登場人物
イーファ・ブレトナハ / Aoife Breatnach
【基本情報】
魔法使い。早月が12才のとき、105才で没した。
【趣味】
趣味は能の鑑賞。特に「羽衣」を好む。
【家族・住環境】
北アイルランド、アントリムの生まれ。生涯の大部分をイングランド、グラストンベリーで過ごし、同地で死去。早月の曾祖母で、早月の母の母の母にあたる。
【人間関係】
芽実とは、戦前からの友人。互いを「メグ」、「イブ」と呼び合う仲だった。芽実よりも5才年上。
【戦闘能力】
オガムを最も得意とし、その他ルーンなどいくつかの魔道に習熟していた。上記2つを早月に伝授した。
西ヨーロッパ中で名が知られるほどの実力を持ち、「アルスターの魔女」の異名をとった。
垓神真具那 / がいがみ-まぐな
【基本情報】
東京成鸞館高等学校1年C組。
【容姿】
前髪が長く(面倒だから散髪に行かないだけ)、常に手串で前髪をかき上げる。そのため、髪が針金のように硬化している。前髪の両端を、側頭と耳の間の、眼鏡のつるを載せる場所に挟む。
【趣味・好物】
漫画を読むのが好きで、自らも書く。現在は魔法少女ものに凝っている。自分と趣味を共有する人間を増やすのに熱心で、かなり強引に勧誘活動をすることも多い。
【経歴】
卒業した中学校は、成鸞館中学ではない。また、太薙の出身校と同じ。
【人間関係】
太薙とは、中学校が同じでつき合いも長い。太薙の言うことは、誰が聞いても納得するような内容ばかりなので、逆らえない。
菊池芽実 / きくち-めぐみ
【基本情報】
魔法使い。生前は帝室庁に任官し、侍衛部典儀課に配属されていた。晴日・らん・早月が中学2年のときに、102才で没した。彼女の死後、典儀課は魔道士が一時不在となり、晴日・らん・早月本人の意思により、後任として3人に辞令が交付された。
【容姿・服装】
やせ型。背筋がピンと伸びていて、身長は160cm近くあった。髪は全て白髪だったが、薄くなる気配はまるでなかった。眼光が鋭く、一見すると冷酷な印象を与える。
【趣味・好物】
イーファの影響から、紅茶を好んでいた。
【家族・住環境】
弟、その妻(芽実にとって義理の妹)、姪|(2人の娘)がいた。姪も魔法使いだった。弟は潜水艦の聴音手だったが、ミクロネシアで撃沈され、戦死した。義理の妹と姪は終戦時、現在の中国吉林省にいた。ソ連の満洲侵攻により、前者は射殺された。後者は、ハバロフスクに連行され、超能力開発の実験台にされて、16才で死亡した。
自身は生涯独身だった。
晴日と出会うとすぐ、彼女を養子として引きとり、以後養育した。
晩年は、千葉県市川市の一軒家に住んだ。
【性格】
人当たりがよく、世話好き。姪を戦争で失った経験から、子供に対し極端に甘い。
【経歴】
帝室庁侍衛部典儀課の、設置時からのメンバー。1990年代以降は、同課で唯一の魔道士だった。
【人間関係】
姪を溺愛していた。
イーファとは、戦前からの友人。どちらかというと、芽実のほうが、イーファを慕っていたような関係。
晴日が8才のとき、彼女の養親となり宿曜道を教えた。らんが中学1年生のとき、彼女と出会い陰陽道を教えた。
早月にも多少は、自分が扱える魔法を教えた。だが、すでにルーンをマスターしている早月には、あまり必要にならなかった。
3人とも、芽実を「おばーちゃん」と呼び慕っていた。
【戦闘能力】
陰陽道・宿曜道・修験道その他、日本に伝わる大抵の魔法は、実行可能。
魔法使いになったのは比較的おそく、早くから仙骨が発現した晴日・らん・早月と比べると、魔法の上達は遅かった。
魔法自体の才能はそれほど高くはなく、現に芽実が存命中の時点で、3人の力は芽実を追い抜いていた。しかし、魔法についての豊富な知識と多彩な技術、目的を達成するのに最も適した魔法を、瞬時にかつ的確に見抜く判断力、対峙した敵には、一切の情け容赦をくれない冷徹さなどから、実質的・総合的な戦闘能力は、3人が束になっても、まるで敵わないほどだった。
【その他】
人はよく分からないものや、ふつうの人とは違う者を恐れ排撃する、ということをよく知っているので、存命中は腰の低い態度を貫き、周囲の信頼を得てきた。現在、晴日・らん・早月への風当たりが非常に良好なのは、その恩恵が大きい。
権藤太薙 / こんどう-たいち
【基本情報】
