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 ――ああ、大往生だった



 好きな人と結ばれて、結婚して。子供を産んで、育てた娘や息子が孫を連れてきて

 あの人には先立たれてしまったけれど、色んな事があったけれど。それでも、孫や子供たちに囲まれて

 とても充実した一生だった――――



 ――なのに



「姫ーー!!」

「姫は預かった。来られるものなら来るがいい! 我が城へ!」

「くそ……っ必ず助けます姫!」


 ――何これ?

 何なのかしら、これは。私を抱えているのは誰なのかしら……!?

 

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