13話 球技バトルは体育館の中で #2
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ニャンニャン仮面VSベルモンド(第2体育館の2階にて)
第2体育館の2階には卓球の選手や卓球部の生徒達がいる。
1階にいた男子生徒とかも何人か野次馬としてそこに駆けつけている。
「さあ、始めましょう! どちらが先攻にしますか?」
「じゃあ、オレが先攻で」
「そうですか。では、10ポイント先制でやりましょう。」
「おう!」
「それでは開始です」
「さあ、行くぞぉ!」
ニャンニャン仮面のサーブで試合が始まった。
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数分後……。
ニャンニャン仮面のサーブを打ち返したベルモンドは凄い勢いでスマッシュを打ったが、ニャンニャン仮面はそれを打ち返す。
現在は4対3でニャンニャン仮面がリーチしている。
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さらに数分後……。
9対5でニャンニャン仮面がマッチポイントである。
「あと1点! あと1点!」
「いけーっ!」
「頑張れーっ!」
男子生徒達の野太い声が聞こえてくる。
そんな中、
「ふーっ、今回は余裕かな?」
ニャンニャン仮面がにこやかだが、何か恨みがあるような口調で言った。
「さあ、どうでしょうかね?」
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また数分が経過した。
2人の最初に比べかなり落ちてきているが、卓球バトルはまだまだ終わらない。
かなり壮絶なバトルになっている。
ちなみに、サーブを打ったのはベルモンドである。
「さあ、ベルモンド! これでもくらってろ!」
ニャンニャン仮面がスマッシュを打つと、ピンポン玉はベルモンドの左側を凄い勢いで通った。
「……」
ベルモンドは何も言わず、壁に当たって落ちるピンポン玉を見ていた。
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ニャンニャン刑事VSベルモンド(第1体育館の入口側にて)
ニャンニャン仮面を応援していた野次馬が今回のバトルに興味を示したらしく、2人の後をくっついて第1体育館に向かう。
そこにはたくさんの女子生徒達がいた。
「オイオイ……。女子ばっかりじゃんかよ……」
「まぁまぁ、いいんじゃねぇの? 今回は見てて面白いし」
「ニャンニャン刑事さん、頑張って!」
「ほら、女子がきゃあきゃあしてるしな。俺達も見て行こうぜ」
その噂を聞きつけ、たくさんの生徒達が応援に駆けつけている。
「先攻と後攻はどうしますか?」
「んー……。じゃあ、ボクが先攻で」
「分かりました」
ニャンニャン刑事は1人の女子生徒にバレーボールを持ってくるように言い、着ていた上着を彼女に渡した。
「どうもありがとう。さあ、行くぞ!」
「ハイ、どうぞ」
「そーれ!」
体育館にいる観客のかけ声で試合開始。
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ニャンニャン刑事がサーブを打った。
ベルモンドはアンダーパス。
ボールはニャンニャン刑事のところに戻ってきた。
彼(?)はアタックした。
あっという間にニャンニャン刑事に1点先制。
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数分後……。
彼らのバトルはまだ終わっていなかった。
現在、7対2でニャンニャン刑事が勝っている。
「ベルモンド……マッチポイントは……なんポイント……?」
「10点先制です……」
2人とも息があがってきている。
1対1で行っているバレーボールは凄くハードなのである。
ニャンニャン刑事がアタックをしかけ8点になった。
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更に数分後……。
「あと1点! あと1点!」
「きゃっ、ニャンニャン刑事さん、頑張って!」
「あと少しだ!」
「顔面狙っちまえ!」
などと体育館に響き渡る声援。
現在、9対4で、あと1点ニャンニャン刑事にポイントがつけば決着がつく。
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さらにさらに数分後……。
「ベルモンド、これでもくらってろ!」
ニャンニャン刑事は叫んだ。
次の瞬間、ボールはベルモンドの顔面を直撃し、気絶したのであった。
これにはたくさんの生徒達は驚きを隠さずにはいられなかった。
「よし、決着が着いたぞ。ミサさん、頑張ってくれ!」
「うん、分かった! 今のところは作戦通りね。この調子で私も頑張ってくるね!」
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さて、ミサが言った作戦とはなんだろうか?
