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短編集

秘密基地と僕達の思い出

作者: 楠木 翡翠

 僕が5月の連休に15年ぶりに地元に帰ってきたら街並みがいろいろと変わっていた。


「ここ、懐かしいな……」


 駅から歩いて15分くらいのところに通っていた小学校が昔と変わらない位置に建っている。


「そういえば、小学生の頃に秘密基地を作ったっけな……」


 確か、この小学校から歩いて5分程度離れた空き地にそれを作った。


 当時、幼なじみだった僕を入れて男子3人と女子3人と一緒にね。


「なーなー、俺達だけの秘密基地を作ろうぜ!」


「どこに作るの?」


「ここから少し離れた空き地」


「みんなで作ろうよ! 秘密基地!」


「私も混ぜてくれないかな」


「オレも賛成!」


「楽しそう! 僕も!」


 とか言ってみんなで木の枝や布の端切れなどなどとたくさんの材料をかき集めてみんなでワイワイと楽しく作った。


 完成したあとはよく雨漏りして何度も修理した。


 そして、そこでみんなで遊ぶのはもちろんのこと、宿題をやったり、リコーダーの練習をしたり、さらにはケンカしたりもした。


 小学校の卒業式のあと、タイムカプセルを埋めたっけ。


 そのあとは進学や就職で僕も含めてこの地を後にしたけど、みんな元気にやってるのかな……。


 今思えば、いろいろなことがあったけど、小学時代は楽しかったな。


 秘密基地を作ったところに家が建ってしまっているか心配しながら、僕はそこに向かって歩を進める。


 そこに着くと、運よくそこは空き地のままで何人かの男女が集まっていた。


「おう、涼太、久し振りだな!」


「涼太くん、久しぶりだね」


「元気だったか?」


「涼太くん、会いたかったよ!」


「涼太くん、イケメンだね!」


 僕がずっと会いたかった大切な幼なじみだった。


「みんな、久しぶり! 元気そうでよかった!」


 秘密基地は取り壊されていたが、空き地は残っており、みんなに会えて僕はそれだけで嬉しかった。


「なーなー、秘密基地はなくなっちゃったけど、みんなでタイムカプセルを開けようぜ!」


「うん!」


 みんなでスコップを使ってタイムカプセルを掘り起こすと未来の自分に宛てて書いた手紙と秘密基地を背景に撮った写真が6枚出てきた。


 僕はその写真を見てふと思う。


 15年ぶりに再会したみんなは昔の面影を残しながら成長し、中身は今も昔も変わらない。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ノスタルジーに浸れる題材 [一言] 秘密基地、懐かしいですね タイムカプセルまでは埋めませんでしたけど、友人達とよく作ったものです マンガ拾ってきては溜め込んだり 読みながらそんなことを…
[良い点] 世界観は問題ないと思います [気になる点] 15年と言う月日が経っているならそこらへんの描写をもっと濃くしたほうがいいように感じました 会話の中のキャラクターの表情、またはキャラクター全…
[一言] タイムカプセル、いいですね(^^)
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