次期町長夫人と孫のサラちゃんの探索と救出
連れ去れた町長夫人と孫のサラちゃんの安否は?
23時に再びおかわり有ります。
俺達は、馬車をリンの家に預けて、リンとランが依頼で調査していた遺跡を目指していた。
根拠は無い。ただ、もしかしたらという思いで遺跡に向かった。
どうやら、この遺跡は町長の心辺りに無かった様だ。探索魔法に引っ掛かった。
俺達は慎重に遺跡に近づくと、黒い衣装の集団が遺跡に入っていった。俺達は様子を見ていると、中の集団が騒ぎ始めた様に感じた。
俺は嫌な予感に背中を押され、見張りを「風乃弾丸」で沈め、中の様子を見ると怪しい儀式めいた事を始めていた。
身を乗り出し過ぎたのか、周りは俺達の存在に気付き、襲い掛かって来た。
俺達は応戦しながら、周りを観察した。大体残り1/5以下に減らした時、集団のリーダーらしき男が小さい女の子の首にナイフを当てながら、話かけた。
「動くな!止まれ!」
「いいだろう。その代わりにナイフを首から離せ。」
俺は身振り手振りをつけながら話かけ、そのどさくさ紛れに少しずつ接近した。
「……!?貴様は!貴様、神像を持っているだろう?」
「何の事だ?」
「惚けるな!あの屋敷から逃げ出すのを見ていたんだ。その後に侵入しても神像は無かった。つまり、貴様が持っている筈だ。」
また、小さい女の子の首にナイフを近付けた。
俺は仕方なく、マジックバックから出す振りをしてアイテムボックスから神像を出す。
それを見たリーダーらしき男は、狂気に染まった顔になった。
「そう!それだ!寄越せぇ!」
俺は渡す振りをしながら、近づきリーダーらしき男が小さい女の子の首に付けていたナイフが離れた!
「雷撃弾!」
「ぐっ!」
俺は「雷撃弾」をリーダーらしき男の右肩に撃ち込み、首からナイフが離れた所で男を蹴り飛ばし、小さい女の子を救い出して、身柄をリンに預けた。
「ウヒャヒャヒャ!遂に手に入れたぞ。おい!アレを持って来い。あの屋敷から1年以上を探し続けたが遂に手に入れた!
これで我等が悲願が叶う!!」
不覚にも手に持っていた神像が、男の手に有った。
「何をするつもりだ。」
「貴様には神像を持っていた。だから、せめてこの歴史的瞬間に立ち会わせてやろう。」
黒い衣装を着た1人が紅い石盤らしき物を持って来た。
男はその紅い石盤を持つと真ん中に有る窪みに神像をはめた!
「さあ!いよいよ、歴史的瞬間だ!」
男は意味不明な言葉を綴り始めた。
すると、紅い石盤が赤く光り出した。数秒後神像は砕けた。
紅い石盤から黒い正体不明な液体が溢れていき、紅い石盤を呑み込み黒いマネキンのような何かが顕れた。
「おお!我等が悲願。遂に!さあ!我等が神よ。我等が願いを……!?」
ザシュッ
「グフゥ……」
黒いマネキンは近寄った男に抜き手で心臓が有る辺りを貫いた!
