幼年期~裏で秘密の内緒話と甘酸っぱくなった可愛い狂犬と下民
ちょっと休憩なお話し
少なめなラブコメは如何?
「うむ。どうやら、行ったようだな。村長、今日までご苦労であった。」
「とんでも御座いません。
至上の蒼き御方様に御命令を頂けるだけでも至福なのです。
更には、このように御言葉を頂けるとは、この身は天上に昇り、歓喜に満ち溢れております。」
「まさか、あやつが番を見つけ子を為すとはな。知らせが届いた時は、驚愕したぞ。
まあ、あやつが頼るとしたら、あの者の所であろうから、天変地異が起こらぬ限り安全であろうよ。あやつの番の相手も気になるがな。余程の傑物であろう。」
「所で、至上の蒼き御方様、何故、御令嬢までこのような何も無い村に?」
「実はな、家での勉強に行き詰まっておっての、気分転換に外に連れ出せとだだを捏ねたからだ。
で、ついでに村の様子や西の平原辺りを視察して来た訳だ。
そして、そのままあやつの子と娘を会わせ馴れさせておこうかと、な。」
「なるほど。確かに此処に向かうのであれば、西の平原は通り道ですな。
しかし、まさか、セツナに相手を任すとは、至上の蒼き御方様も、お人が悪いですな。」
「なに、あやつの子がどのような成長をしようとも、娘とは顔を向き合う事になるのだ。早い方が良かろう。
それに、娘も悪い気が無いようだし、機嫌が良い。」
「左様で御座いますか。セツナも、運が悪い。
いや、運が良いのか?気に入られてしまうとは。
しかし、私めも驚きました。あの方の御子様を預かる事になるとは。
書状には、秘密にしておいて欲しいと書いてありましたが。
流石に至上の蒼き御方様に御命令を頂いた以上、御伝え致しましたが、かなりの苦悩を抱きましたぞ。」
「判っておる。その折りには取り成してやる。
此方としても、あやつを怒らしとうない。
さてと、アッチは監視の目が厳しくて、窮屈だった。
久方ぶりに羽が伸ばせるわ。」
「やはり、それが本音ですな。
そんなに手足をだらけだしたのを三将に見られれば、小言が飛びますぞ。」
「かまわぬ。三将も喚ばぬ限り、流石に此処まで来る事は叶わぬ。
村長よ、3週間は世話になるぞ。」
「御意に。至上の蒼き御方様。」
一方その頃のセツナは。
そういえば、7年前の創造神様の元で、スキルを考えてた時に、敬語とかは使っていたけど、かなり怒り心頭な女性の声が聞こえたなぁ。
創造神様が形勢不利に感じたけど大丈夫かな?
まあ、愚痴を聞いてた時、結構な名称が出てたんだよな。
幾つかは、この世界での神様の名前だったし、他のも調べたら神様達の名前だったりして。いつか、役に立つかな?
「下民、さっさとこっちに来るのじゃ。」
先ずは、この可愛い狂犬の手綱を握らないと、俺の胃袋に明日は無い。
「はいはーい。お姫様。」
「下民。何度も言わないのじゃ。姫様ではなく、名前で呼ぶのじゃ。『シャオ』じゃ。」
名前呼びだと後が怖いんだけどなぁ。
お偉いさんとかお偉いさんとかお偉いさんとか。
はぁ。
「だったら、シャオも下民ではなく、名前のセツナと呼んでくれ。」
あれ?顔が赤くなった。
まさか、ね~。
「……恥ずかしくて呼べないのじゃ。」
ん~。
「良く聞こえないよ。もう一度言ってくれ。」
「う~。お主など、一生下民で十分なのじゃ。」
こうして、二人の午後はスタートした。
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