王都での日常~其の2
やはり、冒険者ギルドにはアレが無いと。
そして、ユリアの正体は?
王都に繰り出した俺達だがリーナが、まだ冒険者ギルドで登録を済ましていなかったようで俺達は冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに入った俺達は、受付嬢の所に向かい話し掛けた。
「昨日の残りを受け取りに来たのと、彼女の冒険者ギルドへの登録を頼む。」
「セツナ様、ギルドカードの提示を。……はい。確認致しました。……では、これが未払いだったオーガの亜種5匹の討伐報酬の金貨50枚に素材買い取りの金貨150枚になり、合計が金貨200枚になります。」
「ギルド預金にお願いします。」
「畏まりました。次にそちらの女性の登録ですね。」
「そうです。」
「では、こちらの用紙に必要事項の記入をお願いします。代筆は必要ですか?」
「いえ。大丈夫です。代筆は必要ありません。」
「はい。記入が終わった……!?大変失礼致しました。恐れいりますが、リーナ様はご両親の許可を頂いておりますか?」
「問題ありません。」
「セツナ様、事情はご存知ですか?」
「大丈夫ですよ。彼女の両親が呼び出したり、受付嬢さんの所に怒鳴り込んで来ませんから。」
「セツナ君。家の両親はそんな馬鹿では無いし、無茶苦茶な事は言わないよ。」
「ほら、受付嬢さん。彼女もこう言っていますから大丈夫です。それよりも登録の続きをしましょうね。それに流石は受付嬢さんだ。僅かな動揺が有ったけど直ぐに立ち直ったもんな。」
「セツナ様、ありがとうございます。これくらい出来ないと王都の冒険者ギルドの受付嬢は務まりませんから。遅くなり申し訳ありません。登録の手続きを始めます。」
受付嬢さん、途中でかなり動揺していたけど本人の言質が取れて安心した為、その後の手続きは滞りなく終了した。
「これで、私もセツナ君と同じ冒険者に成ったのね。今から楽しみだなぁ、セツナ君達との冒険の旅が。」
「セツナ様は保護者的な立場で?」
「いや、仲間としてだよ。」
「……これ以上の質問は慎みます。」
「それで良いと思うよ。では受付嬢さん。これからも彼女と共に宜しく。」
気持ち良くギルドを出ようとしたら、王都のギルドに居るとは思わなかった馬鹿が現れた。
「おいおい!偉く綺麗な女ばかり侍らすガキが居るもんだなぁ?これは、おれ様の教育が必要だろう。」
「受付嬢さん、冒険者同士の喧嘩等のギルドの対応は?」
「先に行動に移した側の責任になります。ただ、どちらかが死亡しますとギルドが介入する場合がございます。それ以外は余程に規模が膨れない限り、ギルドとしては静観になります。」
「了解。」
「何を下らねぇ事を言っているんだ。ガキ1人が有り金を全ておれに差し出し、ここから消えれば問題ないんだよ!女共は、おれ様が全て面倒を見てやるんだからな。夜もきっちり働いて貰うぜ!」
馬鹿が寝言をほざきながら笑っていた。さて、加害者に成ってもらいましょうか。
「これだから、女性に生涯に於いて一切縁が無い馬鹿は困るな。彼女達は各々が納得して、俺と居るんだから馬鹿の手は必要無いんだよ。相手が欲しかったら、外に出てオークのメスに土下座して頼み込んで来い。100匹ぐらい声を掛ければ1匹ぐらいは話だけは聞いてくれるかもしれないぞ。」
俺が話している内に馬鹿は、どんどん顔が赤く成っていき、話が終わる頃には腰の剣に手を掛けていた。
「セツナ様、あまり本当の事は……」
「セツナ、希望を持たせるのは良くないー。」
「セツナ殿、オークのメスに、失礼かと思いますが。」
「セツナはん、そないに控えめに言っても分からんと思うで。」
「セツナ君、1000匹でも難しいと思うよ。」
リン達が止めを刺して、馬鹿が剣を抜いた。
「このガキが、ぶっ殺す!」
「はい。抜いた。」
「がっ。ぎゃっ。ぐぎっ。げぇ。」
俺は、右拳で剣を握っている馬鹿の拳を砕き、左足の蹴りで馬鹿の右膝を壊し、左拳で顎を砕き、右足で馬鹿の腹に深々とめり込ませる。
「受付嬢さん。お手数ですが、ギルド内で武器を抜いた馬鹿の処理をお願いします。」
俺は、馬鹿から全ての所持金を取り出し、4割を渡した。
「承知致しました。」
受付嬢さんのお許しも出たのでギルドを出た。……のだが、結構な時間が過ぎていた。俺達は、しぶしぶ王城に帰った。
……王城に着くと、ユリアさんが仁王立ちしていた。
「セツナ様。いきなりリーナ王女殿下を連れ出しての遅帰りですか?此方にも予定という物がありますので、遅くなるのなら遅くなるで連絡を下さい。」
「それはすみません。」
「ユリア、ごめんなさい。」
「セツナ様は、言い訳無しなので、初犯ですから許します。次からはお願いします。そして、リーナ王女殿下には、お姉様に報告させて頂きます。」
「え!?それは待って!!幾ら何でも厳し過ぎない?」
「いいえ。お姉様から、今日の外出が遅く帰って来たら、報告する様にと言われてますから。」
「ねえ!お願い!!それだけは止めて!!!」
「そこの貴女。リーナ王女殿下を例の部屋へ。」
「はい。さあ、リーナ王女殿下。覚悟を決めて行きましょう。」
「いやあああああぁぁぁーーーーーー!!!」
おおぅ!前世の救急車の様な、ドップラー現象だ!!
「さあ。セツナ様、リーナ王女殿下はもう今日はお会いする事が出来ませんので、お話がございましたら明日になります。」
「はあ。あのユリアさんのお姉様って、誰なのでしょうか?」
「まあ。それは申し訳ありませんでした。私の姉は、『アリア』です。」
「「「「「え!?」」」」」
「私ユリアは、リーナ王女殿下の専属侍女の妹で、この国の宰相の娘でございます。」
「ああ。成程!だから、俺達の担当だったんだね。」
「セツナ、どういう意味ー?」
「俺達の担当はどういう人だろう。と、思っていたけど謎は解けたよ。確かに、幾ら娘が招待したとはいえ、いきなり王宮の客室とかおかしいと思ったよ。しかも、3日前からだし。」
「だから、どういう意味なのー?」
「つまり、王宮内で最も信頼される女性は、王妃様を除けばアリアさんになる。が、アリアさんはリーナの専属だから動かせないから、恐らく次に信頼されるユリアさん、君が俺達の担当に着いた。違う?」
「正解です、セツナ様。頭も切れる様で安心しました。」
「セツナ殿、アリアさんはどういう方なのですか?」
「アリアさんは、この国どころかこの大陸のどの国の者よりも王家の教育係として相応しい女性と言われているんだ。」
「うわー。アリアさんって凄いー。」
「だから、情報の内容に関係無く、娘の招待で王宮に入って来た存在の俺達に対して対応するのが、ユリアさんになった訳だ。」
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