事件発生1
それから3日がたった。
この3日でしたことといえば、資料を読んで前の部署に顔を出したくらいだ。
ここの業務にもなれてきた。最初の仕事は『名無し』についての公式な資料に目を通すことからだった、まとめるとこんな感じだ。
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彼らは人間から生まれる。よって、出生地は異なるが病院で取り上げられ『名無し』と確認されると同時に首都ルジーアスにある施設に送られる。
彼らは生まれながらに何らかの能力を持っており、攻撃を察知すると自己防衛をする。よって血液検査などは不可能であり彼らが任意で知ろうとしないかぎり知ることはない。
彼らは50万分の1の確率で生まれるためその数は少ない。また『名無し』を身ごもった夫婦には子供は死産ということになり口外しないかわりに政府から多額の金が支払われる。
このことにより一般にはあまり詳しく知られてはいない。また彼らがなぜ特殊な現象を引き起こせるかは
判明していない。
彼らの特殊な力には様々な種類があるが、共通する能力として『コンタクト』と
呼ばれるものがある。これは他の生命体に対して自身の体を分子化することで干渉することができる。
基本的には『名無し』と人間にのみ有効であるとされる。
なぜ分子化しまた戻すことができるかは判明されていない。
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他にわかった事は、彼らのための法律もあるってことぐらいでその法律の制作にここが関わったらしい。
つまり彼らについてはあまりわからないってことだ。
そして次にここが関わった過去の仕事の確認だ、
主なことは法律家のお偉いさんと会合したり、施設にいってみたり、ほんの数件の事件だ。しかしその
内容は生活苦による軽犯罪と誤解によるトラブルによるものだ。
ため息が出る。なんのために俺は刑事になったんだ。こんなことはバイトにでもやらせればいい、
まあそんなことはできないが、少なくとも未来ある若者にやらせるものじゃない。
初日に天江さんは楽っていってたようなきがするが、あまりにも楽すぎる
井上さんも俺のことよく思ってなかったのかな。
「昼か・・飯たべにいこうかな」
俺は食堂に足を運び飯を食べていると。
「隣あいてるか」
井上さんだった、噂をすればなんとやらってやつか。
「あ、かまいませんよ」
本当は嫌だったが断れるはずがない。
「どうだ新しい部署は?」
嫌味なんだろうか、知っているはずだあそこには仕事がない1人で十分だ。
「ま、まあまあですかね」
「まあ、そんな顔をするな、あそこに仕事が今ないことは知っている。
だがお前に期待してあそこに送ったのは本当だ」
何をいっているんだこの人は今自分で仕事がないって言ったじゃないか。期待もくそもない。
「じきにいそがしくなるよ」
なにを根拠にそんなことをいっているんだ。腹が立ってきた。
「井上さん俺食べたんで戻りますすいません」
「そうか、がんばれよ」
その言葉を背に俺は足早に食堂をたちさった。
このときはまだ、自分が巻き込まれることになる事件の数々など知る由もなかった。