東京成鸞館高等学校1年C組。クラス役員。8月8日生まれ。血液型はA型。
【家族・住環境】
東京都日野市に住む。
天涯孤独。児童養護施設で起居する。
【性格】
正義感が強く、困っている人を放っておけない。
行動力・統率力があるが、おごらない。自ら行動するタイプだが、独り善がりではなく、他人の考えを最大限尊重する。誰からも好かれる、欠点のない人格。
自身の利益を犠牲にすれば、全体の利益の総量を最大にできると判断した場合は、迷わず自身の利益を犠牲にする。反面、他人の利益を犠牲にすれば、全体の利益の総量を最大にできる場合でも、他人に犠牲を強いることは、まずない。
【経歴】
卒業した中学校は、成鸞館中学ではない。また、真具那の出身校と同じ。
【口調】
一人称は「僕」。
【人間関係】
真具那とは、中学校が同じで、つき合いも長い。彼のパーソナリティを熟知している。嫌ってはいないが、彼が第三者を困らせることがあれば、たしなめる。
桜井辰午 / さくらい-しんご
【基本情報】
帝室庁侍衛部典儀課の現課長。31才。魔法使いではない。
【容姿・服装】
やせ型で、身長は180cm近くある。端正な顔立ちだが、髪型や服装にあまり気を使わないため、三枚目に見える。
いまだにネクタイを結ぶのが下手。
【性格】
真面目。計算高くて如才ないが、親しい者には誠実。
自己評価が極端に低い。しばしば、自虐的な発言さえする。
【口調】
一人称は「僕」。
【経歴】
北下荘大学法学部を卒業。帝室庁に任官し、芽実の存命中に現在のポストについた。
【人間関係】
晴日の未成年後見人。芽実が晴日に遺した遺産を管理する。
晴日だけでなく、らん・早月をも、娘のように大切に思っている。3人を危険な目にあわせたくないので、3人が典儀課に身を置くことを、内心よく思っていない。
芽実を尊敬しており、典儀課の課長になった後も、彼女の意向を常に尊重していた。
鈴城初恵 / すずしろ-はつえ
【基本情報】
帝室庁医事部に所属。25才。魔法使いではない。
ほぼ典儀課に常駐し、晴日たちの健康チェックを行う。また彼女らがけがをしたときは、治療にあたる。
【性格】
基本的に、親切で面倒見がよい。だが、少々おおざっぱなところがある。
いわゆる、ハンドルを握ると性格が変わるタイプ。自動車の運転が、きわめて乱暴。
【口調】
一人称は「わたし」。
【その他】
北下荘大学看護学部出身。
密かに辰午のことが好き。だが今のところ、思いを伝える意思はない。
セリーズ・ブライス / Ceres Bryce
【基本情報】
アメリカ国籍。カフナ。10月18日生まれ。血液型はA型。
【容姿】
髪は、光沢のある黒。嶺と同じくらいの長さに伸ばす(セミロング)。
血色のよい小麦色の肌。
身長は160cm。
【趣味】
趣味はプロレス観戦。昔、メキシコからハワイを訪れ、セリーズと親交を持った巫師の影響。
【家族・住環境】
ハワイ島ヒロの生まれで、現在もそこに住む。
【性格】
ふだんは豪快で乗りがよい、いわゆる姉御肌。
自信家でもあり、若干、強引。
反面、打たれ弱い面がある。失敗したり、非難されたりすると、ひどく落ちこむ。
【人間関係】
晴日・らん・早月は中学1年のとき、ハナ・カフナに含まれる、ワイルアという技法を習うため、芽実に連れられてハワイを訪れた。そのとき、3人とセリーズが知り合う。
現在も4人は、たびたびメールをやりとりしている。
セリーズには、晴日たちが会ったことのない魔法使いの知り合いも、数名いる。また、嶺やライナの存在は、知らない。
【戦闘能力】
ハナ・カフナという魔道の使い手。主に、風や波といった自然現象を操るのを得意とする。
ティエラ・メリカント / Tiera Merikanto
【基本情報】
フィンランド国籍。男性。47才。ラウラヤ。
【住環境】
フィンランド、サンマッティ在住。
【性格】
気さくでひょうきん。
若いころは、もっと血気盛んで無鉄砲だった。だが、ライナを弟子にとってから、急速に落ちついた。
【人間関係】
ライナにラウルを教えた。
イーファとは面識があり、ライナが10才のとき、彼女を伴ってイーファの元を訪れた。
【戦闘能力】
ラウルを扱えるのは、ティエラやライナを含めても、フィンランドで5人しかいない。ティエラはその中でも、最も強力な使い手。「ヴァイナミョイネンの再来」とまでいわれる。




