181日目~225日目。
181日目。
どうも、嫌な予感が的中した。コーネはお姫様だったらしい。
王国国王の第三子、第一王女コーネリア姫。なんという事か。洒落になってないぞおい。
いきなり王城に召喚(別に魔法的な意味ではなく、普通の意味で呼び出された)されたのには驚いたが、国王もなんだか気さくな人でちょっと安心した。
あと、件の通信手段のアイディアが纏まってきた。
182日目。
銃の訓練場所を王城内の訓練場に変えて、何時も通りコーネと魔銃の訓練。兵士達は此方を見てニヤニヤと。
所詮玩具と嘲っているみたいだ。
ムカついたのでちょっと訓練の仕方を変えることにする。
兵士が槍の標的にしている案山子を的に、効果的な人間のヤり方を講義した。
怖い内容ではあるものの、身を守るべき高貴な存在なら知っていて損は無い。
人体の弱点は中心線。とりあえず真ん中を狙えと教え込んだ。
最後に実演してやったのだが、銃弾一発で案山子を粉砕できる魔銃ははじめて見たらしい。兵士達がたまげていた。まぁ、魔力の充填も威力に関係するからな。
183日目。
大分コーネの型が安定してきた。もう百発八十中ぐらいはいってる。そろそろ教える事は無いだろう。
旅のほうも、どうも精霊神殿が魔物に占拠されているとか言う噂を聞いた。先ずはその開放に向かおうかと思っているのだ。
そろそろ旅立つ旨を告げると、コーネは少し寂しそうだった。まぁ、転移が使えるから何時でも会いにこれるんだが。そういったら「そうじゃったの」って笑ってた。うん。美少女には笑顔。これ紳士同盟の盟約。
184日目。
とりあえず俺に出来るのは、俺は麗火がスムーズに精霊と契約できるよう、その道を予め掃除しておく事ぐらいだ。
決めて、最初に向かうのは水の神殿。ここから西南西へ下ったところにあるミズラ湖の傍にあるそうだ。
コーネに見送られ、王都を出発。
さらば王都よ!!
185日目。
夜中前、木の上で息を潜めて寝ていたら、遠目に魔物の大群が見えた。
様子を探ってみたところ、どうやらハイオークやら動く鎧やらの小規模精鋭部隊のようだ。小規模といっても、総数は何時ぞやの街を襲ったときと数は同じ。質はソレを圧倒しているが。
これ、王都に向けて進軍しているのかと、ふと王都の方向を見たら、空が赤く燃えていた。
どうも挟撃されそうになっているようだ。今の内に叩く。
186日目。
転移で王都に戻ってきた。まだ戦闘は継続中らしい。
街の中を二丁拳銃乱射で、魔物を討伐しながら王城へ進む。王城へ直接転移も出来るのだが、街を見捨てる事も出来ない。
大急ぎで、けれどもなるべく撃ち漏らしの無いように。急いだ甲斐あって、どうやら間に合った様子だ。
人型の魔物に誘拐されそうになっていたコーネ。その魔物の両の腕を吹き飛ばしてやった。ついでに羽とか生えてたのでソレも潰しておいた。
後はコイツを尋問して、魔王軍の計画を一端でも吐かせられれば十全だ。
何か喚いていたから、力を封じる呪いを掛けておいた。
王に感謝されてコーネリアに抱きつかれた。頭を撫でておいた。
187日目。
転移で再び冒険の途中へ。
食事時だけでも王都へもどろうかしら。
189日目。
水の神殿へ到着。どうも様子が変だ。日を改めてお邪魔するとする。
190日目。
結果から言うと、水の神殿は魔物に占拠されていた。噂じゃ無かったらしい。
どうも、人里離れている所為で、事実が事実として伝達されなかった様子だ。
とりあえず丸一日かけて神殿の周りに封印結界を敷いた。これで、今後この中に出入りし、尚且つこの結界を解除できるのは俺だけと成った。
早速、水の神殿の魔物駆除に入ろうと思う。
191日目。
狭いところでのハンドガンは無敵だとおもう。
立て篭もっていた水の神官たちを解放し、魔物たちを殲滅。転移で逃げようとした人型の魔物もいたが、残念ながらそうは問屋がおろさない。封印結界に阻まれ、墜落死してた。
後は封印を解除するだけなのだが、少し時間が掛かりそうだ。
麗火なら、勇者オーラ一発で封印解除できるらしいんだけどね。
192日目。
水の精霊を開放して、再び旅立った。水の精霊は物凄い美女に化けていて、ほっぺにチューされた。
今度はここから東に行った所にある、金の神殿へ行こうと思う。
まぁ、金って響きが悪いから、鋼の精霊、鋼の神殿って呼ばれているらしい。
別に錬金術師ではない。
195日目。
小さな村に立ち寄った。病気のお母さんに薬を買ってきて、なんていうテンプレな依頼を受けてみた。
といっても王都の城下の薬屋で普通に売っているらしい。
普通に移動すれば、往復で半月掛かるが俺なら転移で一瞬さ!!
