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128組の勇者達  作者: AAA
17/52

~スプーン置~なぜなに128(いちにっぱ) ドゥー

オルネッタ「はーい、良い子の皆こんにちはー、なぜなに128 ドゥー はっじまるよー」


SE)パチパチパチパチ


オルネッタ「このコーナーでは、本編で多分説明しない設定を紹介します。進行役は私、値上がりの奴隷オルネッタと」


マッツェイ「公証人マッツェイです。このコーナーの趣旨が"絶対"説明しなから"多分"説明しないにランクダウンしているけど」


オルネッタ「ノンノン、マッツェイ様。このコーナーは、なぜなに128 "ドゥー" です。この前の、なぜなに128 とは別コーナーですから、そんな事実はありません」


マッツェイ「いやでも」


オルネッタ「ないったら、ないんです」


マッツェイ「…………あ、はい、分かりました」


フランチェスコ「そろそろ始めろ。無駄話に付き合う暇はない」


オルネッタ「畏まりました元旦那様。今回のテーマは『紋章持ち』についてです」


フランチェスコ「帰る」


オルネッタ「ええ! 元旦那様、何でいきなり帰ろうとしてるんですか? まだ、始まってもいませんよ」


フランチェスコ「うるせえ。あんな化け物どもの事を、ただの商人が知ってるわけないだろう。適任者を呼べ、適任者を」


マッツェイ「まぁ、落ち着いて、落ち着いて。話は最後まで聞こう。僕達が呼ばれた理由があるはずだよ。そうだよね、オルネッタ」


フランチェスコ「フン、理由があるなら聞いてやる。さっさと話せ」


オルネッタ「はい、ただいま(アセアセ)…………ええっと、カンペによりますと一般人から見た紋章持ちについて説明が欲しいみたいです」


マッツェイ「なるほどね。普通の人が彼らをどう思っているのか。確かに重要な事だね」


オルネッタ「ですよね、ですよね」


フランチェスコ「フン、兵士や信徒は首輪がついた化け物、傭兵は金で飼いならせる化け物、他は魔族や魔物と変わらねえ」


マッツェイ「フランチェスコ、貴方はどうしてそう」


オルネッタ「何か初っ端から危険球が来ましたけど、これどうなんですか? 審判のマッツェイ様?」


マッツェイ「一歩間違えばデットボールになりそうな危険球ですけど、ストライクです」


オルネッタ「つまり、一般人の考えとしては間違っていないんですか?」


マッツェイ「ああ、そうなんだよ。紋章持ちは、その職業から以下の四種に分けられるんだ」


1.兵士 所属:国 信用度:中

  ――国の防衛を担う常備軍。その新人過程を合格した兵士全員に、紋章の付与が義務付けられている。


2.信徒 所属:光神教 信用度:中

  ――光神教の信徒。一定以上の地位、もしくは戦闘を必要とする役割に着いた信徒に紋章の付与が義務付けられている。近衛兵もこの中に所属する。


3.傭兵 所属:なし 信用度:低

  ――武力を商品として、金銭で一時的に貸与する集団。基本的には紋章を持っている。


4.その他 所属:いろいろ 信用度:無~中

  ――何らかの理由で上記3項に属さない紋章持ち。大抵は上記3項から脱退したものだが、稀にそうでないものもいる。信用度は紋章持ち個人と周囲の人間関係による、


フランチェスコ「基本的には、兵士か信徒、傭兵だな」


マッツェイ「そうだね。それ以外で、紋章を手に入れる事はまずない。いるとしたら、よっぽどの理由があるか、よっぽど後ろ暗い人だろうね」


オルネッタ「へー、でも、どうしてです? 街の外は猛獣や魔物で危ないですし、今は魔族とも戦争中ですよ。紋章があった方が強くなれていいんじゃないですか? あ! もしかして、選ばれた人間しか紋章持ちになれない、とか。そう言う話なんですか?」


