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第一章 四話「セントラント魔法城下町」

空間移動魔法を使用し、魔法鉄道はとある城下町へと辿り着く。

アスラオスが元いた空間とは別の空間に存在するこの城下町。名を、セントラント魔法城下町と言った。


そして、少女の名前が明らかとなる。

 魔法鉄道は光に包まれた。アスラオスは、眩しくて目を開けていられない。

 数秒すると、光は消え、代わりに壮大な城下町が眼下に広がった。

  「セントラント魔法城下町へようこそ。」

少女は振り向き様に言った。

セントラント魔法城下町。この城下町の名前だが、アスラオスはそんな名前の城下町を聞いたことは無い。ましてや、魔法城下町なんて単語すら聞いたこと無いと、アスラオスは頭を掻いた。

魔法鉄道は汽笛を鳴らしながら駅のホームに入った。停車すると魔法鉄道はバルブを解放させ、溜まった蒸気を吐き出した。

「アスラオスは駅の前にある噴水で待ってて。私は機関車をしまってくるから。あ、あとこれ。降車用の切符も渡しておくね。」

アスラオスは少女から切符を受け取る。

「駅前の噴水。了解した。」

アスラオスはホームを降りた。改札を通り、駅前の噴水近くのベンチに座った。

「あのフードの男、一体何者なんだ…」

  アスラオスは一人で呟く。

ふと周りを見渡すと、町行く人々は、杖や携帯性の高い武器を身に付けている。

「魔法城下町… か。」

アスラオスは、魔法城下町の意味が理解できた。ここに居るほとんどの人々が魔法を扱える人間であり、いわば魔法使いだけで構成された城下町だと言うこと。

並ぶ商店街には、珍しい果実がこれでもかと売られており、さらに、季節の概念が狂いそうなほど、四季折々の花が咲いている。恐らく此処は、アスラオスが元いた空間とは別の空間だと推測出来る。

「ごめ~ん! 待った?」

  少女が駅から走って出てきた。

「別に待ってはない。ただ、この城下町、なかなか変わった所じゃないか。」

アスラオスはこの城下町に関しての推測を少女に話した。


「さすがセプテルバーン家ね。鋭い推測力。そう、ここはさっきまでいた空間とは別の空間よ。」

アスラオスの推測は正しかった。やはりこの城下町は、魔法使いで成り立っている城下町だった。

「なぁ、一つ聞きたいんだが…」

  アスラオスは少女に問いかける。

「さっきのフードを被った男、一体何者なんだ?」

  少女は質問を聞くと、アスラオスから視線を逸らした。

「じきに分かる。それより、自己紹介がまだだったね。私の名前はシオン・アレクザンドラ。気軽にシオンって呼んでね。」

少女は手を差し出し、アスラオスに握手を要求した。

「改めて、アスラオス・セプテルバーンだ。宜しくな。」

アスラオスはシオンと握手した。アスラオスはシオンと握手した時、なぜか懐かしさを感じた。

「で、この後はどうする?」

  シオンはアスラオスに問いかける。

「そうだな… なら、この城下町の案内を頼もうかな。まだここの知識は全く無いからな。」

シオンはアスラオスの手を引っ張った。

「それなら早く行くよ!」

アスラオスはまた、言われるがままに足を進めた。


「ねぇアスラオス~。」

シオンはアスラオスの手を握ったまま問いかけた。

「お腹空かない?」

  アスラオスは近くの時計台を見る。時計台は、11:50を指していた。そろそろ正午である。

「そうだな。って言っても、今の俺、一文無しなんだよな。」

「お金なら気にしなくていいよ。私が払うから。あ、昼にはあのお店が丁度良いね。」

そう言ってシオンが指差したのは、高級感の溢れる小さなレストランだった。

「さ、早く行こ!」

アスラオスとシオンは、レストランに入っていった。


レストランに入るや否や、アスラオスは驚愕する。

吹き抜けの空間に垂れ下がった大きなシャンデリア。外見からは想像出来ないほど中は広い。白いシーツが敷かれた丸いテーブルがいくつも並び、上には個室も見える。

すると、タキシード姿の一人の男性が近寄ってきた。

「当店へご来店頂き、誠に有り難うございます。早速ながら、人数とお名前をこちらにご記入下さい。」

シオンは、指定された紙に人数と名前を書いた。

「シオン・アレクザンドラ様と、アスラオス・セプテルバーン様ですね。個室と通常のテーブル、どちらが宜しいでしょうか。」

タキシードの男性がシオンに質問する。

「個室でお願い。」

シオンが質問に答える。

「分かりました。では、お席へご案内致します。」

タキシードの男性は頭を下げると、二人を個室へ案内した。


「こちらになります。ご注文がお決まりになりましたら、商品名を紙に書いた後、テーブルの隅に置いて下さい。紙が自動的にキッチンの方へ行きます。それではごゆっくりして行って下さい。」

