表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ 終焉の蒼炎


 ぼくたちの物語の始まりは――世界の終焉だった。


  ―――


 満点の星々を背景に、あまりにも巨大すぎる青龍が咆哮していた。

 ――世界を震撼させる、大咆哮。

 人々は絶望し、恐怖に駆られ――そして、ぼくたちと同じようにその光景に目を奪われていた。


「綺麗ね――」

「……うん」


 君の言ったある意味ではまったく意味の分からない言葉に、ぼくは喉を詰まらせそうになりながら、ただ一言そう答えた。ただ、純粋にその通りだ、と納得していた。


 星が――降っていた。

 宇宙から、青龍の大咆哮に呼応するかのように、星々が流星となって降り注いでいたのだ。

 

 大気圏を突破し、降り注ぐ巨大な岩の塊は真っ青に燃え盛る。

 千を超える青き烈火が夜空を切り裂き、それはまるで――世界規模で繰り広げられるスペクタルショーのように世界を彩っていた。


 こんなに鮮やかな夜空を僕は知らない。こんなに目を奪われる光景を目にしたことがない。

 こんなに――絶望に埋め尽くされた瞬間に、でくわしたことがない。


 ただひたすらに綺麗で、ただひたすらに輝いていて――ただひたすらの終焉を告げていた。


 止められるわけがない。留める事のできない、星々の破壊がもうすぐこの地上を埋め尽くす。


 ぼくら人々が絶滅するとか、全ての生物がほぼ生き残らないだろう、とか、そんな規模じゃない。

 

 ぼくらが住むこの青い星ごと、青き焔は粉砕し焼き尽くす。跡形もなく。宇宙の塵と化すまで。


「――」

「っ!!?」


 ぼくらは唇を重ねた。きっと君の方からだっただろう。甘くて柔らかい君の感触。

 数秒そうして抱き合ったあと、口づけをやめて、抱きしめあったまま空を眺めた。

 

 君を見つめるでも、君に触れるでもなく、ただただその光景に目を奪われた。

 空を埋め尽くす青き焔は、絶望であり、破壊であり、終焉であるが――どうしようもなく輝いている。美しかった。



 ――あるいは、この光景を見るためなのであれば、世界が終焉しても仕方がないだろう、と納得してしまうだろうほどに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