表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/511

幼年期~可愛い狂犬の首輪無しの散歩

さあ、新章の開始です。

しばらくの間は、お偉いさん親子の交流が続きます。途中、キャラ増えます。

狂犬ヒロイン参上。

  あれから、7年が過ぎた。

  いきなりの別れは、それなりにキたが、パイリ母さんには、暖かく、優しく、熱く、厳しく育てられたので、それほど寂しくなかった。

  だから、感謝と恩返しと愛情込めて、言葉を覚えて最初の一声を「母さん」って言ったら、その場に泣き崩れた。

  かなり慌てた。


  勿論、あの日から、魔力系や動かなくても修得出来るスキルを磨き続けている。

  さらに、動けるようになってからは、周りが呆れる程に、様々な事に手を出してスキルの修得に勤しんでいる。当然、座学にも手を抜かない。

  驚いた事に村長の家には、村の規模に対して不自然、いや、異常な程に様々な分野の蔵書が有るのだ。座学など、若い内しか頭に入らない。

  なにより、自分の為の勉強だ。楽しくて、毎日お邪魔している 。

  多分、母親か謎の女性が何かしたんだろう。

  実の母親のささやかな応援に嬉しく思いながら過ごしている。


  勿論、身体作りや魔法の鍛練も欠かさない。

 マニュアル型にしたので、最初はかなり苦戦したが、お陰で、魔力操作や魔力制御が上達し、今ではオリジナル魔法まで、作成し鍛練している。


  ただ、ちょっと困った事が。

 どうやら、魔法は、詠唱有る無しや、詠唱破棄の魔法名有る無しや、何よりも厨二的なキーワード有る無しで、威力や消費する魔力に明らかな差が有るのだ。

  こればかりは、数百年も検証して、揺るぎ無い事実らしい。

 当然、オリジナルにも適応されるみたいだ。


  その差なんだが、魔法名・キーワード・詠唱無しの無詠唱が1倍。

  キーワード込み無詠唱で、1.1倍。魔法名込みの無詠唱で、1.2倍。

  キーワード込み詠唱有りで、1.3倍。魔法名込みの詠唱有りで、1.5倍。

  魔法名・キーワード込みの詠唱有りで、2倍。

  ……どうやって調べたんだろう?

  例えば、「炎の矢よ。敵を貫き全てを焼きつくせ!『燃え尽きろ!』火乃矢(ファイヤーアロー)!!」で、『キーワード』込みで、2倍。


  オリジナル魔法も、内容に沿った詠唱が必要みたいだ。

 キーワードはある程度自由みたいだけどね。


  さて、今現在は村の交流を兼ねて、鬼ごっこモドキをしている。要するに森に入って獲物を追う狩人の真似事。

  因みに、去年からトップを譲っていない。 密かな自慢。

 あからさまなドヤ顔をすると、パイリ母さんの鉄拳制裁が来る。魔力操作で身体強化等をバレないようにアレコレしているのだが、数年経っても変わらず痛い。

  アッチも何かスキルを使っているのだろうか?

 未だに尻尾を掴めていない。


  「セツナー!ちょっと話が有るー。」


 おや?何か村長が呼んでいる。行ってみようか。


  「村長、何か用か?」


 互いに座った後、何か村長は、苦い顔してこちらを見ている。


  「実はセツナに頼みたい事が有る。

  明後日の朝に、とある高貴な親子がこの村に来られる。

  そこでセツナには、一緒に付いて来た御令嬢の相手を頼みたい。御用の方は、午後3時頃に終わる予定だ。

  その間頼めるか?」


  ふ~ん。かなりのお偉いさんが来るみたいだな。

  まあ、村長には何だかんだでお世話になっているし引き受けるか。


  「わかった。引き受けるよ。」


 村長、一気に良い笑顔だよ。若干ムカつく。


  「では、セツナよ。明後日の夜明け頃には、此処に来てくれ。」





 そして、当日の早朝夜明け頃。


  村長の家に入ったら、問答無用で服を脱がされ風呂に入れられ、勇者由来の石鹸で全身を洗われる。

  休む暇無く(全身を隈無く?)洗い流され、見掛けより頑丈さや防御力に重点を置いたキレイな服を着かされた。何故、外見重視ではないんだ?

 何故、俺?

  村の中には、俺よりイケメンで礼儀正しい奴なら何人かいるぞ。 それにしても、村長の奥さん風呂に居る間、息が荒く、目付きが村の外にいる魔物を彷彿()させた。


  ……二度と村長の奥さんの前では、裸にならないようにしよう。

  お世話になっている家の奥さんを犯罪者にする訳にはいかないからな。

  さてと、村長の家で朝食を頂きながら、高貴な方が来るのを待つ。

  面倒くさい事をし、風呂場で被食の恐怖を味わった慰謝料がわりに、いつもの2倍の量をかっ食らった。

  村長若干、悲しげだったよ。


  などと、朝食を済ませのんびりと奥さんの視界に入らないようにしつついると、外が騒がしくなってきた。どうやら、御到着のようだ。

 俺を含め全員。

  うん。村人全員で、高貴な方の到着を待ち、出迎えをする。

  おや?

 何かお偉いさん、不自然に意味有りげに俺を見てないか?


  「この子供がそうです。」


  おい!俺は知らない振りするしかないが、俺の個人情報流出してないか?

 俺は判らない振り、知らない振りをしながら、無難に挨拶をし、御令嬢と共に村長の家を出る。


  さて、御令嬢と共に外に出たのは良いが、何しようか?

  とりあえず、御令嬢が転けないように注意する体で村内を案内をし、本音は、転けて御令嬢の服が破けたり、汚れないように注意しつつ案内をする。

  弁償って怖いじゃん。


  ちなみに御令嬢の外観年齢は、俺と同じくらいかな?

  性格は、深窓のお嬢様というよりは、野山を駆け回る方が好きそうな空気だ。

  出来れば、前者であってくれ切実に。どうやら、俺の純粋な願いは叶わぬようだ。


  「おい!下民、あれは何じゃ?下民、あれは何という食べ物じゃ?下民、この上に登るのじゃ。」


  こうして、俺の精神的重労働な午前が終了した。

  昼食は運良く呼ばれなかった。

  ラッキー!

  しかし、まだ午後の部がある。

  俺、生きて晩御飯食べれるかなぁ?



  しかし、この日の晩御飯は食べることがなかった。

  まさか、命掛けのイベントがドヤ顔で待っていようとは。




暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公が一線を越えてはいけない場所を知っているのは良いことです。それが R-18 なら、彼はすでにその一線を越えています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