幼年期~可愛い狂犬と何故かいる雑魚な悪役達
急転落下な展開が、最後どうなる?
主人公、死す。
「下民!村内は飽きたのじゃ。 外に連れ出すのじゃ。」
おいおい。
何故、俺だけ命の危険が有る散歩をしなければならないんだ。
せめて、首輪とリードが欲しい。
『待て』も『伏せ』も『ハウス』も出来ないのに2人だけで行けるかっ。
「駄目だよ、シャオ。俺達はまだ小さいし、危ないから外に出る気にはなれないな。」
顔が赤くなって怒り顔になり始めたぞ。
マジ勘弁してくれ。
創造神エルドロード様、俺にこの可愛い狂犬に首輪とリードを下さい。
(面白く成りそうなのであげません。)
ん!?
何か聞こえた!
「ほんのちょっとだけなのじゃ。少しだけで良いのじゃ。駄目なのかじゃ?」
はぁ。垂れ犬ミミと尻尾の幻視が見える。
5.1で、犬派な俺にはこれ以上は無理か。(4.9は猫です。)
本当に今日は、晩御飯食えるかな~?
「分かったよ。本当に少しだけだぞ。」
本音言えば、何処かで鋼糸入りのロープを借りてくれば良かったな。
「ありがとなのじゃ。下民にしては分かっておるのじゃ。では行くのじゃー。」
「はいはい。分かったよ。
でも、この村は、かなり標高の高い山の中腹に有るから、足元、気をつけろよ。」
「標高とは何なのか…… !?
のじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「シャオーーーーー!!!」
うわっ!マジで足滑らして、斜面を板無しスキーを始め、あ!遂に崖から、紐無しバンジーしやがった。
ホントに勘弁。
一応直ぐに追いかけて、お互いに紐無しバンジースタートで追い付きお空を強制デート中。(何処かの風の谷の姫様か空からの女の子の光る石、どっちかヘルプミー!)
ちなみに抱き上げたお姫様は、既に気を失っており安らかな寝顔晒し中。
まあ、実際の所、お互いの無傷は可能。ただね、しんどいし神経使うのよ。
しかも、帰って内容をパイリ母さんにバレた場合。鉄拳制裁の乱舞攻撃が、発動する。
割に合わないが、中身大人の俺の責任。
頑張りますか。
はい着地。
方法は、風系魔法で上昇気流で制御し、静かに停止しました。
原因であり被害者の身体、及び衣服等に深い傷や大きなほつれ無し。これなら、首は繋がったな。
ふぅ。さて、村に帰りますか。
流石に疲れたので、上昇気流で村へのショートカットは無理です。
後、面倒くさい事に、お姫様の衣服は、構造上おんぶが出来ず、お姫様抱っこ中。そろそろ崖から、抜けるかな。
ガン!!!
ちっ。誰かが、後ろから硬い物で後頭部殴りやがった。
「おいおい。何でこんな所にガキが2匹居るんだ。
処分するこっちの身になれ。ってんだよ。
おい!このブツ大切に持てよ。」
「へい。」
くそったれが!
何処か安全な場所にお姫様を置いて、こいつらは俺が倒すしか無いな。
よし、此処なら奴らに背中見せなければ、お姫様を守りながら戦えるな。
俺は、ちょっとした窪みに静かにお姫様を置いて、奴らに対面した。
6人か。楽勝とまでは、いかないが何とかなるな。
「てめえら誰だ?何故、こんな所にいる?」
目一杯虚勢張りながら聞く。
「はっ、どうせ此処で死ぬガキに教える義理はねぇな。」
俺は、奴らの立ち位置を把握し、無詠唱で風系魔法で粉塵を巻き上げ、奴らの動きと視角と聴覚を封じ。
直ぐ様、違う風系魔法を無詠唱で発動する。(俺オリジナル魔法で、お気に入り。)
この風系魔法は、無音で風の弾丸を飛ばす魔法で、命中精度も高く威力も高い(44マグナム並み)が、急所じゃないと必殺と言えない所が悩み。
6発ほぼ同時発射したが、さっき殴られた頭の痛みで、制御が乱れるが3人仕止め、残りボスらしき奴も含め3人重症。
そんな中、一番後ろにいた、ボスから何かの物を抱えた男が痛みにより、反射的に預かった物を落とし砕けた。
そして、砕けた物の辺りから、何か黒い粘着性のある液体が溢れ、奴ら6人共包み込み一つになった。
何かヤバいなぁ。
何か産まれそうだなぁ。
ほっといて、お姫様抱えて帰ったら駄目なんだろうなぁ。
黒い何かは、長い鉄の爪を生やした2本足で立つ格闘技をやる猫みたいな、シルエットでこちらに向きを変え、攻めて来た!
何とか、魔法だけで急所避けながら応戦する。
が、互いに決め手にならず、お姫様が目覚め騒ぎだす。
「のじゃーーー!!此処は何処じゃ。何じゃ、あの黒いのは?
下民、説明するのじゃ!」
思わず気が揺るんだ隙を黒い何かは無視せず、あろうことか、攻撃対象をお姫様に変えた。
「シャオ、危ない!!」
俺は思わず身を乗り出し、お姫様を無傷で助ける事が出来たが、代わりに俺がほぼ致命傷を負う。
しかし、俺だって奴の隙を見逃さなかった。
『風乃弾丸!!!』
ありったけの風の弾丸で奴を撃ち抜き、運良く奴の『核』らしきモノを破壊し、崩れ蒸発し呑み込んだ奴らの痕跡を残さず消えた。
さて、回復魔法でちまちま治療しているが、いかせん初めての大怪我と7才の小さな身体では、生命維持の安全圏に届かず、しかし、死の恐怖に抗いながら治療を続ける。
チラッと、患部を見たがモザイク希望。
吐き気とも戦っていると、お姫様がこちらに近づき無駄に揺さぶる。
「セツナー!死んだら駄目なのじゃーーーーーー!!」
お姫様、ギャン泣き。
そろそろ限界な状態で、意識を失いそうになった時、天空から蒼い東洋系の龍が飛んで来た。
そして、俺は意識を喪う。
「セツナーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
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