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45 この国がいつまでも平和であって欲しい!

次回で最終話です。

しかしライダーに魔法少女に巨大ロボまで出現、やりたい放題やってます。


※敵軍の名前を聖女連合から聖女連盟にしました。

「ギュスターヴ、英雄王クローヴィスや聖女アンリエッタの話は聞いた事ありますか?」

「いいえ、残念ながら存じ上げません……」


 何かが歴史と違っている。


 でも、この戦争を止めないと……多くの人達が不幸になる!


「ギュスターヴ騎士団長、いや……ギュスターヴ元帥、戦の準備をします! 私も前線に向かいます!」

「レルリルム王妃様、危険です……といっても止めないのでしょうね。承知致しました。俺が命を懸けてお守りします!」


 私はこの戦いが国の未来を決めると実感していた。

 早く戦争が終わり、この国がいつまでも平和であって欲しい……。

 しかし、聖女教が存在し続ける限り、この国に未来は無い。


「敵は聖女連盟と名乗り、ウッドロウ大公を中心に世界中の聖女教急進派がまとまっているようです! 各国諸侯はレルリルム様の民族共和を神への冒涜だとして宣言を出しています」


 何よそれ、神を冒涜しているのはどちらなのよっ!

 初代白き聖女が聞いたらどう思うかしら。


「ギュスターヴ、すぐに戦地に向かいます。テオドール校長にも軍学校の生徒達に動員をかけるように言って下さい。ただし、幼年部、青年部の未成年は待機するように」

「承知いたしました、父上……テオドール校長にはそのように伝えておきます」


 私は王宮に頼りになる仲間を招集した。


「オレ、前線でレルリルムの剣になる。だから安心してくれ!」

「レルリルム様の剣はこの俺だ。お前はせいぜい敵を蹴散らしていればいい」

「お前は剣というよりは盾だろう、前面に出るのはオレだっ!」


 だからなんでザフィラとギュスターヴが顔を合わせるとこうなるかな……?

 ザフィラはこの二年で大きく成長し、たてがみも立派な筋骨隆々の白いライオンの獣人になっていた。


「自分は前線には出ず、レオ・レオニ村の病院にいます。海路からの負傷者の救援はお任せ下さい」

「クロフト、お願いするわ。犠牲者は一人でも少なくしないと、彼等にも家族がいるのですから……」

「はい、負傷者が一日でも早く家族の元に戻れるよう、早くこの戦争を終わらせましょう!」


 前の人生では犠牲者を省みず革命を成し遂げたと聞く冷徹な革命軍リーダー、クロフトは、私の命令に素直に従ってくれている。


「レルリルム、前線は任せるよ。ただし懸念するとすれば……聖女教の連中が逃げた際にあの忌まわしい魔導爆弾の行方も分からなくなっている。あれは多くの不幸を呼ぶ最悪の兵器だ。見つけ次第すぐに阻止しないと……」

「そうですわ、魔導爆弾は見つけ次第すぐにこちらが手に入れる必要がありますわ。ただしこちらはそれを使用しない、あんなものを使って後々他の国に何といわれるか……」


 アンリは魔導爆弾の存在を知っていた。

 あの悪魔の兵器は絶対に使わせるわけにはいかない。


「レルリルム、おれも前線に向かう。もしかするとだが、あのバカがいる可能性もあるからだ。アイツはおだてられて本当の王はお前だとでも言われ、お飾りの大将や司令官になっている可能性もある。だからもし戦場にいるならおれの手でアイツを倒す……だから――もし無事戻れたらおれと……」


 兜をかぶったままジュリアス王子は弟が戦場で指揮官に祭り上げられている可能性を示唆した。


「ええ、わかりましたわ。この戦争を一日も早く終わらせ、みんなで無事に帰りましょう!」


 そして私達は戦場に向かった。



「これは……」

「聖女様、ここにいるのは皆聖女様の為に戦った者達です。どうか、安らぎの祈りをささげてやって下さい……」


 前線では既に多くの兵士達が亡くなっていた。

 だがその表情には苦しみを感じる様なものはなく、皆眠っているようだった。


「うう……私のせいで……」


 私は涙が止まらなかった、この人達にも家族がいた。

 そんな彼等を私は守る事が出来なかったのだ。


「レルリルム様、泣いている場合ではありません。彼等は貴女の為に、国の為に戦ったのです。これからも戦死者は増えるでしょう。だからこそ生き残った者はこの国の未来を築く義務があるのです!」


 ギュスターヴが私に強い言葉で語りかけてきた。

 そうね、こんな所で泣いていては亡くなった兵士達が浮かばれない。

 私はニセ聖女なりに彼等の冥福を祈った。


 戦場は混沌を極め、戦いは五分五分といったところだった。

 だがその後、私達を絶望が襲う!


 五分五分と思っていた所に敵の増援が大量に押し寄せたのだ。

 それらは全てが私の民族共和に反対する各国諸侯の送り込んだ敵だったと言える。


 もうダメなの……? この国を幸せにしたいと思っていた私は、敗戦という形で国民全てを不幸にしてしまうしかできないの……?

