王都観光と青天の霹靂
セツナ御一行、到着。
セツナ、初指名依頼を達成。
セツナに重大発表!
東の大国オウカに到着した俺達は入場を果たし宿屋を探した。
この際だから、王都の住民に聞いて、王都で1番の宿屋「ミハマ」に決めた。宿屋を見つけ馬車を預け、宿泊手続きを済ませ、王都の冒険者ギルドを探しながら屋台でつまみ食いをした。旨かった。
俺達は無事に冒険者ギルドに到着し、受付嬢の所に移動して順番待ちをしながら俺達の番が来るのを待った。
「アルスランの冒険者セツナだ。指名依頼の達成の手続きに来た。」
「了解しました。ギルドカードの提示をお願いします。……確認致しました。カードをお返しします。では、依頼人からの伝言と報酬の招待状です。
伝言は、『予定日の3日前に迎えを寄越すから、冒険者ギルドに泊まっている宿屋の名前を伝えるように。』という事です。
後、こちらが招待状です。長期の指名依頼お疲れ様でした。また、何か有りましたら、当ギルドをご利用下さい。」
「御丁寧にどうも。俺達が宿泊しているのは、『宿屋ミハマ』です。」
「王都一位の宿屋ですか。失礼ですが、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ギルドカードの内容見れば判る通り、俺達には盗賊討伐とアジトのお宝という名の貯金箱が有るので。」
「そうですね。まだ手元に資料が残っていますが、問題無いようですね。」
「それではまた、受付嬢さん。」
俺達はギルドの受付嬢から「招待状」を受け取りギルドを後にして、鍛治屋ペレンを探した。
地元の住民に聞きながら探し、遂に見つけて中に入った。
「店主ペレンは居るか?」
「坊主、おれがペレンだ。」
「都市ミズナヤの鍛治屋の店主からの紹介状だ。確認してくれ。」
「ほう。あの頑固親父のお気に入りか。良いだろう。全員分の武具一式を出せ。おれが調整と補修をしてやる。後、坊主。まだ有るなら、ワイバーンやドラゴンの素材も出せ。強化してやる。」
「代金は?」
「余った素材を貰うから要らん。王都と言えども流石にワイバーンやドラゴンの素材は入手は難しいからな。出来上がりは1週間後だ。それ以降取りに来い。」
師匠は気難しいと言っていたが、すんなりと話が通った。紹介状の中身が上手く機能したのだろう。
俺達は鍛治屋を出て、王都観光を始めた。
1週間後、のんびりと王都観光をして過ごし、期限が来たので鍛治屋ペレンに向かう。
「ペレンさん、出来た?」
「当然だ。」
俺達は武具一式全員分を見て驚愕した。全て1つ上の調整と補修が施されていた。
「流石は王都で鍛治屋を開いているだけは有るようだな。満足だ。」
「当然だ!王都に居る間は、武具で何か有ればおれの所に来い。」
「何か有ればここに来るよ。」
俺達は全員分の武具一式を受け取り、鍛治屋を後にした。
暫く、王都観光を続けていると鋭い視線を感じた俺達が振り向くと、1人の戦士が静かに立っていて俺に話し掛けて来た。
「アルスランのCランク冒険者のセツナだな。」
「そうだが。貴方は?」
「おれもアルスランのCランク冒険者ユハスだ。セツナに話が有る。時間の都合をつけれるか?」
「大丈夫だ。皆、適当に観光して宿屋で寛いでいてくれ。」
「セツナ様。誰か1人付きましょうか?」
「いや、問題無いよ。リン達も王都観光を楽しんでおいでよ。」
「分かりました。セツナ様、また後で。」
「さて、ユハスさん。行きましょうか。」
俺はユハスさんの誘導で、少し奥の入った所にある営業時間外の酒場に入り、奥の個室に入った。
「ここなら、重要な話が出来る。」
「人化した、……龍族だね。」
「正解だ。」
「何故、俺の所へ?」
「先ずは、ユーリ様とリアン様の仲違いは解消された。」
「それは良かった。が、それだけでは無いだろう?」
「当然だ!本来なら、それ相応の『場』と『形式』が必要だが、セツナ自身の現在の状況に考慮して、私が参った。」
「何か、かなり重要性の高い内容みたいだな。」
「私、いや、龍族全体の未来に関わる内容だ!!」
「そんなに重要な話か!?」
「では、伝えるぞ。龍族の宰相ユハスがセツナ様に申し上げる。
『セツナ様を、龍王クランベル=ドラグナスト様の正式な次期後継者と認める。』以上!!!」
「……………………はい!?」
「まあ、驚くのは無理は無い。事の発端は先程のユーリ様とリアン様の仲違いの解消が切っ掛けでな。その中でユーリ様が不意に洩らしたのだ。龍王様御自身が即位された時の式典で使われた武具一式をセツナ様が頂いた。とな。それを聞いた龍族上層部は上へ下への大騒ぎだ。場を治める(収める)為、龍王様御自身が正式に次期後継者にセツナ様を指名された。いずれ、時期を見定め、幻想界にも龍族の正式な通達として知れ渡る事になる。」
「…………マジ!?」
「私も同じ気持ちだが本当だ。龍王様から武具一式を頂いているだろう?それとセツナ様の称号欄に載っていないか?」
「確かに龍王様から武具一式を頂いた。……あ!?本当に称号欄に『龍王の後継者』が有る!!」
「セツナ様は御存知無いと思われるが、龍族では、本人が何らかの式典等に使った武具一式を誰かに譲るのは、後継者に指名する行為であり、龍族にとっての古来からの神聖な伝統なのだ。当然、龍王様にも当てはまる。
セツナ様の混乱は理解するが、これは龍族にとっての決定事項だ。龍王様からセツナ様の身体の事は聞いておる。直ぐにという訳では無いが、数百年後には龍族として正式に動く事になり、セツナ様にもそれ相応の覚悟を求める事になるだろう。
それまでは、セツナ様も旅を続けられるが良かろう。では、セツナ様。失礼致します。」
俺は余りにも大きな知らせに混乱していたが、次第に落ち着きを取り戻した。俺はリン達が待つ宿屋に帰った。
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