というわけで往復。物凄く感謝された。
198日目。
漸く鋼の神殿に到着した。これでもバイクで走ってるから早いほうなのだが、それでも疲れたよ。うん。
やっぱりここも占拠されてる。なんて情けの無い。
封印結界で密封する準備をして、今日は就寝。仮眠してから、暗いうちに奇襲を仕掛ける心算。
199日目。
うえっぷ。なんてこった。此処の神殿を制圧してたのは、ゾンビ部隊。最悪の相手だ。
鋼は浄化系の術が存在していないらしく、立て篭もってる連中も抵抗する術が無かったのだとか。
まぁ、魔力攻撃は普通に効果あるし、撃って撃って撃ちまくった。
幸い金の精霊は封印されていなかったらしく、美人精霊に感謝の言葉を貰った。
勇者を宜しくしてやってくれと頼んだら、何故か笑って頷かれた。
またほっぺにチューされた。精霊の感謝の仕方っていうのは、割とグッドな感じ。
200日目。
凄いな、もう200日か。半年以上この世界で生活したのな。
次は木の神殿に行こうと思う。ここから行くよりは王都から西へ進んだほうが近い。ので、転移。
城下で休憩してたらコーネに見つかって、久々に一緒に遊んだ。
すぐ旅立つ心算が、三日間の滞在を義務付けられた。ははは。
201日目。
なんでも王城でパーティーがあるとかで、無理矢理参列させられてしまった。
衣服は何時の間に仕立てたのか、ぴったりの物が用意されていた。
そして、何故かその場に居たのはエレインと麗火の二人。新しくパーティーメンバーを2人付け加えて、見事に勇者勇者していた。因みに残りの二人は、魔術師の少年と、元暗殺者の少年とか。恐っ。
久々に出会った二人のダンスの相手をして妙に疲れた。コーネは何故かソレを楽しそうに見て、合間合間にちょっかいをかけて来た。
何気にコーネの相手が一番楽だった。
モブの貴族の視線は無視した。
202日目。
麗火たちに地図を渡すの忘れてた。件の元暗殺者の少年と城の中で出会ったので、地図を麗火に渡すように頼んでおいた。
ら、「アンタはレイカのなんなんだ」って。プクク、麗火大人気。
ニヤッっと笑って転移で逃げてやった。数メートル先の曲がり角に。顔を真っ赤にする少年は見ててニヤニヤ物だ。
203日目。
明日の朝には出発だが、その前にコーネの上がった技量を見ることに。
銃捌きが大分上達していた。これなら、騎士相手にしても、距離をとれば勝てるんじゃないか?
