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議題3:生徒会 (サークル)の活動方針について


傾いた太陽の光が差し込む放課後の教室。未だ校舎内は騒がしく、あちこちで声がするなか、23HRとして宛がわれている教室は重々しい雰囲気に包まれていた。教室中央にはコの字型に並べられた机があり、椅子は全部で五つ。そのうち四つが埋まっている。


「さて、欠員はいるが、今日も今日とて会議を始めよう。」


いつものメンバーがいつもの席に座り、今日も生徒会 (サークル)の活動が始まる


「本来であれば、前回流れてしまった火最少年の議題を論じるべきであるのだが…」


会長がこちらを見る。


「雨宮少年がどうしてもこの議題をと、私に直談判してきてな。火最少年、すまないが良いだろうか?」


「構いませんよ。僕の議題は急を要するものではありませんからね。それよりも、副会長が議題を出すなんて珍しいですね。」


「まぁな。前々からこの議題については、一回しっかりと話し合うべきだと思っていたんだが、前回の件で緊急の事案であると判断した。」


「まぁ私はそこまで火急の案件とは思えないんだが、雨宮少年の押しが強くてな。それでは、本日の議題は『生徒会 (サークル)の活動方針について』だ。それでは雨宮少年、説明を頼んだ。」


「はい。まず、サークル立ち上げ当初の生徒会 (サークル)の活動方針は、生徒会 (本物)の手の届かない個人に近い問題に対してその解決に当たる、もしくはその環境改善を図るというものでした。ここまでは大丈夫か?」


三人ともから頷きが返ってくる。


「しかし現状はどうだ?スカートの必要性は…まぁ良いとして、AVの構成や獣姦野郎の恩赦の打診とかぜってぇに違うだろ!」


「雨宮少年、私の友人は女の子だ。野郎ではない。」


「んなのどうだっていいわ!とにかく、最近の俺らの活動について一度しっかりと見直すべきだと思ったので、今回議題として捻じ込ませてもらった。」


「た、たしかに…他の生徒の人の、悩み、とかって、解決できてないもんね。」


「そうですね。冷静に考えると、本来の活動の半分もできていなかったんですね。」


「というわけだ。ありがとう雨宮少年。では、これからの活動について具体的な方針を立てていきたいんだが、何か案のある者はいるか?」


「では、よいでしょうか。」


「ん、火最少年、いいぞ」


「はい。今までは、僕たちが主観的に思ったことを議題として取り上げ、議論してきました。そのため四人の視点からでしか現状を見ず、視野が狭まり、結果として現在の状況を作ってしまったと考えられます。」


「確かにその通りだな。」


おおっ!なんか今日のみんなはすごく真面目だ!

自分で議題を提案しておきながら、ここまで劇的に変わるとは正直思っていなかったわ。やはりサークルとは言え、生徒会に入るような人間だ。根っこの部分は真面目なんだろうな。


「故にまず僕たちは、外部からの声を取り入れるべく、生徒会 (サークル)と生徒を繋ぐツールを作るのが良いかと思われます。」


「ツールか、それに関しては何か案があるか?」


「はい、AVアダルトビデオが良いかと思われます。」


「てめぇぇぇぇ!!なんで途中まで良い感じだったのに、最後までベストを尽くさねぇんだ!!もっとあるだろ!意見箱設置するとか、昼休みの時間に相談スペース設けるとか!」


「副会長、僕だって至極真面目に提案をしているんだ。」


「雨宮少年、一旦火最少年の意見を聞こう。批評はそのあとからでもいいだろう。」


「ぅぅ、わかりましたよ。」


「まず、僕は高校生という立場に着目しました。余りある身を焦がすような性欲を発散させるためには、それ相応のクオリティを有する情欲対象が必要となります。ですが、経済的な余裕の少ない高校生には、得られるツールに限りがあります。そこで、僕たちが共通資材という形でAVアダルトビデオを提供し、それを各所に回してもらいます。その回してもらうAVの中に、悩みや意見を書き込める紙を同封し、最終的にそれを回収する。どうです、完璧な作戦でしょう?」


「やっぱりそれAVである必要ねぇよな!?必要ねぇよな!?」


「わかっていませんね、副会長。現在僕たち生徒会 (サークル)の知名度は殆ど無いに等しい状態です。そんな中意見箱や相談スペースを設けたところで、結果は芳しくないでしょう。」


「ま、まぁそれはそうだが。」


「故に、まずは知ってもらうことが先決であり、実際の意見や悩みの相談はもう少し下地が出来てからのほうがいいでしょう。というわけで、僕としてはこの作戦で行きたいと思うのですが、どうでしょうか」


あ、あれ、なんかものすごくまともっぽく聞こえるぞ?これでいいのか?


「あ、あの…」


「どうしましたか、会計?」


「えっと…その、え、え…A……Vは、どう調達、するんでしょうか?」


「……。」


「それに、その案だと男子にしか回らないだろう。そして火最少年がどう用意するのかは知らないが、おそらく途中で消えるぞ、そのAV。」


「……。」





議題:生徒会 (サークル)の活動方針について

結論:ポスターを貼り、広報活動をします。


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