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国王の謁見パート2

宮廷内のやり取りは本当に難しい。

「冒険者セツナにパーティーメンバーの者達よ。よくぞ、娘リーナ王女の為に参った。大儀である。」

「有り難き幸せでございます。」

「娘リーナ王女への贈り物の事も聞いておる。素晴らしかったぞ。」

「はい。こちらに居られます伝統と格式ある方々に比べれば、どれ程のお金を、どれ程の物品を用意しても、足元にも及ばない為、冒険者として、分を弁えた贈り物を御用意させて頂きました。ささやかな贈り物ですが、お納め下さい。」

「うむ。ありがたく頂戴しよう。」

「国王陛下。宜しいでしょうか?」

「申してみよ。」

「はい。アルスランの町長から書状を預かっております。この場で、国王陛下のみが御覧になっていただくように。と、言付かっております。これがその書状です。」


 俺は文官らしき人に書状を渡した。

 文官の人は軽く書状に触り、危険物が無いかを確認して、国王の近くに居る偉そうな文官らしき人に書状を渡した。偉そうな文官らしき人は、国王に書状を渡した。


 国王は受け取った書状を読み始めた。途中、顔が青くなったり、震えていたりしたが、読み終わると落ち着きを取り戻したのか、冷静になり、俺達に告げた。


「どうやら詳しくは言えぬが、冒険者セツナにパーティーメンバーの者達は娘リーナ王女の友人としての扱いだけではなく、アルスランの町長代行としても遇しなければならないようだ。

 いや、素晴らしい事だ!建国以来、王家の誕生会にアルスランの町長が、代行とはいえ訪れるとは喜ばしい慶事だ!!


 セツナ殿にパーティーメンバーの者達よ、明日の娘リーナ王女の誕生会を楽しまれるが良い。国を代表して感謝の意を示す。

 この場に居る貴族に参列出来なかった貴族にも、命ずる。

 冒険者セツナにパーティーメンバーの者達に対して、無礼を働いた者には厳罰を与える。これは、勅命である!」

「「「ははあ!」」」

「これにて、謁見は終わりとする。」


 俺達が退出して、ドアが閉まると、ユリアさんが近寄り話し掛けて来た。


「セツナ様。この後、国王陛下が御話が有りますので御案内致します。パーティーメンバーの方々は、別し……」

「いや、多分書状の内容についてだと思うから、リン達にも関係が有る事だと思う。」

「承知致しました。その様に配慮します。」



 こうして、ユリアさんの案内の下、国王が待つ応接室に向かった。


「ユリアです。」

「入れ。」


 俺達が応接室に入ると部屋には、国王と王妃らしき女性とリーナ王女と謁見の間に居た偉そうな文官が居た。多分、この国の宰相だろう。俺達が入るとユリアさんは退室した。


「セツナ殿にパーティーメンバーの者達よ、よく来てくれた。

 ……やっぱり、面倒くさい言い方は止めだ。セツナ達よ、そなたも普段通りで良い。」

「畏ま……、いや、分かった。」

「セツナよ。書状を読むと、ワイバーン3匹は表向き。云わば、貴族共の気を逸らす為らしいが本当か?」

「本当だ。本来の贈り物は、余りにも度が過ぎた物だよ。」

「見せて貰えるか?」

「ああ。ただ、他言無用でお願いしたい。」

「うむ。他言無用を誓おう。宰相もよいな?」

「はい。国王陛下。」

「本当の贈り物は、国王陛下と王妃様とリーナ王女殿下への指輪だ。」

「指輪!?」

「ただ、使用した素材が問題で……。」

「どんな素材だ?」

「龍王様直属の将軍、その次期後継者である三将の鱗。更に、龍王様の御息女シャオリート=ドラグナスト様の鱗を使って製作された。」

「「「「なっ!?」」」」

「セツナよ。お主は何者だ!?」


 出来れば秘密にしたかったけど、仕方無いかな。


「俺は、龍王様の弟子だ。」

「何?ならば、もう一度問おう。セツナよ、お主は『何者』なのだ?」

「俺は、何らかの理由で龍の里で育ち、縁在って龍王様の指南を受けている弟子だ。」

「セツナよ、あそこは禁足地だぞ?」

「俺は両親を知らず、俺を育てた女性は、龍の里長と縁が有ったらしい。」


「……成る程。龍の里長が認めているならば問題無い。そして、にわかに信じ難いが、指輪を儂が鑑定してもセツナは嘘を申しておらん。指輪が本物である以上、信じるしかあるまい。ん?儂が鑑定出来る理由か。立場上、何を渡されるか判らんからな。」

「では、この黄色の指輪は国王陛下に、赤色の指輪は王妃様に、水色と緑色の指輪はリーナ王女殿下に。」

「それで、セツナよ。どうやってこの指輪を手に入れたんだ?」

「俺は、龍の里で龍王様に指南を受けているが、普段の鍛練の相手がその三将なんだ。で、その内の1人にリーナ王女殿下の贈り物を相談したら、任せておけと言われて渡されたのがこの指輪だった。」


「うむ。セツナが言った通り、余りにも度が過ぎる贈り物だが、贈り物には違いない。素直に受けとる。が、我が国にはこの指輪に匹敵する国宝級はそうそう無いぞ。いや、むしろ無い!」

「まあ。色々と装備者の安全を考えた魔法付与されているので、使って欲しい。」

「セツナよ、分かった。しかし、リーナよ。お主の空想は良い意味で大当たりだな。そして、龍王様の御息女シャオリート=ドラグナスト様の鱗を使った指輪か……。ライバルは手強いぞ。」


「……では、お父様。」

「リーナの勝ちだ。好きなようにしなさい。」

「はい。」

「国王陛下にリーナ王女殿下、何の話です?」

「儂は、リーナと賭けをしておった。賭けの内容は秘密だが、リーナが勝った場合は、リーナの王女としての役割を一時的に中断し、冒険の旅に出る事を許可するものだった。」

「リーナ王女殿下が冒険の旅に?」

「うむ、そうじゃ。セツナよ、リーナを頼むぞ。」

「へ!?俺達の冒険にですか?」

「当然じゃ。幾らなんでも、そこら辺の有象無象や我が国の騎士達では、冒険の旅にならんからな。」

「もう、それは決定事項ですか?」

「うむ。決定事項じゃ!」



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