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第一章 五話「不吉な遊覧」

レストランで高級料理を食べた翌日。アスラオスとシオンは城下町と郊外をD51で遊覧する事にした。

しかし楽しいはずの遊覧は一転。シクトリアヌ湖で起きる異変が世界を巻き込む。

「…ラオス… アス… ラオス… アスラオス!」

突然耳に入った言葉を聞いてアスラオスはベッドから跳ね上がる。

「な、なんだシオンか… 脅かすなよ…」

「脅かすなよって、あなた何時だと思ってるの!?」

アスラオスは壁に掛かった掛け時計を見る。その時計の針は、10:20を指していた。

「じ、10時を回ってるじゃないか!」

「そうよ!9時には起きる約束でしょ!!」

既に着替えを済ませていたシオンは部屋を出た。アスラオスもすぐに着替え、サーベルを手に取り、長い廊下を猛ダッシュした。

「ったく、なんでシオンの家はこんなに大きいんだ!」

昨日はフードの男との戦闘での疲れもあり、昼食を済ませた後はシオンの家でゆっくり休む事となった。しかしシオンの家はとても大きく、はっきり言って洋館風の旅館みたいだった。


「むぅ~… 遅い」

シオンは魔法鉄道の発車準備を既に済ませ、アスラオスが来るのを待っていた。

「ん~… せっかく線路開けてるのに~」

シオンはアスラオスとセントラント魔法城下町を魔法鉄道で回ろうとしていた。

「ねぇシオン。あんたが連れてきた魔法剣士ってなかなか時間にルーズなのね。」

「た、たまたまよ…」

シオンに話し掛けた一人の女性。背丈はシオンより少し高い。隣の機関車の運転席から話しかけてきた。その機関車には『C62』と彫られたプレートがあった。

「ア、アスラオスはセプテルバーン家なのよ?時間にルーズだなんて、そんな… こ、今回はただの寝坊よ!」

シオンがアスラオスが遅れている理由をもう一人の少女に説明していた時。アスラオスが階段をかけ上がって駅のホームに来た。

「す、すまん… 遅れた…」

「もぅ…」

アスラオスがD51の運転席に入ると、隣のC51に乗っている女性がアスラオスに話し掛けた。

「あなたがアスラオス? シオンからは聞いているわ」

「えっと、君は…」

アスラオスが返答しようとしたその時。

「時間が無いから行くよ!」

シオンがアスラオスの返答を遮り、汽笛を鳴らしてD51をホームから発車させた。

「時間が無いから急がないと」

「寝坊した件については、本当に申し訳ない…」

アスラオスは頭を下げて謝る。

「まぁ、別に怒っては無いから。ただ、これからは気を付けてね。」

今日のシオンはやけに優しい。そう思いながらアスラオスは、はい、と答えた。


煉瓦積みの橋を渡るD51。遠くには大きな城が見える。

シオンは城を指差して言う。

「あの城はアリアント城。女王様が住んでるの。」

アスラオスは頷く。

D51は城下町を一周した後、町の郊外へと出た。

「この川はサイロン川。大昔に氷山が大地を削って出来た峡谷にできた川なの。しばらくするとシクトリアヌ湖が見えるよ。」

D51はサイロン川に沿って進んだ。 数分すると、大きな湖が見えてきた。

「ここがシクトリアヌ湖。ここには湖の大妖精が居て、セントラント魔法城下町を見守ってくれてるの。」

シクトリアヌ湖の畔には、小さな駅とその奥に転車台があった。すこしボロボロだが、転車台は十分使える状態だった。

「綺麗だなぁ…」

アスラオスは列車を降り、湖を眺めながら言った。小鳥の囀りが湖に響く。

「なぁ、シオン…」

アスラオスがシオンに話しかける。しかしシオンは後ろを向いたまま答えない。

「なぁシオン、どうした?」

「なにか… 変…」

シオンが峡谷を見る。その時。

「グギャアアアアアアア!!!!」

咆哮と共に表れたのは巨大な竜だった。

「な… なんで竜がここに!?」

シオンとアスラオスは竜の暴風に耐える。

竜が真上を通過する。その時、アスラオスの目の前に赤い液体が大量に降り注いだ。

「な、なんだこれっ!!」

アスラオスは素早く後ろへ下がり、液体を避けた。そしてもう一度竜を見る。

竜はふらつきながら高度を下げ、ついには湖へと落ちた。

「なぁ、今の竜…」

アスラオスはシオンに聞く。

「うん、かなりの重症を負ってた…」

「竜の腹は裂けていた。内臓が少し見えたよ。そしてこの赤い液体、どうみても血だな。」

「それは分かるけど、なんでこんなに熱いの?」

「恐らく、炎属性の魔法でやられたんだろうな。あの竜の傷から見て、炎属性の魔法を使った剣で斬られたんだろうな…」

アスラオスは持ち前の推理力で考える。

「ねぇアスラオス… この胸騒ぎは何…?」

シオンはアスラオスの手を握る。魔法鉄道が不安そうな表情を浮かべるのだから、ただ事では無いと分かる。

「速くセントラントに戻ろう」

アスラオスがそう言うと、二人はD51に乗り込み、セントラント魔法城下町に向け発車した。


竜が落ちたシクトリアヌ湖はその青い色を失い、黒い赤の色へと変色していた。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。筆者のleyteです。


前回の投稿から一週間を過ぎてしまいました。テストの影響で全く書けませんでした。


さて、今回の魔法剣士と魔法鉄道ですが、人によっては表現がイマイチと思う人がいるかもしれません。


シオンが感じる胸騒ぎとは一体何なのか、謎が謎を呼ぶ回になったのではないでしょうか。


次回からは安定して更新出来る様に頑張ります。


見てくださった読者の皆さん、ありがとうございました。これからも宜しくお願いします。

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