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 残りは五分。天に地に無双のモノが書けたと自負している。ただ、これを本当に出して良いのかは、すさまじく悩んだ。これは内輪受けを目的としている。内輪受けの話はこういった催し物を内側から蝕む悪夢の病原菌と読んでも差し支えはない代物だ。そんなものをこの手で放って良いのか、いくら考えようともでも悩みきれぬ。


 そうして今日まで来てしまった。私は遅筆であるから、もう今から新たに書くわけには行かないものだ。そうしたら間に合わなくなってしまう。ここに至れば腹をくくらねばならぬ。何かあったら死のう。死ぬしかない。


 もう腹を括った。それならば最善を尽くすべきだ。目指すは、第一会場、しかもその一番目。そもそもこのネタでは第一会場の一番の先頭になければ効果は半減どころかまったくに失うと言っても良いものだ。それほど狂った内輪受けなのだ。それ以外で読まれることなどない。私のような最底辺が何とかするのはその程度の手しか思い付かなかった。


 あるいは反対に第四会場のラストだ。しかし、これまでの傾向から見れば、第四会場の場合提出者の不備による代打などがあり得るのである。したらラストを狙うのは不可能に等しい。


 だからまだ可能性のある第一会場の先頭を目指すのである。ここにあれば威力は最大に至る。歩兵で例えるならば銃剣の剣先を敵陣に届かしたときと言って良い。


 こうなったらどうなっても最善を尽くす決意。それが明日は仕事で早いというのに遅くまで起きる動機である。まぁ、台風のせいで寝付けないなんてのもあるが。


 外は台風。著しく風雨あり。雷天なるか閃光の止まず。これは落雷を恐れるべしとの天啓を得たり。天の為すことであれば天啓にしたがうが正しきに。PCは現状充電足らず時間まで持たぬことは明白である。慌てて携帯電話を手に取る。読み込みの遅い携帯電話のインターネットを怨みつつ予定の原稿を呼び出す。震える手でそれをコピーし、時を待つのだ。


 こうして用意ををして行くと、自然とからだの内からすわっと熱量が立ち上がる。震えた。なるほどこれが武者震いと云うやつか。雷天の元に武者震いと来ればまるで古来の戦のごとくではないか。自然と笑みがこぼれる。


 時は来たり。定時進行。しかしまだアクセスできない。何度読み込みをするがまだだ。焦りばかりがつのる。手が震えるが寒さか興奮なのかわかりはしない。

 ようやくアクセスできた。ツイッターの名前と@のヤツ、そうして題を入力する目と手が震える。早くしなければと焦るがそれで投稿を失敗すると元も子もない。最後に本文をペーストして、投稿を押し-いや、直前にチェックボックスがあった。いかん、間に合うか?咄嗟にチェックボックスを叩き投稿を押した。


 投稿を完了した旨のページに飛ぶ。激しい心拍が収まらない。いつの間にかここまで心拍が上がっていた。まるで走ったかのようだ。息も上がっている。主催者様の方に投稿した旨あいさつをして、寝ることを決めた。これほど心拍著しくて、寝れるかわからないが明日は早くから作業なのだ。

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