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150日目~180日目


150日目。

久しぶりにパーティーで冒険に出かけた。といっても、割と近くの丘での薬草採取とかだが。

見晴らしが良すぎて、モンスターにも此方を発見されやすい地域で、程々に危険地帯なのだそうだ。

四人揃って自転車で移動。楽に目的地に付いた後は、シーファとサムがくっついて薬草採取。俺とエレインでその警護をやっていた。

なんだろうか。エレインも何処か元気が無い様子だったし。疲れてるんだろうか?

帰りは転移で送ろうかと誘ったのだが、別にいいと拒否されてしまった。転移嫌いなんだろうか。


151日目。

学園で魔導書を読みふけり、市場で雑務をこなし、魔導式原動機改め魔導式モーターの改良に励む。


152日目。

街に出ると、なんだか兵士っぽい雰囲気の人間が多いのに気付いた。どうやらそろそろ休暇という事で、勇者のお迎えに来ているんだろう。

うん、俺の出発も近い。

魔導モーターの小型化に成功。魔導モーターの試作品で作った作業機械を使ってパーツを製造したのだ。精度と言う点で少し今一つだったものの、魔導式モーター採用作業機械の導入で、それも大分補えてきた。

原付を改良して、数台を王国に献上しておく。


153日目。

手持ちサイズのドリルを作っておいた。コッチは青水晶無し。

んで、なんか工房の若いアンちゃんが作ってるなと思ってたら、小型化したモーターでピンク製品を作ってやがった。阿呆かとも思ったのだが、どちらかと言うと感心した。

小型化したばっかりのモーターで、早速バイブレーションの製造に成功してやがるんだぜ!?

あんちゃん、これも王宮に献上するって鼻息荒かったけど。……良いんだろうか。



154日目。

街に出ていたら、占い師の姉ちゃんに声を掛けられた。

俺の運勢は割と良いとのこと。でも本題は其方ではなくて、とても近いうちに結構な災いが降り注ぐのだという。具体的には判らないものの、備えておいた方が良い、とか。

地域限定の災いらしく、占い師は巻き込まれるのはご免被ると荷物を纏めて旅立ってしまった。

なんだろうか。魔物の襲撃でもあるんだろうかね。


155日目。

本当に魔物の襲撃があった。何時ぞや村にかけられた襲撃。あれの大規模版。

今回は学園もあるし、街も大きいからギルドも大きい。大丈夫だろうと思ってたら大パニックになった。

傭兵はいても住民が大混乱を起して、生徒達も戦えるだろうにパニックを起して一般市民と殆ど代わらない。

これならまだあの街のほうが冷静に対応できていたんじゃないだろうか。いや、あっちは田舎故に慣れていた、って言うのもあるんだろう。

幸い、国防軍が出張って前線を支える事は出来た。が、戦力は拮抗していて、追い返すことも出来ないでいる。現在魔物の軍勢は、街の正面に陣取っている。因みに背後は深い川になっており、一度に多くの人間を逃がすというのは出来そうに無い。

うーん、夜襲でも仕掛けるか? 下手に挑発するのも怖いしなぁ。


156日目。

勇者が決起した。麗火め。もう少し考えて行動しろと言うのに。正義の味方も良いが、あれは無責任に責任を集積させられてしまうシステムだ。俺は嫌いだね、勇者ってシステム。

とりあえず麗火が前線に突っ込んでいる間に、俺は背後に廻って指揮官ユニットを撃破した。

所詮は魔物。統括する存在なくして集団行動なぞする筈が無いと踏んでの行動だったのだが、これがどうやら正解だったらしい。悪魔型の魔物っぽかったが、最近覚えたブラスターの魔術を乱射していたら殲滅できた。

ついでに巨大な植物怪獣も始末しておいた。何せ植物だ。熱に弱い。ファイヤーボールの乱射で始末できた。


157日目。

麗火がキングゴブリンを始末したとかで表彰されていた。その際、なんでもエレインとタッグを組んで行動していたのだとか。なるほど、確かにあの金髪ならパニックの最中でも冷静に――もとい、何時も通りの振る舞いで事と向き合えたのだろう。

