のどぼとけ無くね?」

「うちの家系は大体のどぼとけが出ない家なんですよ」

「これじゃ男だという証明にはならないなあ」

「だから男ですってば」

「それを言ったら俺だってのどぼとけないよ」

俺は言った。

「え?」

「見せてみ」

俺ののどぼとけを見せた。

「確かにないなー…」

「お前も女の子だったのか!」

「俺のどこが女の子なんだよ!?」

「女顔で声が高いから」

「腕見せてみて、男だったら腕に毛が生えてるじゃん」

と赤羽は草彅に言った。

「いいですよ」

草彅は制服の腕をまくって腕を見せた

「細くてきれいな腕だな、しかも白いし、男の腕じゃねえ」

「腕毛生えてないじゃんかあ」

「足見せろ」

赤羽はもし女だったらセクハラだぞ。

草彅は足を見せるためにズボンの裾をめくった。

「細くてきれいな、って腕と同じじゃねえか」

「女じゃんかあ」

「女じゃないですよ」

「胸触ってみてくださいよ、これで女じゃないってわかりますから」

「む、胸に…?」

赤羽が狼狽した

「ええ」

「触ってみてください」

「それはその…なあ?」

「俺、退学したくないよお」

「別に本人が男って言ってるし触っていいって言ってんだから大丈夫だろ、男の胸筋触るだけだろ、男だって言ってんだから触られても平気だという覚悟の上だよ」

「え?そうなんですか!?」

「え?違うの!?」

「いくら男でも触ってもいいと言ってもそんなべたべた体触られるのは嫌じゃないですか?」

「まあ、確かに…」

「あと草彅ちゃんて呼ぶのはちょっと嫌なんですけど、誰か違うニックネームを付けてくれたらうれしいです」

「よっしゃあ付けちゃうよおニックネーム」

ジェイがさっそく切り出した

「薫ちゃんはどうだあ?」

「私、中学生の時周りにそう呼ばれていたから嫌です」

赤羽は

「薫様でいいんじゃねえの?」

「おちょくられてそう呼ばれていたことがあるから嫌です」

「俺もアキ様って呼ばれて腹が立ってた」

「そうですよね!」

「じゃあ薫君はー?」

「特別な人にそう呼ばれてたからそれは嫌です」

「じゃあナギ子ちゃんはあ?」

「それもちょっと…」

俺の案は

「ナギは?」

「ナギ、…いいですね、それがいいです!、それにしましょう!」

「「よろしくー!」」

「でも俺はやっぱり男だって信じられねえわ」

「男ってことでいいじゃん、俺らはそう扱うよ」

と、腕を突っ込みのように腕を振ったらナギの胸部に当たった。

「「「ああ―――――!!」」」

「え?なに?」

「今ナギの胸触ったろ」

「胸?触った?」

「当たりましたけど別に…」

「え!?なに触ったってっ!?」

田口が会話に入ってきた。

「ナギはどうだったんだ?、触られて?」

「当たると分かってたんで服の上に手が当たっても別に…」

「ほらリアクションが男じゃん」

「で、どんな感触だったっ!?」

「普通に壁みたいだったけど」

「ブラジャーの感触は!?」

「ないよ、普通に硬かったよ」

「どんな感じでー?」

「藤野ちょっといい?」

「んー?」

ナギにしたのと同じように腕を振って胸部に手を当てた。

「同じカンジ」

「男じゃーん!」

「そうですよ!」

「じゃあ、ナギの胸部と藤野の胸部は感触が同じってことはあ?」

「藤野の胸を触ればナギと同じ感触ってことだよなっ」

赤羽、、ジェイ、田口君に触られる藤野

「いやらしい手つきで俺に触るなー!、キモい!」

藤野の体を触っている奴らは多分ナギを女の子だと思ってるんだろうな

触らない俺、藤野、は男の娘、いや男の子だと思っているんだろう。

ナギ=男の娘派と、ナギ=女の子はと分かれることになった。

この論争が卒業まで続くとは知る由もなかった。

「ちなみに一人称が『私』なのは?」

「うちの家の人は一人称全員『私』だからそれになれてしまって『私』なんです」

「なんで敬語なの?」

「どんな相手も敬うというちの家訓です」

「育ち良いな」

「ナギってなんでそんなに髪長いの?」

ポニーテールに前髪両側を垂らす髪型。

「短髪が似合わないからです…」

「俺も似合わないって言われる」

「女子ソフト部とか女子バスケ部、女子バレー部、女子ハンドボール部、女子サッカー部って言われるので」

「自分の顔ってどう思う?」

「女性みたいな顔しているなと」

「俺もたまに女子に間違われる」

「長谷川さん顔可愛いですよね」

「男って男にも女にも可愛いって言われても嬉しくないんだよな」

「そうなんですよ!」

共感できる友達ができた。嬉しいな。


おまけ


「皆は私の性別どうだと思ってるんですか?」

俺は

「男」

藤野は

「おとこー」

左藤は

「男の娘だよ」

「なんかニュアンス違くない?」

山野っちは

「あんなに可愛い子が女の子のはずがない!」

「普通逆じゃない?」

赤羽たちにも訊いてみた

「ナギの性別はどうだと思う?」

赤羽は

「女の子に決まってるだろ、何か事情があるんだきっと」

衛藤は

「女の子だろお、体はぺったんこだけどお」

「あくまで貧乳な女の子か、身長166センチあるけど」

「身長大きい女の子もいるだろお」

「佐藤かよって172センチあるけど」

「え!?そんなにあんのお!?」

田口は

「声も高いし女の子だろっ、あれが男だったら俺は何かに目覚めそうだぜっ」

「フィッシュ・アイって知ってる?」

「セーラームーンのキャラだろっ」

「あの声優石田彰さんだよ」

「女声じゃんかっ!?あれ声優男なの!?」

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