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鬼っ娘、参上!

やっと、やっと地元から動かせないヒロインを出せた。

「女・子供が来る所でねぇ!引き返せ!!」


 俺達を出迎えたのは、俺達と同じ位の褐色肌の勝ち気な鬼人族だった。


「俺達はシュカの町の町長の依頼で、ヒュドラ討伐に来た冒険者だ。これが冒険者ギルドから預かった紹介状だ。」

「……見せてみろ!」

「本物だろ?」

「ああ。本物みたいだ。入れ。」

「先ずは、村長に挨拶したい。案内を頼む。」

「了解だ。自己紹介がまだだったな。アタイは、『レイカ』だ。お前達は?」

「俺がセツナ。順にリン。ラン。セレン。ミヤ。リーナ。シャオだ。」

「お前がリーダーだな?」

「そうだ。」

「なら、後でアタイと戦え!」

「え?何故だ?」

「アタイは最近になって(ようや)く、外の魔物と戦う事や外から来る冒険者と競う事が許された。戦う為の鍛練は続けて来た。アタイはどれくらい戦えるのか、知りたい。だから戦え!」

「まあ、そういう理由なら構わないが、俺達は冒険者だ。依頼が終了してからだ。」

「約束だ。話しているうちに着いた。此処が村長の家だ。」

「案内、ありがとう。」

「村長。ヒュドラ討伐に来た冒険者だ。」

「入れ。」

「冒険者の方……ガキは帰れ!」

「言いたい事は分かるが冒険者ギルドからの紹介状だ。」

「ふん!」


「どうやら、見た目はガキでも、実力は確かな様だな。」

「しかし、それでも実力を確かめさせて貰う!

 ザンキ!ザンキは居らぬか!!」

「村長。呼んだか?」

「ザンキ。このガキと戦え!」

「おれは、子守りが苦手だ。」

「村長。この男は攻めと守り、どちらが得意だ?」

「ガキが何を言っている?まあ、良い。ザンキは攻めだ。」

「なら、守りが得意なヤツも呼べ。」

「何故だ?」

「後で分かる。」

「生意気な。だが良いだろう。ゴンキ!ゴンキは居らぬか!!」

「村長。デカい声を出さんでも聞こえるわ。」

「俺はどちらからでも構わない。」

「ならば、ザンキ。行け!殺さなければ構わん。」

「へいへい。ガキ、運が悪かったな。」

「能書きはいい。始めるぞ。」

「そうかい。」

「両者、良いな?始め!」


 リン達は、呆れ顔をしながら無言で後ろに下がった。

 俺、何かしたかなぁ?と思いながら、模擬戦を始めた。


 ガン!ギッ!バキッ!!ドガッ!


 俺とザンキの武器が衝突する音では無く、ザンキの鋼鉄製の棍棒が、俺への攻撃が空振り、地面や植木にぶつかる音だ。

 俺は1度も攻撃を受けていない。


「こんの、ガキが!チョロチョロと避けやがって!」

「当たる必要の無い緩い攻撃をわざわざ当たるかよ!」


 ザンキの攻撃を避けながら、たまに首や手首や両脇腹に薄い斬り傷を付けながら大きな隙を見せた時、ザンキの腹にキツい正拳突きを喰らわしてダウンを奪った。


「それまで!」

「村長。ザンキよりかは、このガキが強いのは分かった。なら、おれは何故呼ぶ?」

「俺はさっきので防御力を見て貰った。だから、次は攻撃力だ。」

「はっ!成る程な。ガキ!見かけに因らず戦闘好きだな。」

「否定したいが、否定出来ないな。」

「まあ、どうでも良い。始めようぜ!」

「ふん!そういう事か。では、始め!」


 この模擬戦は、俺からガンガン攻めた。

 真正面からの力押しや手数や緩急つけたり、ゴンキの左右に素早く動いて攻めたりした。途中にザンキ同様に首や手首や両方の脇腹に薄い斬り傷を付けた。


「くっ。的確に隙間に一撃を入れて来る。」

「まだまだ、行くぜ!」


 最後は無理やり両腕を跳ね上げ、ゴンキの首に刀を突き付ける。


「それまで!ゴンキの敗けだ!!」

「村長。これで、俺の実力が分かった筈だ。当然、俺と共に居るリン達も飾りでは無い!」


 俺は軽く威圧を放った。


「……分かった。認める。冒険者セツナとそのメンバーはヒュドラ討伐に向かう事を許可する。」

「やれやれ。やっと話が出来る。

 皆、待たせたな。」

「楽しそうですね。」

「やっと、話が進むねー。」

「もう少し、穏便に出来ぬか?」

「やり過ぎや。」

「セツナ君だからね。」

「セツナじゃからなのじゃ。」


 俺は何故、リン達から非難を受けるのか分からなかった。


 ……解せぬ。


「セツナ様方。申し訳ないが家で話がしたい。」

「分かった。行こう。皆。」

「ヒュドラは、この村から更に南東の密林に向かい、その奥地に有る沼地に居ます。

 このヒュドラは、五頭で吐く息が毒や酸や腐食性のガスだったりします。」

「大きさは?」

「大体が頭から尻尾まで50Mくらいで1つの首の直径が2Mくらいだ。」

「明日、ヒュドラ討伐に向かう。宿は有るか?」

「案内を付ける。用が有れば、案内が対応する。『レイカ』、宿の案内と雑用の対応をしなさい。」

「分かったよ。父さん。」

「あれ?さっきの?」

「改めて。案内係り兼雑用対応係りの村長の娘で姉妹の長女『レイカ』だ。セツナさ、よろしくな。」


 俺達はライカの案内の下、毒消しの薬を14本買って宿屋に到着した。


 俺達は宿屋で移動の疲れを取る為、寛いでいた。

 どうやら、会って数時間も経たない内にリン達とレイカは仲良くなったみたいだ。


 時間になり、俺達は夕食を済ませて明日に備えて就寝した。



「おはよ。セツナさ、リン達。」



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