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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

フン作

作者: 奥林 匹斯(ヒコ)

勧告:

汚物や汚い言葉が出て来る作品です。

読んでて気持ち悪くなったらちゃんとページ閉じてくださいね!


(上)


 普通の異世界ラノベなら、いつも主人公がトラックに轢かれる所から始まる。もしくは轢かれる20秒前のダラダラした自己紹介から。

 だけど、このラノベは違う。なぜなら、この作品の主人公は、そう、黄門(こうもん)広作(こうさく)なんだ。だから、黄門広作が直接異世界に飛んでから始めようと思う。…そう思う。

 だけどその前に、やはり主人公を紹介しよう。

 黄門広作という奴は、肛門科で臨床実習をしてる医学生である。

 ……

 ……それ以外も以内も何も言うことはない。そういう人間が異世界に飛んで来ただけのこと。ましてや異世界に来る方法など言う必要性もない…

 はい、実は面白い方法思い付かなかっただけです。すみません。

 でもちゃんと来てますよ、来ましたよ、偉いね、黄門広作。

 ここから、歴史の歯車が動きも狂いもビクともしなかった。

 ただそれだけの話。


 「……」

 黄門広作はこの見知らぬ世界に着地してから、ずっと今のこのポーズで固まったまま。

 このポーズは…なんという素晴らしくて微妙なポーズなんだろう。顔が先に着地したかのように完璧に地面にめり込んでいる。そして顔と正反対に、尻が高く上げられて、「へ」の字がこの瞬間のために発明されたと感じる程、「へ」の字になっている。

 なんというポーズだ、流石黄門広作と言った所でしょうか。

 10分、20分も、ずっとこのポーズを保ち続けた。恥ずかしくて起き上がりたくないなのか、単に気絶しているのかすらもわからない。

 そうだ、この機会に、ついでに彼の能力についても説明しよう!

 普通異世界転生したら、バグみたいに便利な能力の一つや二つは付いてくるものだ。

 そんな能力は、当然彼にも付与されている。

 それは、

「肛門周りのうんこを操る程の能力」である。

 「起き上がらないのは正解だった。」

 なんと、気絶してはいなかったのか!ちゃんと起きている!

 「このまま一生この地面と親しく生きていこう。」

 現実逃避まで!

 いや、もともと異世界に来ることも現実逃避なんだから、これは現実を逃避したことから逃避しようとしているのか!つまりちゃんと現実と向き合っている!流石黄門広作!

 「あの…」

 女性の声がする。

 修道服を纏っている女性が近づいてきた。ここでついにヒロイン登場か!

 「いいえ、単に修道院の隣で騒ぎ出すのは、皆さん迷惑ですので…」

 「聞こえていたのか…」あのポーズを維持するまま、黄門広作は女性に聞く。

 「…はい。残念ながら。」

 「どの辺から?」

 「物凄い爆音があったので、すぐに駆け付けて様子を伺っていました。」

 「つまり最初からか…」

 「…はい。残念ながら。」

 「俺があの痛いナレーションと会話してるのも全部聞こえたのか?」

 「はい、あの痛いナレーションと会話してる所も全部聞こえました。」

 「……」

 「……」

 「なんか…すみませんね」

 ここで謝るのか、黄門広作。流石だ、黄門広作。

 …すみません。と、ナレーションはナレーションは自分でも謝ってみた。

 「とにかく起き上がりましょう、ずっとこのままではダメですし。ここで暮らす人もいますから。」

 「はぁ…色々と、すみません。」

 顔で着地してから30分、ついに顔が地面と別れを告げる。



(下)


 シスターさんの優しさで、礼拝堂を借りて状況整理と休憩の場ができた。

 「おい、ナレーション。さっき言った俺の能力だが…」

 はい、すごい能力ですね。

 「どこがだよ。ただの大便じゃん!」

 能力は所詮能力、悪になるか善になるかはすべて使い手次第。

 「うんこにしかならないだろ。」

 そしてずっと優しい笑顔で、シスターさんはこっちを見ていた。

 あれは多分憐みでしょう。

 「俺は…うんこを操られるのか…?」

 「いや、肛門周りのだけ。」

 「ただのうんこ(動詞)か……」

 ……

 「…じゃ、じゃあ。」

 「…うんこをASSの中で加速させて撃ちだすとかの技は…どうかな」

 このままこの設定を受け入れるのか!流石だ、黄門広作!

