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~こんなに苦しいって思わなかった~
デュエル・スタンバイ!
それは、ほとんど一瞬のように感じられた。
足を滑らせ海に落ちかけた少女を間一髪で船上に投げ飛ばし、代わりに自分が転落。
まるでドラマの一幕のような出来事だ。そのうち月曜日の午後9時台とかに放送されたりするのだろうか。
最後に見た母娘の…特に母親の方の、困惑か安堵か驚愕か、あるいはその全てか。何とも名状しがたい表情を背景にそんなことを考えながら、気付くと全身が冷たく、重かった。
冷たいのは、ここが2月の海だからだろう。重いのは、着ている生地の厚いコートやセーターが海水を吸っているからだろう。
海の冷たさに固まる身体を、服の重さが押さえ付ける。見事な相乗効果だ、なんて思ってしまうのはゲーマーの性というものか。はたまた、直面した〝死〟への本能的恐怖に対して無意識で逃避しているからか。…どちらにせよ。
それは、ほとんど一瞬のように感じられた。
走馬灯を堪能するなど、そんな悠長な我侭が許されることも無く。
進み行くフェリーが残す白波の轍は―――
ゆっくりと、赤く濁っていった。
前書きとか後書きとかっていつも何書けばいいか悩むよね(隙自語)