最初に誰が相手をするかを決める時の数分間に遡る……。
「じゃあ、対戦する順番と作戦を練りましょう」
「あぁ」
「了解」
「私に考えがあるの」
「何々?」
「最初に対戦するのは変態仮面。で、最後のスマッシュは今までより凄い勢いのものを打って。2番目はニャンニャン刑事さん。最後にキザ怪盗の顔面に向かってアタックをするのよ!」
「ほう……」
「了解!」
ということだった。
今のところはすべて作戦通り。
ミサのことは何も言っていなかったが、彼女はどんな作戦でベルモンドにしかけていくのだろうか……。
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ミサVSベルモンド(第1体育館のステージ側にて)
「さあ、さっさと終わらすわよ! 10点先制で私が先攻ね!」
「ハイ……」
ミサがラケットとシャトルを準備し始めた。
一方のベルモンドはまだ麻痺しているようだ。
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2人はラケットを持ち、ミサがサーブを打とうとした。
「さあ、行くわよ!」
「(今日のミサさん、怖っ!)……ハイ……」
ベルモンドは珍しく怯えていた。
ミサは軽く脅し、白衣を脱ぎ捨てる。
それはあとから近くにいた女子生徒が拾ってくれたようだ。
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ミサがサーブを打った。
ベルモンドは打ち返し、2~3くらいラリーを続けた。
「うふふ……。黙れ! くたばれ! このミジンコが!!」
「(本当にミサさん、怖い……)……」
ミサはスマッシュを打ち、ベルモンドは打ち返そうとしたが、一瞬だったため、黙り込んでしまった。
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数分後……。
もうそろそろ決着がつきそうだ。
現在、9対1でミサがマッチポイントである。
「これで決着がつくわね……。キザな奴よ、これでもくらってなさい!」
「ひぃ……!」
そのシャトルはすべて彼に当たり、また倒れた。
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結果はミサ達の圧勝であった。
「ミサさん、やったね!」
「ニャンニャン仮面さんは見てなかったから分からないけど、ミサとニャンニャン刑事さん、とてもカッコよかったよね!」
「流石だよな……」
「最強だな……」
「なるほど……。前のテストの時の戦いはこうやって戦っていたんだ」
「そうじゃないの?」
「今回は凄いバトルでしたよね」
「こんな球技大会は初めてですね」
などと生徒達はもちろんのこと、先生達も歓声をあげている。
その時、ベルモンドは踏まれたり蹴られたりしていた。
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約30分後……。
ベルモンドは保険委員によって手当てされ、愛用の改造車である逃走車に乗って逃走した。
今回の滞在時間は約3時間。
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さて、ミサ達のバトルが終わったので、本命の球技大会に戻るとしよう。
彼女らの球技バトルのおかげであっという間に午前中は終わってしまった。
どうやら今年の球技大会はかなり押しているらしい。
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紫苑のクラスである3年5組のバレーボールチームとバドミントンチームは見事に決勝戦進出。
男子は残念ながらよい成績がおさめられなかった。
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まずはバドミントンチームから。
「これから、バドミントンの決勝戦を始めます。3年5組対1年1組です」
というアナウンスが流れた。
「さあ、行くよ! オーッ!」
彼女ら6人は輪になり、ラケットをカチンと鳴らした。
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続いてバレーボールチーム。
「これから、バレーボールの決勝戦を始めます。3年4組対3年5組です」
こちらもアナウンスが流れた。
「行くぞ! オーッ!」
彼女らは本日最後の円陣を組んだ。
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バドミントンもバレーボールも同学年から後輩達、教師達までもが応援に駆けつけていた。
人によってはバドミントンを見たりバレーボールを見たりと首を動かしている者もいる。
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バドミントンもバレーボール、どちらも壮絶な試合となっている。
彼女らはマッチポイントを迎える。
そして、すぐにマッチポイントになった。
「凄いですね」
「バレーボールとバドミントンは互角ですよね」
「先生、私達が3年生になったら、こんな互角の戦いになりますかね……?」
「うーん……。それは分からないね」
「凄いなぁ……。憧れちゃう……」
一部の教師と生徒が話しているうちにバドミントンとバレーボールの決勝が終わり、彼女らはどちらも種目別優勝を手に入れた。
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そして、閉会式が始まった。
最終結果は……。
「まずは種目別です。サッカー、第1位3年3組、第2位1年2組、第3位2年3組。
ソフトボール、第1位2年3組、第2位2年2組、第3位3年2組。
バスケットボール、第1位1年2組、第2位1年4組、第3位2年4組。
バレーボール、第1位3年5組、第2位3年4組、第3位3年1組。
バドミントン、第1位3年5組、第2位1年1組、第3位2年1組。
卓球…………。
続いて総合順位です。
第1位3年5組、第2位1年2組、第3位2年3組です。
代表の生徒は表彰台にきてください」
「夏川は総合で、バドミントンとバレーボールは誰か1人ずつ表彰台に行ってね!」
「ハイ!」
春原に促され、3人の生徒が表彰台に向かった。
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帰りのショートホームルーム……。
「みんな、種目別優勝2つと総合優勝おめでとう! じゃあ、みんなで写真を撮ろうか! 明日の連絡事項はないからね」
「うん!」
「ハーイ!」
そして、クラス全員で写真を撮った。
一生の思い出になりますように……。
2015/01/03 本投稿
2015/08/14 改稿