ご褒美をあげたいものの、何せ流浪の身だ。プレゼントなんて持ってないしなぁ。
その内何かやるって約束しておいた。
204日目。
本日は西へ向かって真直ぐ直進。
昼過ぎぐらいに、馴染みの工房でライフルの製作を依頼しておいた。素材の竜骨とか、ストックはまだ有るそうなので、十分出来るとのこと。
因みにライフルの効果は、拳銃型より射程と威力が向上するという物。銃身が伸びた分、其処に威力増幅の術式を刻めるのだ。式はちょっと俺がアレンジした物を刻んでもらう事に。
製造には時間が掛かるらしい。今の内に木の神殿へ。
206日目。
空から奇襲をかけられた。
鳥型の魔物が、爆発物を投下してきたのだ。
とりあえず弾幕をはって迎撃したものの、なんという鬱陶しい連中か。対空系の魔術ももうちょっと考えねば。
208日目。
割と大きな町に出くわした。
流石木の神殿の近く。木々がでかく、木製の家が沢山あった。
なんでもギガンテスなる単眼の魔物が出現するらしく、ソレの討伐が良い具合の金額で急募されていた。
受託して、討伐した。
また魔力攻撃の効果薄い相手だった。面倒なので肉体強化して竜骨の剣で叩き斬った。
212日目。
漸く、木の神殿へたどり着いた。何時も通り封印結界を敷いて、深夜の奇襲。
取り敢えずは寝る。おやすみ。
213日目。
木気が象徴するのは、なにも森だけではない。
雷というのも、木気に属するのだ。何が言いたいかと言うと、この神殿照明が全部電流じゃねーかと。
電流をそのまま垂れ流して、それを照明にしてるのだ。どれだけ無駄遣いしてるのか。
仕方ないので、簡単な竹墨の電球を教えておいた。銅線の送電線も教えておいたし、大分マシになるんじゃないだろうか。細かいところは知らん。
あ、此処を占拠してた魔物は物凄い熱気を纏った火の玉とかだった。可愛そうに神殿が焦げてた。
木の精霊もちょっと悲しそうにしてたので、折角なので掃除していく事にする。
紳士は美女の憂いに弱いのだ。
214日目。
旅立つに当たって、木の精霊からちょっと情報を貰った。
残された神殿は、火と土と光の神殿だ。
勇者は現在、王都の地下にある光の神殿で精霊と契約し、次に火の神殿に向かっているのだそうだ。
ならば向かうのは土の神殿。有難うと礼を言ったら、また頬にチューされた。恥ずかしいね。
なんだか精霊神官のおっちゃんらが騒いでいたが、なんなんだろうか。
一回王都へ転移で帰還。
215日目。
ライフルが完成したとのこと。早速取りに行った。
完成品は二丁。一丁金貨20枚くらいだ。二丁とも買い取った。
前にコーネの部屋に通されているので、転移でいけたりする。その所為で、なんともお約束なハプニングに。
相手は幼女だから、別に変な気とかは起きないが。
少し拗ねられたが、ライフルをプレゼントしたら少しだけ機嫌を直してくれた。
216日目。
王都から東北東へ。この先は山脈地帯。バイクでは少しきついかもしれないなぁ。
220日目。
山脈入り口の小さな村でバイクを預かってもらい、徒歩で神殿を目指す。神殿は山の天辺に存在するのだそう
だ。
魔物が空を飛んでたりするが、此方には新装備のライフルがある。
遠距離狙撃で一方的に駆逐していった。楽勝。
222日目。
長い。物凄く長い道のり。斜面が長いのだ。歩きにくい。
空を飛んでいくというのも考えたが、魔力切れを狙われるのは恐いし。なにより鳥型の魔物が多いのだ。空中戦は控えたい。
今日も地道に登山します。
224日目。
漸く神殿に到着。
といっても、四方八方を大量の鳥に囲まれているだけでしたが。
神殿に近付いたらいっせいに魔術を飛ばしてきやがった。鳥類の癖に小賢しい。
反撃して半数を潰すも、残りには逃げられてしまった。
殲滅する為にも、神殿の周囲に魔方陣を敷いておく。
神殿の中に入ったら、土の精霊に感謝の言葉と頬チューされた。
225日目。
圧殺結界発動。空を飛ぶ鳥たちは、一気に増えた重力に、空力だけでは身体を支えきれずに次々墜落。そこを神殿の精霊神官たちの精霊魔術で殲滅、と。
一つ頷いて、神殿を後にした。
村でバイクを受け取って、今度はそのまま北西に進む。
土の精霊にアドバイスされたのだ。火の精霊にも会ってあげて、と。
なんだか良くわからんが、とりあえず行くだけは行ってみようと思う。