宇宙人襲来!
ある日突然、宇宙人がやって来た。
彼らは知的で優しく、慈愛に満ちた生物だった。地球を訪れたのは、エネルギー問題や食糧難で苦しむ人類を救い、豊かな生活をもたらすためだった。
しかし残念なことに、彼らはギーガーの『エイリアン』のように醜く、おぞましい姿をしていた。
「(私たちは地球のみなさんのお役に立つために来ました。環境を汚染することなく利用できる無限のエネルギー、そして荒野を緑地化するための設備を提供します)」
と微笑みながら優しく語りかけても、地球人には、
「キシャーッ! グギャーッ! グゲゲゲゲッ!」
と牙を剥き、ヨダレを垂らしながら脅しているようにしか見えなかった。
そんな彼らにためらうことなくアメリカはミサイルを撃ち込み、NATOとロシア、中国がこれに続いた。
心優しい宇宙人は地球人からの攻撃に反撃することなく、あっさり全滅した。
数年後、今度は別の宇宙人がやってきた。
彼らは凶暴で残忍な生物だった。地球を訪れたのは、人類を皆殺しにして天然資源を根こそぎ奪うためだった。
しかし困ったことに彼らはピカチュウのように愛らしい姿をしていた。
「(キサマたち人類を皆殺しにしてやる。覚悟しろ、この下等でマヌケなサルめが!)」
と凶悪な言葉を発しても、地球人には、
「キュピッ☆ キュピピッ☆ キュッキュ〜ッ☆彡」
と小首をかしげているようにしか見えなかった。
地球に来た目的を調べることもなく、真っ先にグリーンピースが彼らの保護を訴えた。動物愛護団体と動物虐待防止協会もこれに続いた。
「彼らの目的は人類抹殺かもしれない」と警告した一部の科学者はシーシェパードの攻撃対象にされた。
宇宙人をモチーフにしたぬいぐるみがバカ売れし、Tシャツも大流行となった。幼児向け番組には着ぐるみが登場し、マンガやアニメも制作された。
その後まもなく宇宙人による攻撃が始まったが、地球人は何の抵抗もできないままあっさり絶滅した。