エレインも貴族。身分的には丁度良いとのことで、この功績を認めて勇者のパーティーに召喚されるのだそうだ。面倒な事に巻き込まれてるなぁ。南無。


158日目。

旅の準備を進める。原付……もう面倒なのでバイクと言う。バイクは整備用工具を装備させて準備万全。鎧も磨いたし、コートも洗濯した。

金はギルドの銀行に預けてあるし、現地で引き下ろせば良い。

冒険者セットもインナーベルトやらベルトポーチに分けて仕込んである。

まさに完璧。

資金も貯まりすぎてるしなぁ。何せ、食事と宿は金払ってないし。

まぁ、此処を出る前に学費払ってけばいいか。


159日目。

明日は終業式とパーティーがあるらしい。

あんまり興味は無いが、カップルが騒いでる。なんなんだろうかねぇ。

本日のギルドの依頼も、なんだかパーティーの素材集めっぽかったし。

あ、ギルドと学校にもお世話になりましたって話を通しておいた。工房にも挨拶回りしたし、予定通り明日には出発だ。


160日目。

清々しいまでの晴天だった。月と星が綺麗だ。

なんだか今日は色々あった。

パーティーって、ダンスパーティーで、何故か俺も踊る事に。相手は知り合いの女子が4人ほど。

順番に、エレイン、シーファ、セシリア先生、麗火の順。因みに麗火と踊ったときに物凄く周囲の視線が突き刺さったのを感じた。まぁ、麗火は俺と違って美人だし、兄妹だってのも明かしてないしなぁ。

みんな楽しそうにしている中、こっそりと列を離れるのは後ろ髪が引かれる思いではあったものの、なんとか旅立って現在西へ向かって驀進中。

取り敢えずは王都へ。現場を調べるっきゃないのだ。



165日目。

書く事が無い。


169日目。

最近独り言が増えた気がする。


172日目。

漸く王都に到着した。勇者に関する云々を調べる為に王立図書館へ。

行ったんだが、残念ながら入館資格が必要とか言われて追い返された。

うーん、忍び込むか? でも、俺基本的に一般人だし、隠密とか出来ないしなぁ。


173日目。

城下町をぶらついてたら派手な金髪を見た。なんだかエレインを思い出す金髪だった。エレインに比べて大分ロリだったが。大体13歳くらい。

遠目に見てたら、あからさまに怪しい連中に路地裏に連れ込まれた。

おいおいと思いながら救出。矢鱈尊大な喋り方をする嬢ちゃんだった。ええと、ライトノベルで幼女なお姫様が喋るような感じの。わらわとか。……まさかぁ。

幾つかお土産を持たせて機嫌をとって、そのまま憲兵に引き渡した。交番みたいなもんだし、親元に戻れるだろう。

酒場で魔王の話を収集するも成果無し。ぬぅ。


174日目。

よくよく考えれば、多分もとの世界では年とか既に明けてるんだろうなぁ。

正確な記録が無いからわからんが、この世界に来たのって大体7月末だった筈だし。

街でまたあの金髪ロリに出会った。恩返しがしたいとか言って来たので、魔王に関する情報を求めてみた。当然駄目元だ。

が、金髪ロリも「わらわもしらべておるさいちゅうじゃ」とか。

……なんだろう。猛烈に嫌な予感がする。小市民な俺だが、小市民ゆえに厄介事に対する直感と言うのは鋭いのだ。

別れ際、銀で出来たトランプサイズのプレートを渡された。真ん中には大きく黒い竜? みたいなのが彫り込まれていて、目の部分には金色の金属が填め込まれていた。触った瞬間バチッってなったけど、これって契約のやつですか?

何コレって聞いたら、金髪ロリの紋章で、国内ならある程度身元保証賞になるとか。第三者が勝手に持つと、プレートが黒化してしまうのだそうだ。

嬢ちゃん貴族? って聞いたら、そんな感じじゃって応えられた。まぁ、教えてくれる気がないなら放置で。

これを使えば図書館には入れるらしいので、早速明日にでも向かう心算だ。


175日目。

金髪ロリの嬢ちゃんに貰ったカードで図書館へ。なんだか物凄く緊張された。

中に入ったらまた嬢ちゃんに出会った。どうも待ち伏せてたらしい。

仕方ないので、ある程度調べ物を終えたら、そのまま嬢ちゃんと城下町に遊びに出た。何せ俺は紳士を気取っている。変な意味ではなく。

因みに嬢ちゃんの名前はコーネリア。コーネって呼ぶ事に。


176日目。

今日こそ魔王について調べようと思ってたら、また図書館で待ち伏せされた。

何故此処にって聞いたら、此処で待たねば連絡が取れぬじゃろう、って。

よし、思いついた。次は連絡手段の魔導器でも作るかね。

あと、コーネは魔術師らしい。杖か魔導書か魔銃がほしいのだとか。資金は? って聞いたら、潤沢にあるとか言って赤い金貨を見せられた。あれって確か、一般人がお目にかかる機会が滅多に無いって言う、貴族ご用達の上位貨幣?

