因縁
入学式が終わり翌日
リアムと昨日知り合ったラディウス・シルバーは、リアムとドアを開けた瞬間目があった。
二人ともいきなりのことで頭がフリーズしてしまい、己の頭を必死に再起動させようとしていた。
「……よ、よぉ」
そしてなんとかリアムはフリーズ状態から再起動をはたしようやく声を発する。ラディウスもその声を聞いてフリーズ状態が解除され朝の挨拶を返す。
「あ、あぁ。 おはよう」
「今日は、初の授業だな。何するんだろうな」
「さぁな、持ち物は特にいらないって言ってたしいきなり魔法の実技だったりして」
リアムとラディウスは、そのまま一緒に歩いて行き今日からはじめる授業について話しながら学園へ行くのであった。
学園の校門付近
「――食堂が広かったしメニューも豊富だから昼が楽しみだよな?」
「ああ! こんな話ししてたら腹へってきたよ」
「ははは!! なんだよそれ、さっき朝食食べただろ?」
「それもそうだな」
リアムとラディウスがたわいもない話をしながら学園の校門をくぐると一人の男がとりまきを率いてこちらに向かって歩いてきた。
「おやおやおや?」
「ん?」
リアムが近づいてきた男に目をやる。
「これは、”腰抜け"のラディウス君じゃあないか」
「ぐっ!!」
その言葉を聞いてラディウスは歯を食いしばった。
「はぁ〜、よくもまぁお前みたいな出来損ないがこの学園に入学できたな」
「そ、それは俺が努力したからだ」
「努力? はッ!! 冗談も休み休み言えお前程度努力したからといって強くなるわけないだろうが!!!!」
そして男が腕を振りかぶりラディウスを殴りかかった。
「――待て」
「なんだお前は?」
「それは、やりすぎだ」
リアムはラディウスへ殴りかかった男の腕を掴んでいた。
「フンッ!! 貴様もこんなやつ一緒にいると己の価値が下がるぞ」
「価値?」
「ああ、将来騎士団に入る予定ならこんな”腰抜け”と一緒よりこの私についてくるといい、上に口添えをしてやるぞ」
「いや、いい。そんなことをしてもらっても俺自身強くなるわけじゃない。そして何よりこいつといようがいまいがそれは俺が決めることだ。お前が決めることじゃない」
「なに?!!!! 貴様、よくもこのノーテル・パラモンド様に口答えしたな!!!!許さんぞ!!!!」
「それに強いかどうかわからないのにお前に教え請おうとも思わないね」
「き、き、貴様ァァァァ!!!絶対ゆるさんぞーー!!!!!! だ、だったら見せてやる、この私の強さをな!!!!」
「どうやって、俺に見せてくれるんだ脳天パラダイス? 」
「ぐぬっ どこまでも侮辱しおって!!!! 決闘だ!!!!」
リアムが煽りに煽りノーテルの顔は、真っ赤に染め上がり頭には血がのぼっている。そして聞いたことがない言葉がリアムの耳に入る。
「決闘何だそれ?」
「そんなことも知らないのか、これだから平民は」
ノーテルは、弱点を見つけたと言わんばかりの笑みでリアムを煽った。しかし、、、
「ああ、入学式の時に言ってたやつかすまんな寝てて聞いてなかった」
「なっ!」
思いもしない返しにあってノーテルは再び顔を真っ赤に染め上げる。
「ぐっ、それで受けるのか受けないのか?!!」
「――ああ、もちろん受けるよ」
「それでは、申請はこちらで出しておく明日のこの時間ここでだいいな?!!」
その言葉を発してこちらの返事を聞かずにとりまきどもをひきつれて去って行った。そして去り際に口角が上がっているような気がした。
「な、なぁ?」
「何だ?」
「何で受けたんだ? その、相手は上級生だぜ?」
「最初に言っておくが別にお前のためとかそー言うのじゃないからな。……そうだな単純にこの学園の生徒はどれくらい強いのか気になったからだな。お前が気にやむことじゃねぇよ、これは俺が決めたことだからな」
「わかった、そんなこと言われたらなにも言えないよ。でも、あいつ絶対何か企んでるぞ」
「いいんだよ、それを含めてあいつを倒す。それだけだ」
「どっから湧いてくるんだよその自身……」
次回、9話 決闘