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不思議な事件が起こる学校で【原作版】  作者: 楠木 翡翠
第3章 6月 合唱コンクール
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3話 合唱コンクールと洗脳と…… #2



 *



 その時の生徒達は……。


「オイ! 謎の中略ミサさんとニャンニャン刑事さん! 早く助けてよ!」

「ニャンニャン刑事さん、カッコいい……」

「ミサさん、カワイイ……」

「で、でも……ニャンニャン仮面さんは今回、カッコ悪くない?」

「そ、そうだね……」


と言う声があちこちから聞こえてきた。


「さあ、ニャンニャン刑事さん! 生徒達を救って! あとは私に任せて!」


 ミサはニャンニャン刑事に伝えた。


「ハイ、ミサさん! みんな、今から救いに行くから待ってるんだぞ!」

「ハイ。ニャンニャン刑事がくるのを待ってます!」

「オレも!」

「私も!」


 このクラスはミサのファンとニャンニャン刑事のファンが多いと思われる。

 ニャンニャン刑事は彼らを救いに行った。



 *



 ここまでのいきさつがさっぱり分からないであろうニャンニャン仮面はようやく動き出した。

 ロープで縛りつけられた生徒達のところに向かっている1人の人影があった。

 ニャンニャン刑事だ。


「あっ、キザ刑事! 戦いの方は……?」

「戦いはもう終わりに近い……。ボクはこれから生徒達を救いに行く。変態仮面、一緒に行くか?」

「ああ。何もできなくてすまなかったな……。すべて謎の中略ミサとキザ刑事に任せてしまって……」

「いや、いいんだ。その刀はちょっと危険だ。ボクの小型ナイフを貸してやる。さあ、生徒達を救おう!」


と言い、ニャンニャン刑事はニャンニャン仮面小型ナイフを差し出した。


「ああ、どうも。さあ、テンションを上げてみんなを助けちゃうぞ!」


 ニャンニャン刑事とニャンニャン仮面の2人は協力してロープで縛りつけられた生徒達を救っていった。


「さあ、みんな、急いで校庭に避難するんだ!」


とニャンニャン刑事は生徒達に避難するよう促した。


「ハイ!」


と言い、生徒達は校庭に避難し始める。



 *



 ニャンニャン刑事とニャンニャン仮面はミサの様子を見にきた。

 彼女は必死に戦っていた。


「あっ! おかえり、ニャンニャン刑事さん! 変態仮面と一緒だったんだ」

「ああ、ミサさん。生徒達は全員避難させた。残りは怪盗ベルモンドと2人の相棒だな」


 ベルモンドと2人の相棒はダウン寸前だった。

 ミサはまたなにやら謎の試験管を取り出した。

 その試験管にはハートマークのシールが貼られていた。


「ミサさん、何をしているんだ?」


 ニャンニャン刑事は怪訝そうに訊く。


「この水溶液はね、1回の戦いで1回しか使えないの。私はもうトドメを指そうと思うの。変態仮面も意外と役に立つじゃない」


 ミサがニャンニャン仮面の方を向く。

 その間、彼はベルモンドと戦っていた。


「その水溶液はベルモンドか2人の相棒のうちのどちらかしか使えないんだな。ミサさんはどちらを選ぶのか?」

「この水溶液はね、ベルモンドには効かないの。なら2人のうちのどちらかね……。うーん……女子生徒を選ぶね」


 ミサは女子生徒を救うことを決意したようだ。



 *



 ベルモンドが現れてから2時間が経過した。

 ミサはトドメを指すと決めた女子生徒のところに歩み寄り、先ほどの水溶液が入った試験管を彼女の腕に垂らした。

 女子生徒は徐々に元の姿に戻っていく……。


「ああ……。私の相棒の1人が……。よし、仕方がない! 逃走するぞ!」

「ハイ! ベル様! って、ベル様は泣いているんですか?」

「泣いてなんかいない! さあ、逃走するぞ!」


 2人は改造車に乗り込み、逃走した。

 それを静かに見送るミサとニャンニャン刑事、ニャンニャン仮面、そして、女子生徒。


「謎の白衣の美女パースエイダープレイヤー・ミサさん、ニャンニャン刑事さん、ニャンニャン仮面さん。私を助けてくれてありがとうございました!」

「どういたしまして」



 *



 あれから1週間が過ぎた。

 ついに、1年生にとっては初めての3年生にとっては最後の合唱コンクールの日となった。

 1年生から3年生まで全員が凄く緊張しているようだ。

 この高校の合唱コンクールは1年生の1組から5組……といった順に曲を披露する。

 表彰は1・2年生は学年優秀賞、3年生は学年優秀賞と最優秀賞をもらうことができる。



 *



 2年生の全クラスが歌い終わり、少し飛ばして現在は3年4組の生徒達が曲を披露している。

 曲が終わり、4組の生徒達がステージから観客席に降りてきた。

 そして、アナウンスが流れる。


「次は3年5組です。準備をお願いします」


 生徒達は観客席からステージに向かう。

 指揮をする紫苑は最後にステージに登る。

 彼女の手には折れない程度に握られた指揮棒を持っていた。

 本番が始まった。

 紫苑は力一杯指揮棒を振り、生徒達の歌声はステージや観客席に響き渡った。

 曲が終わり、ステージから降りた彼女達は観客席で結果を待つ。



 *



 ついに結果発表の時間がきた。

 観客席からはドキドキ感が伝わってくる……。


「合唱コンクールの結果を発表します。学年優秀賞は1年4組、2年1組、3年1組です。最優秀賞は……」


 最優秀賞。

 3年5組と言われたら紫苑達のクラスであるが、圧倒的に女子が多いクラスだから最優秀賞は不可能ではないかと思いながら最終結果を待つ……。


「最優秀賞は3年5組。呼ばれたクラス代表の人はステージにきてください」


 よって、紫苑達のクラスは見事に最優秀賞をもらうことができたのだ。

 彼女達は凄くそのことに喜んでいた。


「それでは最優秀賞を受け取った3年5組のみなさんは準備をお願いします」


 数分後、ステージの準備が終わり、クラス全員で声を揃えて、


「春原先生、秋山先生、一緒に歌いましょう!」

「ハーイ! 今行く!」


 2人の先生を呼び、生徒達と一緒に歌ったその曲は彼女達の最高の思い出となった。

第3話は短めでしたが、読んでいただきありがとうございました。


2014/09/30 本投稿

2014/11/15 改稿

2015/08/12 改稿

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