 そうだな!レールガンみたいに撃ち出そう!

 「…あ、あの…」

 シスターさんはついに口を開けた。ついにこの悪臭漂う話に耐えられず、主人公とナレーションをここから追い出すのか。

 「実は…私にも、能力がありまして。」

 「ああ、そうですよね。異世界だもの、治癒の魔法とかは使えそうですね、シスターさんなら。」

 「いいえ、この世界で最も必要ないと言われている能力です。」

 「そんなことはない、どんな能力でも…」

 どんな弱小な能力でも、そろそろ自分の能力はその以下だということに気付け!黄門広作!

 「人の肛門の…限界を開拓する能力です。」

 しまった!こっち側の人間だったのか、あんたも!

 さすがの黄門広作ですら、その発言の内容の突拍子もなさで固まった!お前もか!よりによってお前が固まるのか!

 それにしてもなんという迫力!初対面の人にこんなこと白状できるなんて!しかもちょっとだけ顔を赤らめているだけなんて!一般人だったら絶対恥ずかしくて死にそうで、そもそも最初から言おうとしなかったはずなのに!特殊な訓練でも受けているのか、このシスター!

 「つ、つまりあれか…の、能力は〇門拡…拡ちょ…」

 「……」

 この場の空気も固まりつつあるが、黄門広作は空気にそんな真似をさせない。

 「…でも、何故それを俺たちに?」

 そこでさりげなくナレーションをも仲間に入れている主人公なりの優しさ!

 「あの…ずっとその話題を聞いて…

その…なんていうか……

 お互い恥ずかしい能力なので、同類…かな、と思って…つい…」

 ここに来てデレ始めるのは素晴らしい!やはりこの子はヒロインだ!

 「なるほど…」

 ???

 「なるほど!」

 ???

 よくわからないが、黄門広作が興奮している。流石黄門広作だ。

 「『肛門』の定義を広めればいいんだ!」

 !!!

 「俺の能力は、肛門周りのうんこを操る程の能力。

 それで、もし自分で『肛門』を定義できれば!」

 これが日本のバトルアニメを一杯見た人間の思考回路か、黄門広作!

 「どんなに馬の骨みたいな能力だって、他の能力と組み合わされば、『最強』にはできる!」

 これが日本のバトルアニメを見過ぎた人の末路か、黄門広作!これが週刊少年なんとかの連載作品だったら確実に打ち切り喰らってるぞ!

 「〇方肛珠伝。」

 ??!!

 黄門広作がにやける!

 「これが俺の能力の名前だ!」

 黄門広作が高笑う!

 某ビール好きに謝れ!黄門広作!

 そして、これ以上のネタ遊びは許されないぞ!黄門広作!

 「そうだ!これだ!シスターさん!」

 「…、はい?!」

 突然のとばっちりを喰らうシスターさんであった。

 「俺一人の能力だと何もできないが、二人なら、絶対に魔王なんぞも倒せるだろう!」

 「…??? はい?」

 「ああ、失礼しました、お名前は?」

 「…???…アリシアです…」

 「アリシアさん!これで一緒にチーム組んで、魔王を倒しに行きましょう!

 きっとこれが、俺がここに来るりy…」

 「魔王って誰ですか?…」

 ……

 「…いや、いるでしょ、でないと、誰がこの世界を危機に」

 「…?ここは平和ですよ。

 確かに十年前は辺境で他の国との小競り合いはあったのですが、最近はどこの人も平和に暮らしていますよ。」

 「……」

 再び固まった黄門広作。これが『二度あることは三度ある』ということだな。

 「…これからも、出ないですか?魔王とか…?」

 「聞いたことない名前ですが、出ませんと思いますが。」

 「出なさそうですか?魔王…」

 「出なさそうですね、魔王さん。」

 「……」


 そしてついに伝説にはならなかった。

 ちなみに、主人公は最後の最期で脱〇し尽くして、真っ白になる予定です。

 波乱万丈なド下品冒険談、ここに開幕!どんどんどんどん!


 そして閉幕!    バンバンバンバン!

ここまで読んだあなたは勇者です!

ご褒美はありませんが、

自分に拍手して、どうぞ。

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