事件
―決闘場―
決闘が終わった決闘場は、新入生が上級生を倒したことにより様々な声や感情が渦巻いていた。
「おい、見たかよ。」
「すげーな!」
「たまたまだろ」
「あの程度俺なら…」
決闘場がひとしきり落ち着いたころリアムが出て行こうとした時に一人の紅色の髪の少女が降りてきてリアムにその菫の瞳をまっすぐ向けて声を発した。
「リアム・ウェルシュ君! お待ちなさい!」
「……なんだ?」
「何ですか、その『めんどくさい奴がきたな』みたいな顔は!」
「何って…全くもってその通りなんだが」
「何ですって!?」
紅色の髪の少女……もとい王女はプリプリ怒っているところまた一人金髪の少女が続いて観客席から降りてきた。
「おい、お前。姫様に何という言葉使いだ!」
「ん? なんだお前。」
「コレット! 別によろしいのですよ。私は王女だらと言って権力をこの学園で振りまくつもりはありません。」
「すみません。姫様」
金髪の少女、コレットは声を荒げたが王女によって沈められたが当のリアムはどうすればこの場か帰れるのかに考えを巡らせていた。
「なぁ? 俺に何か用があったんじゃないのか?」
「はっ! そうでした」
「忘れてたのかよ……」
「リアム・ウェルシュ君、あなた私のものにならない?」
その言葉が決闘場を包まれた時、観客席でざわざわしていた者達は会話を辞め一斉に驚愕の声をあげた。
「「「「「「「「「「「「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」」」」」」」」」
その一斉に出された声を聞いた王女は顔を真っ赤に染め上げ訂正した。
「ち、ち、違うのよ! そう言う意味じゃなくて私使えの騎士にならないって意味なのよーーー!!!」
「それは、俺がお前の駒になれってか?」
リアムは先程会話していた時より冷ややかな声で言い放ち王女を睨む。そして王女は一瞬気圧されだが続きの言葉を紡ぐ。
「それは、言い方次第だわ。 確かに私のそばを離れることはできないし行動も制限されるわ。でも――」
「生活の保障か? 別に生活には困ってないしな。それに俺は仕える主人を見つけにこの学園に来たわけじゃない信頼できる対等な仲間だ。用がそれだけなら俺はもう行くそ……帰ろうぜラディウス。」
「あ、ああ」
いつの間にか降りてきたいたラディウスに声をかけると固まったままの王女を置いてリアムは決闘場を後にした。
「ハッハッハ!!! 随分派手にふられたな」
「先生……私は彼の言っていたことは確かにその通りだと思います。権力を振りかざさないと言っていながらどこか下に見ていたのでしょう。……仲間か…考えたこともありませんでした」
「じゃあ、見つければ良い。まだ遅くない、始まったばかりだからな」
「はい!」
王女はアルフレッドにどうやったら対等な友達、仲間ができるのか聞いたがアルフレッドは返答に困るのだった。
―学生寮のラウンジ ―
夜になってリアムとラディウスはリアムが勧誘を蹴ったことについて話していた。
「俺は結構いい話しに思えたんだけどさ。なんで断るんだよ?」
「またそれかよ、だからあいつの目はどこか俺たちを下に見ていたんだよ。だから俺はそんな奴の元につくつもりはなかったし、言ったけど俺は仲間を探しに来たんだよこの学園には」
「そっか。 そういえばなんでリアムは騎士になろうと思っ――」
――ゴゴゴォォォォォドッカーーーン
ラディウスが言い終える直前で寮内で轟音が鳴り響いた。