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3.新しい家族

春也は登校時は登りで20分かかるが、


下校時は楽なもので、行きの半分もかからずに家につく。



「ここがおれの家だぞ、ナク」


自転車を車庫のわきにとめ、玄関に入る。


『ガラッ』


「ただいま―」



「あ、おかえり―はる兄」

「はるちゃんおかえり―」


妹の夏実と

母の秋子がエプロン姿で台所から顔を出す。


ちょうど夕飯を作っているところのようだ。



「ん、今日はカレーか」


「そうよ―」



秋子が鍋をかき混ぜながら答える。






ちなみに今日の春也の給食はカレーだった。


冷蔵庫にはってある献立にも書いてある。



でも春也は『給食のカレーとうちのカレーは違うから』と、全然気にしてないようだ。




「はる……その鳥…どうしたの……?」


ソファーで読書をしていた姉の冬美が、ナクに気づき、尋ねてきた。


「あ、姉さんただいま」


「おかえりなさい」



「あら、可愛い小鳥ね」


「どっかで拾ってきたの?」



秋子と夏実もカレーの盛り付けをしながら聞いてきた。


「その話なんだけど…」



「じゃあもうご飯食べれるから食べながら聞きましょ」




一家は準備ができたところでそれぞれの椅子に座った。



「「いただきまーす」」


「…いただきます」


「おかわりいっぱいあるからね―」




「もぐもぐ………で、こいつの話なんだけど…」



春也は肩にナクを乗せたまま話しはじめた。














――――――――――――


「――というわけなのです……もぐもぐ」



今日のことを3人に話し終えた春也



の口の周りにはカレーつきまくり。



「じゃあはるちゃん、そのこがちゃんと飛べるようになるまで家で面倒みてあげるわけね?」


「うん」


「あ、ところで今日のカレー、どう?」


「うん、最高」


「『さいこう』だなんて!お母さんうれしい!」


「…そのやりとり、毎日やってて飽きない?」



「ねぇねぇはるにぃ、私達が学校いってる間はどうするの?誰も見てられないのはまずいっしょ。」


「いや、学校連れてくけど?」


「ナニその『当たり前じゃん』みたいなの!?」


「……カゴはわたしが明日、帰りに買ってくる…」



「さすがふゆちゃん、お姉ちゃんね―」





(※誰がどのセリフを言っているか想像しよう!)














『ガチャガチャ…』



夕食を食べ終わり、

一家は片付け、洗い物をしている。



『ジャーーー』



秋「あ、はるちゃん洗い物拭いてってちょうだい」



春「はいよ」



夏「はる兄これも―」



春「はいよ」



冬「……なるほど、爪を押しながらの暗記は頭に残る……と…」


『ペラッ』



秋「あ、洗剤もうないわ。はるちゃん後で買ってきてちょうだい」



春「はいよ」



夏「はる兄ついでにジャソプも―」



春「はいよ」



冬「…ホログラフィックで自分の位置をしる…」

『ペラッ』



秋「あっ、お皿かけちゃった。はるちゃん袋もってきてちょうだい」



春「はいよ」



夏「はる兄ゴキブリ出た―」



春「はいよ」



冬「…目標、スピード、人脈が夢を叶えることにおける要素…」


『ペラッ』








(※誰がなにをしているかは想像しよう!)













――――――――――――


片付けも終わり、居間でくつろぐ一家(春也以外)。




『ガラッ』


「ただいま」



春也がおつかいを終えて帰ってきた。



相変わらずナクはその肩にちょこんと乗っている。



「おかえりーはるちゃん。洗剤ありがとね」



「台所おいとくから…………っと、夏実。はいジャソプ」



「わーいありがとう!」



「……」『ペラッ』





夏実は春也の買ってきたマンガを、


秋子は料理の本を、


冬美は小説をそれぞれ読みながらくつろいでいる。



「あ、はる兄さきにお風呂入ってきて!ナクのことわたしが見てるから」



「ん、わかった。」



春也はナクを手にのせ、夏実に渡した。



「ふふ、いいこね。」


夏実は春也と同じように肩にナクをのせると、


指2本でその小さい頭を撫でながらニコニコ見つめている。



「ホント、おとなしいんだね、ナクって」



「そうだな。………じゃ、たのんだぞ―」



「あ、今日新しい曲できたんだ!後で聞きにきてね!」



「りょうかい」


「あら、お母さんも聞きたいわ」


「……私もいく…」














北村家はみな性格は違えども、とても仲がいい。








……そんな家族に、今日新しい一員がふえた。


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