プロローグ-俺は妹の弟です。-
「いやだー放せーやめろー。」
俺は今一つ下の妹に拘束され妹の友達の家へと引きずられている。妹の友達と知り合いでもないので逃げたい。逃げたいが、妹に引きずられるという駄々をこねた子供の様な感覚は楽しい。何というか、そう、年上の姉に引きずられているという感覚。姉がいない俺にとっては新鮮な感覚だ。
というか俺に血の繋がった家族はいない。父と母は他界したらしい。らしいというのは俺が幼いころ1歳ぐらいに他界したため記憶がない。父と母が他界した後、俺は親戚の叔父さん夫婦…今の父さんと母さんの養子となった。なったんだが、最近まで養子という事を父さん達が忘れており、親戚付き合いもなく、ずっと血の繋がった親子だと思い込んでおり、正直ドッキリではないかと思った。だが、戸籍謄本などを見ると養子という事が事実だと分かった。この引きずっている妹も義妹という事になる。
「あまり嫌がっているように見えないのは私だけ?」
訝しげにこちらを振り向くのは俺の自慢の妹…義妹か。橘 華琳だ。身長が高く、他の女子より頭一つ飛びぬけている。具体的にどの位の高さがあるかと言うと驚異の172cmである。周りの女子は高い子で160cm後半程度。低い子では140cm代である。その中で172cmというのはずば抜けて高い。そして、かわいい。誰が何と言おうとかわいい。
「そんなことはない。俺は放せば全力で逃げる男だ。」
「へぇー…。まぁ、放さないけど。」
「ッチ」
華琳にああ言えば試しに放してくれると思ったんだが…見込み違いだったか。
俺はそのままずるずると町の中を引きずられる。八百屋のオッチャンがこっちを見て笑っている。その眼はとても穏やかで微笑ましい光景を目にしたかの様だ。引きずられているのが実は兄だと分かったらどんな顔をするだろうか…。きっと生暖かい目に変わるはずだ。
昔は同じぐらいの背丈だったのに…中学校の時にぐんぐん伸びやがって、お兄ちゃんはピクリとも伸びなかったのに…。これが遺伝の違いだったとは。因みに俺の身長は160cmだ。やっと、160cmになった。学校の身体測定の時、興奮しすぎてアドレナリン大分泌で吐きそうになったことがあった。それぐらいこの160cmという高さは重要である。150cm代と160cm代では大違いである。160cm代とは169cmまで含むのだ。これがどれほど重要か…身長の高い華琳にはわからないだろう。
そんなことを考えていると、引きずられるのが止まる。
「さあ、着いたよ!涼!」
そうそう、俺の名前は橘 涼。花も恥じらう男子高校生だ。
「なんか言ってよ。拗ねてるの?」
「いや、別に。…ただ言わせてもらうと本当にやるの?これ?」
「やるに決まってるじゃん。当然。」
何が当然なんだか。
「言いたいのはそれだけね。じゃあ、行くよ!」
最後に現状を説明しよう。俺は妹の弟になって友達に紹介されるらしい。
意味わからないだろ?
前に書いてたやつを書き直しー。前作と大体一緒。