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比較的最近更新した短編のまとめ場所

レベル上げ過ぎ令嬢、原作ボスを全部一人で片付けてしまう

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2023/11/16



 その乙女ゲーム「カオティック・ワールド」には一人の転生者がいた。


 悪役令嬢に転生したその女は、前世で散々「カオティック・ワールド」をプレイしていた。


 その累計時間は120時間。


 平均プレイ時間が60時間とされていたから、普通の人の二倍は、やっていた。


 しかし、そんな長時間プレイは苦にはならなかった。


 なぜなら、やり込み要素がふんだんに含まれていたから。


 トロフィーや称号を一つ一つ得ていこうとしたら、気が付いた時には百時間以上経過していたのだ。


 だから彼女は分かっていた。


 その世界に転生した彼女は。


 やがて挑む予定の原作ボスの強さ、弱点、スキル。攻撃タイミングを。


 そして、効率の良いレベリング方法を。





 強さを求める転生悪役令嬢。


 彼女が己を鍛え始めたのは、転生してから三年後。


 つまり三歳の時から。


 その頃からすでに、攻略対象やヒロインとの出会いや、エピソードが始まっていたが、彼女は見向きもしない。


 ストイックに、己を鍛え続けた。


 話はそれるが。


 悪役令嬢は全てのルートでまったく異なる嫌がらせをしていた。


 音楽にすぐれた攻略対象のルートでは、音楽の才能で。


 運動にすぐれた攻略対象のルートでは、運土の才能で。


 芸能にすぐれた攻略対象のルートでは、芸能の才能で。


 だから、彼女はまんべんなく様々な才能を持った天才だった。


 そのため、鍛えれば鍛えるほど、超人になっていった。


 ただでさえ多才な身。


 加えて、どんなルートでも絶対にヒロインを虐めるという意思の強さ。


 ダメ押しに前世の知識。


 これで超人にならない方がおかしかった。


 やがては国の武闘大会で優勝するまでに成長した。


 そんな彼女を見たヒロインと攻略対象達は不思議がった。


 世界は平和なのに、脅威と呼べる存在は数百年前に全て封印されているのに、なんでそんなに鍛え続けていくのかと。





 それからも未来を知っているから、という理由が言えない悪役令嬢は、一人でストイックにレベリングし続けた。


 登場人物たちも恋愛エピソードが発生しても、まったく見向きもせずに。


 彼女は、一人でモンスターを倒して経験値を得たり、様々な人物を師にして特訓したりしていった。


 その効果はしっかりとでた。


 最初はレベル1だったのが、数年後には、彼女はレベル100になっていた。






「カオティック・ワールド1のボス」


 とうとうその時がきた。


 封印されたボスの一体が目覚めたのだ。


 それは一番最初のボス。


 悪役令嬢は、カオティック・ワールド1のボスだ。


 1のボスは、圧倒的なHPが特徴的なボスだ。


 とにかく高威力の技を連発して、相手のターンが来る前に倒すのが攻略法だ。


 だから悪役令嬢は、取得したスキルを連発した。


「食らいなさいな! 炎神龍究極魔術奥義メテオ!」


 降り注ぐ隕石の中、1のラスボスは自分のターンが来る前に倒されていった。


 その時間、およそ3分。







「カオティック・ワールド2のボス」


 一方的な蹂躙を見せたその一年後。


 再びラスボスがあらわれた。


 次に封印がとけたのは、カオティック・ワールド2のボスだ。


 2のボスは、攻撃力の高さが特徴的なボスだ。


 防御力をとにかく上げて、守りに徹するのが攻略法だ。


「グワハハハ! 食らうがいい。闇の滅殺奥義グランドインパクトを!」


 大地を操るラスボスは土の壁で悪役令嬢を押しつぶそうとする。


 しかし悪役令嬢はレベル120の防御力でそれを防いだ。


「耐えしのいでしまえばこちらのもの! 食らうがいいですわ、聖なる光神の究極真奥義! ライト・ジャッジメント!」


 他の登場人物達が、最終決戦であるラストダンジョンにたどり着く前に、全てが終わっていた。






「カオティック・ワールド3のボス」


 そして、その激闘からさらに1年後。


 悪役令嬢は、カオティック・ワールド3のボスに挑んでいた。


 3のボスは、二体で一つ。同時攻撃で倒さなければならないボスだ。


 さすがに一人しかいない悪役令嬢には分の悪い戦いに思えたが。


「「余等の攻撃を裁けるか! 矮小なる人の子よ!」」


「ふっ甘いですわ! それは残像ーー」


 素早さステータスを限界まで上げたレベル150の悪役令嬢は、残像を残しながら高速移動。


 ラスボス×2の攻撃をするりと回避。


 そして、ほぼ同時にラスボス二体に攻撃を放った。


「食らうがいいですわ! 無現世界最終秘奥義アルティメット・ゴッド・ライトニング!」







 遠くには、残像を残しながらラスボス二体を倒した少女を、唖然とした顔で見ている者達がいた。


 それは「1」と「2」と「3」の攻略対象とヒロインだった。


 完全装備の彼等はここで全員集合して、総力を賭した命がけの戦いに挑む予定だったが。


 気づいた時には戦いが始まっていて、そして終わっていた。


 彼等の心は一つだった。


「もう世界の危機なんて、彼女あいつだけいればいいんじゃないでしょうか(いいんじゃねーか)?」


 その後も「5」、「6」とシナリオが続いていったが、全て悪役令嬢が一人で倒してしまっていた。



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