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 待ちに待った本文公開の日。これまでのタイトル感想で、極めて中身を正確に予想してきたものがいる。その時は背に水滴の伝わるような錯覚すら覚えたものだ。まるで裸で市街をうろつくような、漠然とした恐怖とも羞恥ともつかぬものを感じた。まあ、見透かされていてもおかしくはない内容ではあるが。これほどわかりやすい話もなかろう。

 今回、とある参加者さんと一緒に呑みながらその時を見届けるつもりである。国鉄の技術帽を目深にかぶりなおしながら、寒さに耐える。上野の雑踏に、都電の幻影を探しながら。

 世にもとどろく一大生活幹線であった都電。それが全く痕跡を残さないということはあり得ないものだ。今この不忍池横の公園になっているここが、軌道敷だった。信じられぬほど痕跡はないが、確かにここは軌道敷なのだ。呆としていると、むこうから黄とも何とも言えぬ塗装に赤い帯の、都電電車が走ってくる。ありもしない架線がせんにパンタグラフをあげて、古めかしいモーターの轟音も高らかに。そしてそれは私の目前でふと掻き消えた。幻影だ。そもそも世にあるものは幻影と実態のはざまで移ろう。確たるものなどこの世にはない。であるならば、先ほどの幻影もまた確かにこの世に存在しているのだ。否定する要素など、この世のどこにもありはしない。


 ようやく、多少早くに待ち合わせることができ、店に向かう。海鮮で酒だ、天にも昇る。酒は良いものだ。飲んでいる間だけは、呑んでいる間だけは、おのれの小ささやみじめさを忘れさせてくれる。フォロワーさんと実際に会うのは初であって、しかも印象が異なっていたが、それは些細な問題である。実際に話してみれば確かに彼なのであるから。

 しかし、酒の出し方が特殊な店だ。よくわからんが、旨い。旨いことは正義だ。旨いものを食べることができれば正義。それができない店は悪。それだけのことだ。

 酒の肴はどれが誰の作品かということ。第一会場の一番目の作品はきっと誰のだ、みたいに。

 そしてついでに自分のものもしょっと目を通し、誤字脱字の有り無しを見る。一番最初に気になるものはそれである。多分皆そうだろう。

体調を崩したため休載していましたが、ようやく戻りつつあるので再開します。

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