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不思議な事件が起こる学校で【原作版】  作者: 楠木 翡翠
10章 1月・2月 2ヶ月の経緯〜平和な遠足、予餞会はラストバトル?〜
32/36

26話 温厚主義の彼女と冷酷主義の私

【作者より】


前話から更新されている3話分はキャラクター視点で執筆しております。


本話はネオン視点です。

 うざったい……。

 なぜ、私がうざったく感じている原因は突然、私の前に現れた女性であるラントがいるから。

 全くベルは一体全体どういう趣味をしているのだろうか?

 私はそれが1番知りたかった。

 私は今、給湯室におり、2人分のコーヒーを淹れる。


「もっと、彼女より冷静な人間がいるはずなのに……」


 私はできる限り本音は漏らしたくはないけど、こればかりは少し呆れていたため、ついに漏らしてしまった。

 私とラントの性格が正反対なのになぁ……。



 *



 給湯室から出て、私はラントが待っているテラスに行き、コーヒーと一応準備しておいた砂糖とミルクを彼女に差し出す。

 私も自分の分を手に取る。


「ねぇ、ネオン?」


 ラントは長い茶髪を風によって揺らされながら、砂糖とミルクを入れ、スプーンでかき混ぜながら私に問いかけた。


「何?」


 私も彼女ほどではないが、ある程度伸ばした黒髪を風に揺らされながら、ブラックコーヒーを1口飲む。

 私は彼女と違って、砂糖やミルクが入った甘いコーヒーは好きではない。

 よって、このほろ苦さが好きなのだ。


「あなた、冷酷主義?」


 え、えっ?

 なんですか、レイコクシュギって?

 何、それは美味しいものなのかしら?

 本当にはじめて話した時に感じたけど、彼女は突然何を言い出すか分からないわね。

 私は口に含んだコーヒーを危うく吹き出しそうになりかけた。


「わ、私からも訊くけど、貴女(あなた)は温厚主義なのかしら?」


 きっと、そちらもオンコウシュギって何? ってなるかと思っていたんだけど……。


「うーん……」


 アレ? 彼女は至って冷静だった。

 私は改めて、


「なぜ、私が冷酷主義なのか教えてくれないかしら?」


と問いかけた。


「なんかね、ネオンはクール過ぎというか、怖いんだもん」

「率直な意見をありがとう。よく周りから言われたりしているわ。少し前には気取っているんでは? と言われたこともあったし……」

「ふーん……。そのことに自覚してる?」

「え、えぇ。では私からは貴女のことを。簡単に言うけど、貴女は今時の女性ね」

「なるほど。私もよく言われるから、自覚してるよ」



 *



 そんなこんなで2人で話していたら、ロレンスとベルが私達のところにやってきた。


「2人で何を話していたんだ?」

「もしかして、男性の前では言えない秘密でも話していたんじゃないのか?」

「俗に言うガールズトークというものか?」


 彼らは私に問いかけてくる。

 ベルの男性の前では言えない秘密って言うのが、嫌味で言っているのかは分からないけど……。


「ちょっとね……。2人はコーヒーは飲む?」

「あぁ」

「是非お願いする」


 私は席を離れ、給湯室に追加分のコーヒーを淹れる。

 その間に、私は少し歌を歌っていた。

 その時、あるフレーズに何かが引っかかったような気がした。

 私達はそんな運命だったのかな……?

 誰かによって操られているのかな……?

 とそんなことを思っていた自分がいた。

 ふと気づくと、かすかにではあるけど話し声が聞こえてきた。


「なんか、歌が聞こえてくる」

「多分、ネオンだろうな……。あの歌を歌ってるからさ」

「へぇー……。ところで、ネオンはコーヒーに砂糖とミルクを入れてなかったけど、苦くなかったんかなぁ……?」

「俺も彼女にはじめて会った時からすでにブラックコーヒーを飲んでいたから、気にしなかったけど」

「確かに。甘いコーヒーは好きじゃないとか言ってたぞ」

「そうなんだ」


 あっ……。

 やっぱり歌は聞かれていたみたい。

 それから、出会った時の話かな?

 私は少し安心したような気がした。

 20歳になったのに大人げないなと思っている私。


 最初は私は彼女がうざったがっていたけど、今までのは独断的な考えだったのかは分からない。

 肝心な彼女は私がどう思えてきたかは分からないけどね……。

2015/04/28 本投稿

2015/08/14 改稿

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