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202  作者: Nora_
10/10

10

「悪いわね、ゆっくりしていた自分が悪いのに手伝ってもらっちゃって」

「いいよ、お掃除も好きだよ」


 自宅のは普段からしすぎていて大掃除というやつができなくて物足りなかったぐらいだった、そのため、そこまでではなくてもちゃんとお掃除ができるのであればありがたいぐらいだ。


「捨てるつもりだけど欲しい物があったら言いなさい」

「じゃあこれかな」

「それは駄目、そもそもいま指差したエリアとは全然違う場所じゃない」

「七美の物が欲しい」


 夜なんかにわがままを言ってしまわないように必要なことだった、彼女としても何度も電話を掛けられたりはしないわけだから損というわけではないと思う。

 それにお金が欲しいとかそんな非常識なことを言っているわけではないのだ、関係も変わったことだからいいのではないだろうか?


「だからこれも私の物よ、ゴミ袋に適当に突っ込まれるぐらいならあんたに貰ってもらえた方が嬉しいと思うわ」

「じゃあここのやつとこれ」

「なんでそんなに写真を欲しがるのよ……、そんなのいま撮ればいいじゃない」

「だって昔の七美なんてレアだから……」


 いま撮ればいいなんて言っているけどどうせ写真を撮ろうなんて言ったら「嫌に決まっているじゃない」とお決まりのそれで断ってくるくせにこの子はなにを言っているのか……。


「とにかく駄目よ、大体そんな物を持ち帰ってどうすんのよ?」

「見て癒される、想像をして楽しむ」

「それを聞いたら余計にあげたくなくなったわ、だってそこから変なことをしそうだもの」

「変なこと?」

「……ま、とにかく駄目、早く片付けてゆっくりしましょ」


 ああ、思わず意味不明なことを口にしてしまうぐらいには嫌だったということだよね、仕方がない、写真は諦めよう。

 で、お掃除の方はやはり量としてもそれほどではなかったからすぐに終わった、あのエリアからは二点だけ貰っておいた。


「ちゃんとしまって……っと、よし、え、七美……?」

「あんたさ、簡単に私の部屋になんて入ってきたけどちゃんと分かってんの?」

「うん」


 というか初めてではないから緊張する意味がないというか、あ、違う意味でドキドキはしたけどお掃除をすることで消えてしまったというか、うん、まあ分かっていないというわけではない。


「分かってないじゃない。あのね、別にあんたが一方的に求めていたわけじゃないのよ? 私だって色々と我慢をしていた、で、あんたは関係が変わってからも無防備に近づいてきたのよ?」

「え、それなら嬉しいよ」

「えぇ、あんたって――ううんいいわ、あんたがそういうやつだって分かっていたことじゃない。で、なにが言いたいかと言うと――……これはありなの?」

「だってキャラじゃないんでしょ? だったら七美限定で肉食系になると口にした私が動かないと」

「はぁ、まあ……うん、いいか」


 彼女は横に寝転んで「緊張していたのが馬鹿みたいだわ」と漏らして力ない笑みを浮かべた。


「七美って意外と普通だよね」

「普通が一番よー」

「はは、だね」


 もぞもぞと移動して頭を彼女のお腹の上に乗せる。

「重いわよ」と言ってきたものの、そこはスルーをすることで嬉しい時間というやつにしたのだった。

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