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紅銀の夜  作者: 細雪霰
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こうして出会った夜

初投稿です、ゆっくりになるかと思いますがよろしくお願いいたします。

18歳。身長173cm、体重57kg。黒髪黒眼、平凡やや上の顔。

泉津 漣(せんづれんという人間を現すならまぁこうなる。そこそこの顔にそこそこの運動神経、そこそこの学力。基本的に色々こなすが、別段抜きん出ているものはない。いわゆる、器用貧乏というやつだ。

「まぁ言われなくても自覚してるんだけどな。」

雪が降り積もる帰り道を歩きながら、漣は一言こぼした。

時刻は0時を少し回ったところ。つい先程まで散々バイト先(コンビニ)の店長に愚痴られ、挙げ句

「君は何でもそつなくこなすが、そこ止まりだよなぁ・・・」

などと言われてきたところだ。ふんぞり返ってるだけのあんたに言われたかねぇよと返しそうになった口を押さえ込みつつ愛想笑いをしてさっさと逃げ帰ってきた。

「・・・ま、器用貧乏ってことは弱点がないってことだしな。悪いことじゃねぇだろ。」

我ながら言い訳だとは思うが、これ以外に自分に掛ける言葉が見つからない。別にいつまでも器用貧乏でいたいとは思わないが、今から何か一つに打ち込むのもなぁ・・・と考えてしまう自分に苦笑してしまった。そして結局のところはいつも同じ結論にたどり着く、というわけだ。すなわち、

「やりたいことができたら考える。」

と。本人はこれで納得しているが、周りからみればただの行き当たりばったりである。

まぁそんなことを考えながら歩いていたが、5m程先に人影を見つけて立ち止まる。いつもならば気にもせず通りすぎていたが、

「・・・子供?」

大人にしては随分背が低い。目算だが、140cmあるかないかくらいだろうか。だが、時刻は既に日を跨いでいる。こんな時間に外を歩く子供に何の理由も無いとは思えない。

「おい、そこの・・・あー、小学生か?まぁ中学生でもいいが、こんな時間に何してる?もう日付変わってるぞ?」

これで大人だったらとんだ笑い者だな、などと呑気に考えていたのは油断だっただろう。

「・・・こんばんわ。君で間違いないみたいだね。」

何が、と聞き返す前に、少女は。

「こんないい夜に悪いけれど・・・浚わせてもらうよ。」

既に目の前にいた。反射的に飛び退こうとした身体を掴み、足を払った後に首の後ろに手刀一発。流れるような動きだった。月の光を浴びて輝く銀髪と紅い眼、それだけを確認した漣の意識は泥に沈むように落ちていき。次の瞬間には二人分の足跡のみがその場に残っていた。

一話目は短いです。これから量増やします。

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