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7 奴隷市場が欲しい!

ライオンの獣人の男の子とレルリルムのシーンを追加しました。

 オークション会場は熱気に包まれていた。

 会場に入ったわたしは入り口でアイマスクを渡された。


「あれ? これは??」

「お嬢様、ここでは素性を隠してご入場お願い致します。なんせ取り扱っているものが微妙なものばかりですから」


 そう、この国では奴隷売買はグレーな扱いになっている。

 そのため、表立った名目は、ここで買えるものはペットというくくりになっているのだ。


 前の人生でわたしはこの奴隷市場の存在を知らなかった。

 奴隷市場に連れてこられるのは聖女教の教会騎士団が辺境地から直接連れてきた獣人で、彼ら彼女らは人間とも認められず、いなくなればすぐに騎士団が辺境から調達するだけの消耗品と考えていたのだ。

 それ故に奴隷市場はアングラな存在であり、わたしの耳にその存在は入らなかった。


 だが革命が起きた時、彼ら獣人族は教会騎士団を全て打ち倒し血の海に染め、その牙と爪で堅牢な城も監獄も全てを破壊した。

 彼ら彼女らはわたしを憎み、その恐るべき獣の目はいつまでもわたしの脳に焼き付いて離れなかった。


 もう今の人生であの目は見たくない。

 わたしは奴隷オークション会場に入ってしまったのを今になって後悔していた。


 会場の盛り上がりはまだ序の口と言ったところだろうか。

 今少し前にオークション第一部が終わったところだった。


 第一部で売られていたのは文字通りのペット。

獣人ではなく珍しい獣の肉食獣や美しい毛皮の草食獣、小さくて貴族の娘の愛玩用になるような珍しい犬猫や小動物といったモノだった。


 第一部のメインイベントで売られたモノは、頭が三つある巨大な狼とその子供だった。

 どこかの貴族が番犬代わりに買ったらしい。

 檻に入れられたまま狼の親子が積み荷として運ばれていった。


「皆様、しばらく休憩です。この時間の間に次のお買い物を何にするかじっくりお考え下さい。それでは、第二部までお待ちくださいませ」


 わたしは第二部までの間に食事を済ませ、部下達に命じてオークション終了時までに馬車一杯の金貨を用意するように命令した。


 第二部になる頃には、今までの倍以上のオークション参加者が増えた。

 聖女教が主催しているこの奴隷売買オークションはこの市場のメインなのだろう。

 富裕層と思われる仮面をつけた客がどんどん来賓席に座っていく。


 彼ら彼女らの言葉が聞こえてきたが、それは聞くに堪えないレベルのものだった。


「あら、奥様。また新しい奴隷ですか?」

「おほほほ、前のが薬でダメになってしまいましてね。まったく女性を満足させることもできないなんて……所詮は頭の無いケダモノ、消耗品に過ぎませんわ」

「あら、うちなんて楽しんでいたら旦那が部屋に入って来ていきなり獣の身体に剣を突き立てたですわ。わたくしは襲われた被害者だといえば旦那もそれ以上には言いませんでしたわよ。オホホホ」


 下衆なクズ貴族達。

 コイツらが獣人を虐げ、苦しめたツケが回りまわってわたしを破滅に追い込んだ。


 獣人は屈強なライオンの獣人のリーダーが仕切る最強の傭兵団として、わたしの国の騎士団を徹底的に壊滅させた。


 このままコイツらをのさばらせたら、折角の今回の人生も破滅で終わってしまう!