マッツェイ「それは違うよ。紋章を彫る彫士に依頼したら、誰でも紋章持ちになれるんだ」


オルネッタ「じゃあ、どうして皆、紋章を持たないんです? 街中で紋章持ちの人を殆ど見た事ないんですけど?」


マッツェイ「あー、それはね(チラリ)」


フランチェスコ「いい、言ってやれ」


マッツェイ「うん、今の法律では”紋章持ちは人間として扱わない”と明記されているんだ。ギルドに入る事も都市に住む事も基本的には出来なくなる。だから皆、紋章を持とうとしないんだよ」


オルネッタ「えぇぇぇぇ! なんでかそれ! 酷いじゃないですか! 私達奴隷でも”人間として扱う”事になってるのに!」


フランチェスコ「仕方ねえだろう。いつも抜き身の剣を持った奴らを心から信用できるかお前?」


オルネッタ「それは、まぁ、そんな危ない人がいたらお近づきになりたくないですけど……で、でも、そんな法律があったら、誰も紋章持ちになんてなりませんよ」


マッツェイ「うん、だから例外があるよ。紋章持ちが他の人に無闇に乱暴しません、と保証する人が居たら、ギルドに入ったり都市に住む事が出来るようになるんだ。その代わり保証人は、保証した紋章持ちが乱暴したら多額の保証金を払わされる事になる」


オルネッタ「ほー、と言う事は、兵士は国が、信徒は光神教がそれぞれ保証しているんですね」


フランチェスコ「そうだ。傭兵の場合、雇い主が保証人だ。ま、払わされた保証金は傭兵の給料から差っ引くがな」


オルネッタ「流石、元旦那様。がめついです」


マッツェイ「その他の人は本当に色々あるからなんとも言えないけど、一番多いのが配偶者、その人の夫や奥さんだね。彼らが保証人になっているよ。兵士や信徒、傭兵を辞めた人の殆どがこれにあたるね」


フランチェスコ「お陰で傭兵の寿退社が多いこと、多いこと。あいつら、猫より簡単につがいになりやがる」


オルネッタ「そう言えば、元旦那様のところで働いている時、先輩が何人か傭兵の方と結婚されましたね」


フランチェスコ「お陰で、後釜を探すのにどれぐらい金を使ったか。クソッ、今、思い出しても腹立たしい」


マッツェイ「まぁ、まぁ、押さえて、押さえて。一番の問題はさっきの法律だけど、他にも色々問題はあるんだ」


オルネッタ「どんなのです?」


マッツェイ「紋章を彫るのにかかる料金が高い。紹介料込みで大体、銀貨五枚(約500万円相当)だね。その上、紋章を彫る間、激痛に襲われる」


フランチェスコ「女の紋章持ちの話だと、出産の五、六倍位だそうだ」


オルネッタ「うへぇ、それは痛いなんてモンじゃないですよ」


マッツェイ「うん、そうだね。だから紋章持ちの数はそんなに多くないよ」


オルネッタ「当然ですねぇ。高くて痛くて、その上、人間扱いされないなんて……て、あれ? それですと小さな村はどうやって、身を守ってるんですか? 獣くらいならいいですけど、魔物相手に普通の人が抵抗なんて無理ですよね?」


フランチェスコ「村や街は、近くの都市の兵士や傭兵が定期的に巡回と魔物狩りをやってる。ま、伝承サーガみたいに、村のピンチを流浪の紋章持ちが助けるなんてのは、現代じゃありえねえな」


オルネッタ「何か夢がないですね、それ」


マッツェイ「そのお陰で、魔物に殺される人や紋章持ちの犯罪者が激減したんだ。神の恵みに感謝を」


オルネッタ「感謝おー」


フランチェスコ「俺達が知ってる事は大体これぐらいだ。じゃあな。次の取引まで時間がない」


オルネッタ「相変わらず、忙しないですね。それでは元旦那様もフェードアウトしたので、なぜなに128 ドゥー はここまでです」


マッツェイ「画面前の皆さん、最後までお付き合い頂き、ありがとうございます」


オルネッタ「それじゃ、まったねーー」


注)この世界に野球はありません。ストライクだのデットボールだの危険球だのは電波の仕業です。深く考えないで下さい。

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