タキシードの男性は頭を下げると、部屋から出ていった。

「にしてもこんな高級レストラン、財布は大丈夫なのか?」

アスラオスはシオンのお財布事情を聞いた。

「大丈夫、気にしないで。さ、早く食べる物を決めよ。」

シオンはアスラオスにメニュー表を渡した。

「お、おい… このメニュー表、冗談書いてないよな…」

アスラオスが見たメニュー表には、『白銀豚のソテー』や、『三種王魚の刺身盛り合わせ』などが書かれていた。白銀豚は1億頭に1匹の確率で存在する希少な豚で、その名の通り、体全体が薄い白銀の色をしている。

その肉は、この世の肉全てを超越した食感と旨味を持ち、一度食べたら他の肉では満足出来なくなると言う。

一方、三種王魚とは、最高級中の最高級の魚3匹の事で、魚界のキングとクイーンとビショップと言われている幻的な魚だ。

口の中でとろける様な食感と、魚介の頂を堪能できるその身。目に映っただけでどんな財布も緩むという魚である。

そんな超高級食材がメニュー表にずらりと書かれていた。

「ここはそういう高級食材の専門店なの。て言っても、このセントラント魔法城下町での白銀豚や三種王魚は、アスラオスから見てフォアグラ的な感覚で食べられているけどね。」

アスラオスはまた驚愕する。

「ふぉ、フォアグラと同じ感覚だと!? 俺もちょっとお金に余裕があったらフォアグラぐらい食べるが… この魔法城下町、一体何なんだ。」

アスラオスがメニュー表とにらめっこをしている間に、シオンは既に、注文紙に商品名を書き終えていた。

「アスラオス~、まだ~?」

「ち、ちょっと待ってな… えぇと… こ、これだ。俺は『白銀豚のソテー』にするよ。」

シオンは注文紙に、『白銀豚のソテー』と、書き加えた。

シオンが注文紙をテーブルの脇に置く。すると注文紙が宙に浮き、個室からひとりでに出ていった。

「さ、さすが魔法城下町というだけはあるな…」

アスラオスは、身の回りで起きる様々な出来事に、頭が追い付いて行けなかった。


「ねぇアスラオス。」

シオンがアスラオスに言う。

「何か私に聞きたい事無い?アスラオスにならなんでも教えてあげる。」

「そうだな… あ、そういえば、シオンが森で魔法鉄道を発車させる時、D51とかなんとかって言ってたよな。あれはなんの事だ?」

「D51?あ、そういえばその事はまだアスラオスには言ってなかったね。」

シオンはそう言うと、魔法を使って一冊の本を出した。その本には、『魔法鉄道一覧表』と書かれていた。

「魔法鉄道自体にも名前はあるの。私に名前があるように、魔法鉄道の車両にも名前があるわけ。」

シオンは本を開き、シオンの事が書かれたページをアスラオスに見せた。

「どれどれ… シオン・アレクザンドラ、車両識別名D51… ふむ、なるほどな。」

アスラオスは本を読む。

「明日、城下町の周りを走ろうと思うの。その時に他の魔法鉄道の所にも案内するから、ちょっと目を通しておくと良いよ。」

アスラオスは本を読み続けた。すると、個室の扉からノックの音がなり、扉が開いた。

「失礼します。」

そこには、メイド服を来た女性が料理を持って立っていた。

「黄金牛のステーキと、白銀豚のソテーをお持ちしました。」

メイド服の女性はテーブルに料理を置くと、タキシードの男性と同じように個室を出ていった。

「シオンは黄金牛のステーキにしたのか。」

「脂の乗りが凄く良くて好きなの。」

二人は手を合わせて合掌し、料理を食べた。

アスラオスはナイフで肉を切り、フォークで白銀豚の輝かしい肉を口の中へ入れる。

「こ、これは…!!」

アスラオスは感じた事の無い旨味を味わった。今まで食べた肉の中でトップの味だった。

アスラオスは美味しさのあまり、手に握っていたフォークを落とした。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。筆者のleyteです。


更新が遅れてしまい、申し訳ございません。リアル事情でいろいろありまして、ちょっとずつしか書けなかったんです。


さて今回は、少女の名前が明らかとなりましたね。性格はちょっと可愛い系なんですが、名前はどちらかと言うとカッコいい系になりましたね。個人的には気に入ってます。


次回はセントラント魔法城下町の遊覧ですが、展開がまだ今一ひらめいていないんですよね笑

とにかく、今回で一週間ギリギリでの投稿でしたので、次回は安定して投稿できる様に頑張ります。


余談なんですけど、行を改行して一文字分開けてるのに反映されないんですよね。なんででしょうか。


それでは、今回はここまで。次回もお楽しみして下さい。

お読み下さり、ありがとうございました!

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