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2話

光の存在とご対面。



光が収まると、そこには人間のおじいさんが居た。


「改めまして、質問してもよろしいですか。」


「うむ、構わんぞ。」


「では、まず、あなたはどなたでしょうか?」


「おおそうじゃった、挨拶がまだじゃったな、

わしは世界を管理している者の1人じゃ。

名前は特にはない。まぁ呼びたければなんとでも呼ぶが良い、それとそこまで畏まらなくてもよいぞ」


「ありがとうございます。わかりました。

つぎに今一度生をって言ってましたが、もしかして僕は死んだのでしょうか?」


「うむ、確かにお主は死んだ。」


その一言を言われた瞬間に心に響き、数秒黙っていると、おじいさんから声をかけてきた。


「お主には今肉体と呼ばれるものはない。その証拠に自分の体を見てみるがいい。」


明かりがついてから、目を背けていたことを言われ、確認すると、下半身の息子どころか、上半身や毛の一本さえ見つけることが出来なかった。


「だから光がつよくても、身体も動かせないし、まぶたも閉じることが出来なかったのか。

ん、まてよじゃあなんで会話が出来るんだ?」


「それは声ではなく、意思を送っての会話、つまり念話のようなものだからじゃ。あと予め伝えとくが、元の身体に戻ることはできないからな。それで次の質問はなんじゃ?」


「まぁ死んだのはどうしようもないだろうからな。

そういえば入社した会社の歓迎会までは覚えているけど、死んだ時の記憶がないんですが死因はなんでしょうか?」


「トラックによる事故らしい。」


その言葉で学生のころに読んでいた、ウェブ小説を思い出してしまった。


「テンプレだな〜。トラックに轢かれて異世界へか。てことは何か特殊な能力でももらえるんですか?」


「まぁそれは追々話すが、一つ訂正があるんじゃが、先程お主はトラックに轢かれたと言っていたが、正しくはコンビニで用を足してたお主のところにトラックが突っ込んだということじゃ。」


それを聞いてさっきまでテンプレだと思っていた自分が恥ずかしくなった。

たぶん顔があったら真っ赤になっていただろう。

そして今すぐここから走り出したかった。

それを抑えて話を続ける。


「って、事はチャック開けながら、死んじゃったんですかね僕。あはは。」

苦笑いしながら答えると。


「あぁ、発見されたときには下半身は無防備な状態じゃったらしい。なんでも座った状態で身動きも取れず亡くなってしまったみたいじゃ。」


もっとひどかった。大きい方しながら死ぬ自分の不運を呪いつつ、話を無駄に掘り下げたことを後悔した。


「はぁ。なんか締まらないなぁ。終わり良ければ全て良しって言うけどこんな終わり方じゃあどうしょうもないな。何か功績を残したわけでもなく、伝説を残したわけでもない。平凡な人生だったな。」


そこで「残した」という言葉で重要なことを思い出してしまった。


「付かぬ事をお聞きしますが、ご老人、いや神様、私の部屋にあるパソコンやHDのデータを消したりすることはできるのでしょうか?

出来れば消していただ」


「すまないが君の居た世界とは管轄が違うから、おいそれと介入はできないんじゃ。介入してもよいがそうすると最低でも君の近しい者に影響が出る。」


「ちょっとつまずくくらいですかね?」


「いや、確実に何人かは存在がなくなる。最悪、君の住んでいた地域、もとい世界がなくなるだろう。それでも良いなら出来なくもないが。どうするかの?」


世界と自分のプライドを天秤に掛けられた。

まぁ下半身丸出しで死んじゃってるし、これ以上恥をかいてもしょうがないか。










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