 私が諦めかけたその時、奇跡が起きた。


「レルリルムさん! アタシ達も戦います。貴女の気持ち、受け取りました!」

「約束を守りに来たぞ! オレはお前の為に戦う! さあ、帝国軍全軍出撃!」


 海から現れたのは……アンリエッタと英雄王クローヴィス・ハマーショルドの二人だった。


「レルリルムさん、私にはわかっていました。貴女は私を憎くて追放したんじゃない。彼の力になって欲しいという事だったんですね」

「オレもアンリエッタから話を聞いて理解した。お前は意味の無い行動はしない、それならばアンリエッタが追放されたのも何か理由があるのだろうと……そしてあの民族共和宣言を聞いて分かった。お前は旧体制の世界を相手にした宣戦布告をしたんだ。それならばオレ達が力を貸すべきだと!」


 やはりアンリエッタは私の意図を分かってくれていた。

 そして前の人生と同じように英雄王クローヴィスと一緒になり、隣国を再興させたのだ。


「ウッドロウ大公! 貴様の手下のジョンソン公爵は本国で既に拘束済みだ! もうお前達に帰る国は無い! ここで引導を渡してやる!」

「くっ、クローヴィスだと……!? 何故アイツが?」

「ウッドロウ閣下、ここはわたくしにお任せ下さい、あの忌まわしいレルリルムやクローヴィスごとこの地を葬ってみせますよ」


 ウッドロウ公爵の隣にいたのはニセ聖女のソフィアと車椅子姿のフランクリン枢機卿だった。

 彼の隣にはグローヴス元帥、スティムスン、オッペンハイマーの三人もいる。

 彼等は兵士に命じ、何かの巨大な金属の珠を取り出した。


 あれは! 魔導爆弾!?


「おお、アレが魔導爆弾か。アレをどうするつもりだ?」

「この戦場で使うには勿体ない武器ですので、王都で爆発させるのですよ。アレには少しでも触れるとドカーンですから、あの忌まわしいニセ聖女達は手も足も出せずわたくしら聖女連盟に一方的に蹂躙されるのです」

「おお、それは素晴らしい。何が民族共和だ、反吐が出るわ」


 ダメだ、アレがある限り私達は一切の手出しが出来ない。

 このままではどんどん犠牲者が増えるだけだ……。


 今度こそ……もう打つ手は無い。

 あんなものがある限り、私達には勝ち目がないんだ。


「レルリルムさん! 今こそ、私が……奇跡を起こしてみせます!」

「アンリエッタ……一体何を?」


 本当の聖女アンリエッタが祈りをささげると、辺りには光が降り注いだ。

 すると、そこには今まで見た事も聞いた事も無いような者達が姿を現した。


「! ここが次のバトルフィールドか……変身っ! 鬼面ライダー(ジン)っ!!」

「あら、変な世界に召喚されちゃったわね。まっいっか、マジカルみずきちゃん登場でーす!」

「ここは戦場か……ならば、ボクが戦いを止めて見せる! 行くぞっ、飛翔騎士……アルシオンッ!」


 異形の仮面をかぶった謎の戦士、何やら派手な色の服装の不思議な少女、鉄で出来た巨大な機械人形、どれも見たことの無いような物ばかりだった。


「お師匠様、変な世界に召喚されてしまったみたいですニャ」

「そうだね、ボクとキミでどうにかできるかなー。でも見る限りもうカードは召喚済みみたいだね」

「流石は伝説の魔法使いマギー様ニャ!」


 今度は見た目で分かる魔女に人の言葉をしゃべる猫!? もう奇跡のオンパレードで私は何といっていいのかわからなかった……。


「レルリルムさん、これがアタシの奇跡です! 大丈夫です、彼等彼女等は味方ですから」


 どうやらこの面白おかしい連中は全てアンリエッタが召喚した者らしい。

 彼等は連盟軍を次々と倒していった。


「キメンキック……ファイナルデスティネーション!」

「まじかる……どっかーんえくせれんとっ!」

「アルシオン……戦場を駆けろっ高出力レーザー砲、ロックオンッ」


 私達は夢を見ているのだろうか……連盟軍の兵士達が次々と吹き飛ばされていく。

 アンリエッタの召喚した者達は一人が一騎当千とも言える者達ばかりで、ギュスターヴや英雄王クローヴィスですら唖然としていた。

 平然とした顔をしているのはアンリエッタだけだ。


「い……一体どうなっているの?」

「レルリルムさん、彼等はアタシの知る最強の仲間です。彼等に任せれば、もう勝ったも同然ですっ」


 い、いや。そうだろうけど……理解が追い付かない。


「な、何だアレは……あんな連中がいるなんて聞いていないぞ!」

「こ、このままではワシらが……負ける」

「イヤだイヤだ。今のこの地位を失うくらいなら、いっそ死んだ方がマシだ! それならこの場で魔導爆弾を発動させてやるっ! 死ね、全員死ねっ!」


 自暴自棄になったフランクリン枢機卿が魔導爆弾を作動させた。

 ダメだ、このままではここにいる全員が死亡するっ!


 私が絶望を感じたその時、異界からの戦士達がその全力を見せてくれた。


「これをここで爆発させなきゃいいのよね。よーし、みずきちゃんの番でーす! ばりばりまじっくばりあー」


 不思議な少女の魔法は魔導爆弾を謎の七色の光で包み込んだ。


「ようはこの爆弾を爆発させなきゃいいんだろう! キメンキック! エアリアルバーストッ!」


 そして次は異形の仮面戦士が強烈な蹴りの風圧で魔導爆弾を上空高くに舞い上げた。


「お師匠様、出番ですニャ」

「そうだね、それじゃあ飛翔騎士アルシオン、後は頼むよ……マジックテレポート!」


 さらに魔女と猫が不思議な魔法で巨大な機械人形を一瞬で上空に移動させた。


「コレを地上で爆発させるわけにはいかない。この超高度なら……いくぞっ! フォトンブラスター!」


 私達の見ている遥か上空で魔導爆弾が爆発した。

 だが幸いな事に異界からの戦士達によって犠牲者は誰一人出なかった。


 この事により、なすすべの無くなった連盟軍は私達の前に全面降伏した。


 そして、連盟軍と私達の戦争は終結した。

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