 それを避けるには、獣人族を不幸にさせないことが絶対条件だ。

 そのためには、コイツらに獣人を一人とて買わせるわけにはいかない。

 わたしの財産の大半を使ってでもここの獣人を全部奪い取らないと。


 休憩時間が終わり、オークションの第二部がスタートした。


「さあ、皆様お待たせ致しました。今日も最高品質のペットを用意しましたので、愛玩用、飼育用、労働用、好きにお使いくださいませ。それでは最初の商品です」


 視界の男が最初に用意したのは猫の獣人の少女だった。

 年は大体13歳前後と言ったところだろうか。


「さあ、本日の一品目、猫の獣人少女です。彼女の名前はシロノ。愛玩用に、または玩具としてお楽しみください。まずは銀貨一枚からスタートです!」

「銀貨10枚!」

「金貨一枚!」

「ええい、金貨五枚だ! ワシのペットにするんじゃ」

「はい、金貨五枚が出ました、他におられますか?」


 この奴隷市場の相場がいくらかは分からない。

 でもわたしがお菓子屋で臨時に雇ったスタッフに手渡したのが金貨五枚なので、一般人の家庭の一か月分の生活費相当と考えると結構な大金である。


「金貨十枚出すわ!」

「おおっと、十枚が出ました! これは最初から盛り上がってまいりました!!」

「ナマイキな小娘め、ならばワシは金貨二十枚じゃ!」


 このスケベジジイ、何が何でもあの猫獣人の少女を手に入れたいらしい。

 そうはさせるか!


「なら、わたしは金貨三十枚、文句は無いわね」

「な、なんと最初の商品から金貨三十枚が出ました! お嬢様が猫獣人の少女を落札です!」


 辺りがどよめいている。

 最初から相場を跳ね上げられてしまった貴族や富裕層は、そう簡単に奴隷に手が出せなくなってしまったようだ。


 その後もわたしは出てくる奴隷を全部言い値で落札した。

 屈強な熊の獣人の男、兎の獣人の母子、犬の獣人の子供、ネズミの獣人の小男、鳥の獣人の少女等、オークションに出てきた獣人奴隷は全て私が金貨三十枚以上で落札し、周りの空気はわたしに対する憎しみで満たされていた。


 空気が読めないガキ? お生憎様、アンタ達にいくら睨まれても死を覚悟するような迫力は無いのよ。

 それよりも落札して檻に入ったままの獣人の奴隷達の目線の方がよほど怖いんだけど……わたしはアナタ達を助けてあげたいのに、まだその気持ちは伝わってないみたい。


「本日は番狂わせが起きてしまい、奴隷を……おっと、ペットを御所望の皆様には大変不快な思いをさせて申し訳ございません。空気を読まない新参者が全部商品を買い占めてしまったため、これが本日最後の商品になってしまいました。亡国の獣人族の王子、白いライオンの獣人です。名前はザフィラ。特殊な首輪で主には絶対服従させておりますので、絶対安心な一品でございます、さあ。金貨一枚からスタートです!」


 あの子は! わたしが見た夢に出ていた男の子!?

 わたしは何かの運命のようなものを感じた。


「金貨十枚!」

「アタシは金貨三十枚よ! あの子、アタシのものにしたいワ」

「ええい、ワシの番犬にするんじゃ、金貨五十枚!」

「今日何も買えなかった分大枚はたくわ。金貨百枚!」


 目の色の変わった欲深な貴族達がライオン獣人の少年を自分のものにするために持ち金を全部出そうとしている。

 だがそれも想定内だ。

 わたしはここを潰すつもりで大金を用意した。


「金貨千枚!」

「「「‼‼」」」


 全員の言葉が止まった。

 金貨千枚なんて、下手すれば上等な別荘が買える金額だ。

 それをたかだか小娘が用意できるなんて誰も想定できまい。


 だが、わたしは先日のお菓子屋での稼ぎを数えると、一か月足らずで金貨二千枚以上の稼ぎを出すことができている。


「ふざけるな! そこのガキ、オークションを荒らすのが目的か!」


 クズ貴族共が集団で騒ぎ出した。

 わたしのせいで誰一人としてお目当ての奴隷を一人も買う事ができなかったからだ。


「あら、荒らすなんて……わたしはここを潰すのが目的ですわ!」


 そう言ってわたしは仮面を取った。


「わたしの名前はレルリルム・ドリンコート。わたしのお父様はドリンコート伯爵ですわ。文句あります?」


 貴族や富裕層の平民はわたしに誰一人反論できなかった。

 ここにいる全員がドリンコート伯爵の力がこの王都でどれくらいのものかを思い知っているからだ。


「そうね、折角だからオークションついでにもう一つお買い物させてもらいますわ。ここの市場、金貨三千枚あれば買えるかしら」

「「「!!??」」」


 わたしは上限額無記入の小切手をオークションの主人に渡した。


「これでこの市場のオーナーはわたしになりましたわ。あなた方はわたしの部下になったのです。反論は許しませんわよ」


 わたしは自分の持っていた金貨二千枚と父親であるドリンコート伯爵の財産を合わせた金貨三千枚以上で奴隷市場の全てを根こそぎ奪い取った。

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