魔銃ってどんな感じかって問われた。なんでも、知り合いに魔術師はいるものの、魔銃使いは珍しいのだとか。

折角なので実際に魔銃を使って、試し撃ちをやらせた。

欲しいってねだられたが、やらん。自分で買え。


177日目。

買い物に付き合って知ったのだが、どうも魔銃ってのは護身用の短剣とかと同じ扱いらしい。

素人でもある程度威力のある遠距離攻撃が使えるかららしいが、魔術師が使えば他なんか軽く圧倒できるだろうに。

と思ったのだが、どうも魔術師は体力の無い人間が多く、後衛専門ばっかりで中衛前衛は殆どいないらしい。

とりあえず売ってあった中で、銀狼の魔銃為るものを進めておいた。

魔銃は、魔力伝導率の高い魔物の素材を使った物のほうが扱いやすいのだ。ばあちゃんに貰った魔銃だって、なんかの魔物の骨が使われてたし。

今日から暫くコーネの魔銃訓練に入ります。


178日目。

コーネは転移で移動しているらしい。少し早めに図書館を訪れていたら、いきなり転移で現れやがった。

ちょっとびっくりした物の、俺も転移扱えるしなぁ。引かれるかも知れないから黙っていた、だって。

え、ナニソレ。俺もしかしたら引かれてたかも知れないわけっすか。うぇ。

とりあえず修練。コーネは筋が良い。ガンシューさせたら俺の記録に並ぶかもしれない才能を持っている。

ついでに俺も二丁拳銃の訓練を開始した。


179日目。

二丁拳銃は、1P2Pのガンコンを一人で撃つっていう無茶振りから始まった一発芸だ。が、この世界でもどうやら二丁拳銃は通用するらしい。

いや、普通は幾ら充填したものがあるとはいえ、資金力とか魔力総量とかの問題が引っかかる筈だったのだが、幸い俺は馬鹿みたいな魔力が有る。これがデメリットの大半を補ってくれているのだ。女神様様か。ツァリに感謝。

コーネは自分も二丁拳銃をやりたいとかごねていたが、何よりも基本が大切なのだと諭しておいた。

二丁拳銃って、片腕で銃を撃つ所為で狙いがぶれるんだよねぇ。

ある程度銃の特性を理解してからでないと、狙っては絶対に当たらない。

くたくたになったコーネを憲兵に送り届けた後、再び図書館で調べ物に耽った。

ちょっと収穫あり。


180日目。

コーネと訓練してたら、いきなり斬りかかられた。

見た目は騎士様っぽかった。どうも俺がコーネに襲い掛かっているように見えたらしい。なんと失礼な。

どうした物か悩んだ物の、面倒だったのでサンダーボールの魔術を添付した魔銃で撃っておいた。威力を調節したら麻痺だけになるんだよね、これ。事後処理は自分がしておくからってコーネに言われて、その日はお開き。

残った時間は調べ物に集中しておいた。

どうやら魔王の分布は、この大陸を大分南に行った深い森の中にあるらしい。

御伽噺曰く、三柱の神に祝福されし勇者、六柱の精霊の力を借り、魔の王へと挑む、とある。

この精霊っていうのは、要するに五行……木火土金水と光の六種類らしい。其々大陸のそこ等彼処に神殿が設けられており、そこで精霊が奉られているのだとか。

麗火はこの神殿を巡る旅に出る事になるのだろう。なんと面倒な。

詳細な地図は図書館の奥に秘蔵されていた。持ち出し禁止となっていたが、知った事か。周囲の防犯魔術を、転移魔術の応用空間断層で歪曲させ、形成させた無効化空間の中でコピーをとっておいた。

これを更にコピーして麗火たちに横流ししよう。うん。

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