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202  作者: Nora_
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「ありがとうございます」

「ああ」


 ちゃんとしまわずに歩いていたのが悪かった、そのせいで色々落とすことになったり拾ってもらうことになってしまった。


「あ、また久保さんに変なことをしようとしてるー」

「違うぞ、消しゴムを拾って渡しただけだ」


 先生にだけ敬語を使わないというのは露骨になにかがありますと言っているようなものなのになにもない、ちなみに同性とのことでもなにもないから恋愛脳の私としては少し物足りなかったりもする。


「でも、久保さんの席はあそこだよ? 落としてもそんなところまでは行かないでしょ?」

「別に席から落としたわけじゃないからな」

「物は言いようだね、先生が悪さしそうだから久保さんは貰っていくよ」


 涙目になってしまっているように見えたからとりあえず謝罪をしてから離れた、多分残り続けるよりも先生のために動けたと思う。

 ちなみにまだ席は変わっていないから座れば七美の丸まった背中が見えるけど、今日見えたのは怒ったような顔だった。


「なに手を握らせているのよ」

「あ、陽子があまりにも自然過ぎて全くなにも感じていなかった」

「はぁ、杉本ももう少しぐらいは考えて行動をしてよ、こいつは私の――」

「七美ぎゅー――ぐぁぇあ!? く、久保さんなんで……」

「それは駄目、やるなら私か先輩相手にして」


 一人だけでは止められない、だから自分の席でぼうっとしていた先輩を連れてきて対策をする。


「おお、久保ちゃんは今日も温かいねぇ」

「最近来ないのはなんでですか?」


 って、露骨に態度を変えているからだ、分かっているのに聞くのはずるい。

 告白をできたことである程度は落ち着けたから少しずついつも通りに戻していきたいと思っている、できるかどうかは分からないけど少なくともそう意識をして行動をしていた。


「え、寒いからだけど。で、そんなときは久保ちゃんにくっついたり杉本ちゃんにくっついて過ごすわけだけど、久保ちゃんを頻繁に抱きしめていたら大島ちゃんが睨んできて怖いんだもん」

「あ、そういう……」


 だからって抱きしめさせてあげるから来てほしいなんて言えないし、どうするべきなのだろうか……。


「まあ、二人が仲良くできている点はいいんだけどね、自由に抱きしめられなくなったのは寂しいわけですよ」

「いましているじゃない、離れなさい」

「ほらっ、すぐにこうして邪魔をしてくるんだからっ」

「当たり前よ、空生、こっちに来なさい」


 うぅ、こうなったらもう言うことを聞くしかなくなる、嫌われたくはないから仕方がないことだった。

 ただ、こういうのが駄目なのか「やっぱり久保さんは駄目だ」と、先輩の方は笑いながら「久保ちゃんらしいね」という微妙な反応なのだった。

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