結果と修行
―翌朝―
リアムは朝早くから起きて試験の結果をまだかまだかと泊まっていた寮の食堂で待っていた。すると、男が食堂に入ってきた。
「昨日ぶりだな、坊主。今日は、お前の試験結果を持ってきた」
「それでどうなんですか?」
リアムは昨日の実技試験の試験官の男に結果を聞きだそうとした。
「ああ、リアム・ウェルシュ、お前をヴェステリア学園に入学を許可する。おめでとう、合格だ」
「そうか」
リアムは、拳を握りしめこれからの学園生活に思いを馳せていた。
「これから始まるんだな」
「ああ、浸っているとこ悪いが簡単に説明するぞ」
「あ、すみません。お願いします」
「1週間後に入学式を行う、絶対におくれるなよ。それまでは、この何をしててもいい。寮は入学後も使ってもいいからそのままで大丈夫だ」
「わかりました」
「それじゃあ、伝えることは伝えた。入学式でな、じゃあな」
用件を済ませた試験官の男は早々に食堂から立ち去った。
――あ、名前聞いてないな。
そんなことを思いながらリアムは、これからの予定を考えながら過ごすのだった。
リアムの入学式までの1週間は、修行三昧であった。実技試験の時リアムは己の全ての力を出し闘った。しかし、相手の力量が全くわからなかった。簡単に言うと手加減されていたのだ。だから、リアムは魔法と体術を一から鍛え、更なる高みを見据え修行をした。
1日目ーー体力向上の為走り込み。
2日目ーー使える魔法の向上。
3日目ーー魔力コントロール。
4日目ーー再び走り込み。
5日目ーー筋力強化。
6日目ーー体術と魔法の確認。
7日目ーー休養。
と、日程をリアムを立てて修行をした。
――1日目
リアムは倒れるまで自分を追い込み走り続けた。
――2日目
使える魔法を増やそうと思い、リアムは思考錯誤した。
「今、俺が使える魔法は無属性、炎、水だけだ。他の属性は入学後に覚えるとして今は、使える属性の苦手意識がある魔法の放出を練習しよう」
そして、丸1日リアムは炎、水の球を作りそのまま放出するという簡単ともいえることをひたすら繰り返した。陽が暮れるころには、周りの地面が凸凹だらけになっていた。
「はぁ……はぁ……こんなに魔法を使ったのは初めてだ」
そのままリアムは寮へ帰るとそのまま眠ってしまうのであった。
――3日目
この日は、身体全体に魔力を纏い自在に属性を変換しようとしたが中々うまくいかず魔力切れが起こり断念することとなった。
――4日目
1日目と同じく倒れる体力の限界まで走り続けた。
――5日目
筋力強化、下半身を中心的に鍛えた。
――6日目
この日は、今までやってきたのを全てやった。
――7日目
休日。明日の入学式に備えてゆっくり過ごし早く寝た。
この1週間、リアムは己を鍛えて自身の弱点というものが見え学園でやることは山積みだということが多いと理解したのだった。