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第0話 転生の産声
──ぁ!
「(……?)」
──ぁあ!
「(なんだ……?)」
──ゃぁあ!
「(意識が遠い、感覚が鈍い、身体が重い)」
──おぎゃぁあ!
「(これは、赤ん坊の鳴き声……?)」
──おぎゃあああ!
「(なんだ? なにがどうなっている? 思考が溢れて纏まらない……目も見えない──と言うか開かない。耳は辛うじて聞こえるが水の中にいるかのようで、鼻には何かが詰まっていて窒息してしまいそう。だから溺れてしまわないように手足を使って踠いて、泣き喚きながら必死に口呼吸をしていて……それで、なんだか口の中が血生臭い)」
──おぎゃあああ! おぎゃあああ!
「(……ああ、そうか、なるほど。漸く理解した)」
──おぎゃあああ! おぎゃあああ! おぎゃあああ!
「(僕は産まれたのか)」
「おぎゃあああ! おぎゃあああ! おぎゃあああ──!」