4話
神?による質問&アドバイス①
神?は質問とアドバイスをすると言い、次の瞬間にはアンケート等で目にするクリップボードのようなものとペンが手にあった。
「まず戦闘をした経験はあるか?もしくは戦うための準備はあるか?」
「えーと、ないですね。小さい頃兄貴や姉ちゃんと喧嘩くらいはした事あるけど、確実に勝てないことを悟ってからは無駄な争いは避けてきたから。」
答えながら、少し昔のことを思い出した。
なにかと突っかかって、喧嘩して、泣かされ、親からの両成敗というコースだった。
結局泣かされたうえに、また怒られるという泣きっ面に蜂状態だった。
それを理解してからは、兄弟の仲はほどほどに良くなった。
特に兄貴が大学に行って、家を出てからは、特に姉ちゃんに従順になっていった。家族内カーストで父さんを抜いて、ほぼ母さんと同率首位に踊り出たからだ。
そんなことを思い出していると次の質問が来た。
「次は格闘技なんかの知識は持っておるか?」
「ボクシングの試合やK-1なんかの試合はちょろっと見たことはあるけど、全部見た事は無いし、知識なんかもほとんどないな。
あっ、そういえばプロレスなら一時期好きで見てたけど、実際には使えそうにないからなぁ。そういう点ではないですね。」
「プロレスのにわかファンと。」
何かメモするような動作をしながら言ってきた。
「それ必要な情報なんですか?」
「いいや、特には必要ないな。」
「じゃあなんで聞いたんだよ。」
会話していくうちにだんだんとこの人に丁寧な言葉使いをしなくてもいいかと感じるようになった。
「まぁまぁ良いではないか。
次だがリズム感や音感はあるか?」
「リズム感に関してはそこそこだけど、音感に関しては自信がないな。」
「うむ、ライブでは乗れるけど、音痴と。」
「そりゃそうだけど…
これも必要な情報なのか?」
実際面と向かって言われ、ガラスのハートに傷をつけられながら聞くと。
「これに関しては必要じゃ。
これは魔法を行使するのに必要になってくる技能だからの。」
「うーん、わかったよ。」
確認のしようがないので、渋々了解した。
「次は目立つのが好きなタイプか?」
「目立つのは得意でもないし、好きでもないかな、どちらかというと、裏方とか縁の下の力持ちほどでもないけどそっちの方が性に合っていると思う。」
「ふむ、裏で暗躍するものに憧れると。」
「憧れってほどてもないけど表舞台で派手にどんぱちやるより、裏で糸を操る方が好きかもな。」
半ば誘導されるように答えてしまった。