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不思議な事件が起こる学校で【原作版】  作者: 楠木 翡翠
第8章 11月 学校祭で起きた悲劇~化学と音楽とバトルの化学反応~
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19話 解かれる洗脳

 ミサ達は教室棟の1階から2階に行く階段の踊り場にいた。


「あとは生徒達と教師達を救うだけですね」

「そうね」


 カノンとティアが話している。


「そんな時にニャンニャン刑事さんがいればよかったんだけど……。ところで、この中で時間を操ることができる人、いる?」


 ミサが4人に問いかける。

 3人は首を横に振っているが、フィオナが右手を上げていた。


「ハイ! ミサさん、私は時を操ることができます!」


と彼女は答えた。


「分かったわ。じゃあ、フィオナに任せるね」

「了解!」


 フィオナは服のポケットから懐中時計を取り出し、それを止めた。



 *



 一方のベルモンド達はミサ達と別の階段の踊り場にいる。


「敵が洗脳を解こうとしてるわ……」

「どうにか阻止しないとな……」

「……」

「ん? ベル?」


 ネオンが何かを察した。


「オーイ、ベル、起きろよ!」


 ロレンスがベルモンドに声をかけて起こそうとし、ネオンは彼の身体を揺すって起こそうとするが……

 彼は動く気配がなかった。


「なんで、動かないのよ……。ひょっとして……」

「どうした?」


 2人は懐中時計を覗き込んだ。


「時間が止まってる……」

「本当だ……」



 *



 ベルモンドの懐中時計を止めた張本人達は……。


「これでよし! ミサさん、生徒達と先生達を救いに行きましょう」

「そうね、フィオナ」

「じゃあ、ティアさんとミサさんと私は学校関係者を救って、カノンとエリアスはネオンとロレンスを……」

「了解!」


 彼女らはそれぞれの場所へ向かうなり探すなりをし始めた。



 *



 一方の彼らは、


「誰だよ!? 時間を止めたのは?」

「確か……フィオナが時間を操る能力を持っていたような気が……」

「フィオナか……。よくそんな情報を手に入れたな」

「んー……なんとなくかしら」


と話していた。



 *



 ミサとティア、フィオナは1年生の教室がある3階にいる。


「まずは1年生からね! 1組から順番に洗脳を解いていきましょう」

「ティアさんが2組で私が3組……、という風にそれを解いていけばいいんですか?」

「うん!」

「ところでミサ、どうやって洗脳を解いていけばいいの?」

「これを使ってこうやるのよ」


 ミサが謎の水溶液が入った水溶液を取り出した。


「水溶液?」

「水溶液ですか?」


 フィオナとティアがミサに問いかける。


「そう。この試験管に入っている水溶液を1人1滴ずつ頭でも肩でもどこでもいいから垂らしていって。そうすれば洗脳は解かれるから。ちなみに、カノンちゃん達には説明済みよ」

「なるほど!」

「分かったわ!」


 ミサは1年生の1組と4組、2年生の2組と5組、3年生の3組。

 ティアは1年生の2組と5組、2年生の3組、3年生の1組と4組。

 フィオナは1年生の3組、2年生の1組と4組、3年生の2組と5組に割りふられた。



 *



 ネオンは音楽室のピアノのイスに腰かけ『エリーゼのために』を弾いている中、カノンが姿を現した。


「カノン……」

「ネオン……」

「もうそろそろお別れの時間ね……」

「そうだね。私達とエリアス達もね……」

「バラバラになるのって寂しいよね……」


 曲が終わり、カノンとネオンがそっと話していた。

 その時、エリアスとロレンスの2人はカノン達と同じ音楽室におり、じゃれ合っていた。



 *



 約1時間後……。

 フィオナ達は教室を回り、彼女達は生徒達と先生達を救っている。


「はぁはぁ……あと1クラス分保つかな……?」

「足りなかったらどうしょう……」



 *



 一方、音楽室。


「これで本当にお別れね……」

「そうだね……」

「一緒に戦えて楽しかったわ、カノン」

「私もだよ、ネオン」

「ありがとう」


 彼女らはお互いに抱き合い、涙をこぼした。

 カノンはネオンに謎の水溶液を垂らした。


「さよなら、カノン……」

「またね……ネオン……」



 *



 一方のエリアスとロレンスは……。


「今日は楽しい時間をありがとう」

「いいえ、ボクも……」

「そろそろリミットだな……。じゃあ、またいつか……」


 エリアスがロレンスに水溶液を垂らした。

 彼はまだロレンスに言いたかったことがあったらしいが、心の中で感謝の言葉を告げたのであった。



 *



 あのあと、生徒達と先生達の洗脳が解け、一段落がついた。


「ミサ、カノン、フィオナ、エリアス、今日はお疲れ様」

「こちらこそ、お疲れ様」

「師匠、お疲れ様でした」

「ミサさん、ティアさん、カノン。今日は楽しい時間をありがとうございました。私達はもとの次元に戻らなければならないので……」

「みなさん、お疲れ様でした。こんなに楽しい時間を過ごすことができたのもみなさんのおかげです。ありがとうございました」

「エリアス、行くよ」

「ハイ! フィオナさん!」

「師匠、私達も行きますか?」

「そうね、カノン」


 そして、彼らはそれぞれの次元に戻って行った。

 それぞれが出会い、それぞれ別れる……。


 私は忘れないよ。

 みんなに出会えたこと。

 そして、楽しい時間を……。

2015/03/13 本投稿

2015/08/14 改稿

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