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 勝利。勝利である。賛否に両論、いやそれ以上の大反響である。目論見通りだ。これほど思い通りに人を動かすことができるとは思いもしなかった。いっそ連載版の副題に『―愉悦の極み―』なんて入れたくなってくる。やらないが。やったら炎上しそうで面白いのだがちょっと燃えすぎるかな、主に胃が。最近燃えるように胃が痛む。


しかし欲にはあらがえず試しに打ってみた。


#書き出し祀り―愉悦の極み―


見た目は最高なのだが。煽りすぎだ。やめだやめだ。愉悦の極み。いや、本当に最高だ。思わず笑みが出る。顔が熱くなりすぎるほどに笑みが止まらない。感動すら覚える。顔を冷やしたくて窓の外を見て―窓に映る自分の笑みの醜さに萎えた。やめだやめだ。消してしまえ。


 さて、感想の中で褒めてくれるものは嬉しい。しかし今回は貶すものも面白い。予想の範囲内だ。正しく予定の範囲である。もし、もしこのイヴェントを主催以上に楽しんであるものがいたとすれば、今回は私だ。

 黒い炎に似た熱情とも呼ぶか悩む、不可思議の塊が腹の、肚の、胎の底から這い上がってくる。私に胎はないはずだが、それは考慮の外だ。いや、物書きなら実体にない胎を持っていても不可思議ではないか。よろしい、ならば私にも胎はあるのだから問題ない。

 私の胎には喜も怒も哀も楽も、そしてそれで現しきれないありとあらゆる感情も、血も肉も、天も地も混然一体となって脈をうちつつ漂っているのだ。そしてそれは私の生命の根元より力を得て受肉し、いとおしき我が物語となる。そうだ。全くいとおしくある神秘にも似た我が物語()だ。歪だろうが醜かろうが、それは私の関知するところではない。私は総力をもってこの物語を愛しよう。


 そして、そして私はここで数ある感想のなかにもある疑問に答えようと思う。続きはどう書くのか、と。

 それは見ての通りだ。『書き手』の感情の赴くままに書く。今は究極に機嫌がいい。機嫌がよければ自然と歩調は整い口は歌を欲する。


  Fridericus Rex, unser König und Herr

  Der rief seine Soldaten allesamt ins Gewehr

  Zweihundert Batallions und an die tausend Schwadronen

  Und jeder Grenader kriegt sechzig Patronen

  

 古いプロイセン王国の軍歌。200個大隊を召し千の方陣を組ませ給い、擲弾兵には60発の実包を賜わる。一番の気に入りの部分まで歌いきればさらに高揚する。そうもなればおかしいくらいに物語は私より生まれ出てゆくのだ。他に書きようがあるだろうか?

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