「何故だ?我……」
男が動かなくなった後、黒いマネキンの足元に、黒い何かが広がっていく。
「皆!遺跡から出るんだ!!」
数秒間、いや、数分間、周りの森も遺跡からも「音」がせず、見守っていると、遺跡が爆発した。
「!?」
俺は咄嗟に俺達全体に魔法障壁を展開した。
爆発が治まり、周りを見ると爆発した遺跡を中心に半径100Mぐらいが、土だけの荒野になっていた。
中心部分を注目すると、黒いマネキンは居らず、代わりに紅いマネキンが立っていた。足元には、成人した女性が倒れていた。
「この女には、不愉快なヤツの加護が有る。吸収は出来なくは無いが煩わしい。要らぬ。片付けろ。」
紅いマネキンは、俺達に女性を放り投げた。俺は慌てて女性を受け止める。
紅いマネキンはその姿を変えた。
顔は野性的で精悍な造りに、体型は逞しく、身長は優に180を越え、目の色は紅、髪の色は赤、服装は戦闘の前衛タイプの動き易い服系の衣装に変化して、その外見は人族そのものだった。
「我の復活に貢献した者よ。せめてもの慈悲だ。その女をどかす時間を与えてやろう。」
俺達は紅いマネキンの言い方に苛ついたが、女性を避難させる時間を欲しい為に紅いマネキンに従った。
リンとランが、サラちゃんと女性を荒野になった場所よりも離れた所に避難させてサラちゃんに待つように伝えた。
「待っている間は暇でしょう。その間に自己紹介をして頂けますか?」
「時間稼ぎに付き合って待っててやろう。我は今、機嫌良い。」
リンとランが俺達に合流した。
「さて。そこの男に自己紹介を求めてきた。ならば、戯れに自己紹介をするとしよう。
我の名は『イディオート』だ!そして、世界は我をこう呼ぶ『魔王』とな!!」
「な!?魔王だと!」
「そうだ。人族よ。尤も、解かれた封印は1つ。他の封印は健在なまま。今の我は云わば、寝転んだままで左腕だけが、自由に振り回せる程度の力しか出せぬ。
それでも、お前らと戯れに遊ぶ程度には力が有るぞ。」
「……セツナ様。」
「力が殆ど使えないとは云え、魔王の思考が世界平和等という穏やかなモノでは無いだろう。倒すしか無い!」
「さて。作戦会議は終わったな。我の目覚めの切っ掛け代わりにお前らを使ってやろう。
そして、我が愉悦の為に足掻くがいい!」
「皆!戦って生き残るしか道は無い!!」
「「「「「「はい!!!」」」」」なのじゃ!」
俺は試しに「風乃弾丸」を18発撃ち込みはしたが、効果は無かった。
次は、「雷撃弾」を13発撃ち込んだが、これも効果が無かった。
「戦いの合図にしては小さいな。」
「俺が魔王を抑える。皆は魔法で対応するんだ!」
「地の底の牢獄、楽園に繋がる道、凍える棺、縛鎖に屈する者。砕け散りなさい!『凍獄葬儀』!!」
「草原を駆る大狼、拘束を受けぬ自由、腐り淀む者を喰い千切れ 。噛み砕け!『疾風狼牙』!!」
「大地の楔、地の底で流れる熱、交わり突き抜く。
穿き貫け!『岩炎魔槍』!!」
「暗き赤、咲く御座、饗宴の中、燻り灰塵と為せ。
燃え尽きろ!『紅蓮炎槍』!!」
「清浄の華、眩きを発する者、微睡みを消し、虚ろな者を滅せよ。討ち払え!『烈光乃槍』!!」
皆の攻撃で魔王は怯んでいると思う中、魔王相手に持久戦は不利と判断して、俺も全力を出す準備をした。
「永遠の闇、暁つきの陽射しの中、悠久に佇む者よ。眩き光を集め、我が剣に集い、虚ろき者を討て。断ち斬る!」
「瞬光閃斬」
「地の戒め、空の拘束、併せし縛鎖、虚ろな者の楔となせ。ひれ伏せ!『重力弾』!」
俺はシャオの絶妙の好機に感謝しながら、居合いの構えから、刀を抜いた。
「疾っ!!!」
俺達は倒したと思った。
「素晴らしい攻撃だったぞ。寝起きの我には、丁度良い刺激だった。」
「……そんなバカな!?」
「人族や獣人族にしては、素晴らしかったぞ。これ以上は、我を封印した奴等しか記憶には無い。
誇りに思うが良い。我の覚醒の助けに成れたのだからな。」
「皆!まだ、俺には手が有る。時間を稼いでくれ!」
「「「「「「はい!」」」」」なのじゃ!」
「シャオ!来てくれ。」
「封印を解くのか?」
「魔王を倒し、皆が生き残るにはこれしか無い!」
「……分かったのじゃ。龍王が長子にして巫女のシャオリート=ドラグナストが封印を解徐する!『龍紋破軍』」
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