スタンピード後編
スタンピード後編です。
地球で、右目が疼くとか、右腕が疼くとかは、イタいですが、剣と魔法の異世界とかなら、ソレが本物として存在する場合が有るので、実際に異世界で出会いがあっても不思議ではないですよね。
俺は黒幕と戦っているが、様子が変だ。
戦闘面での技量は俺の方が高いが、黒幕にダメージを与えているようには思えない。
実際に俺の剣には血等が付いていない。
以前、領主館で戦った魔族には、ダメージを与えた感覚が有ったのだが、恐らく魔族で在ろう黒幕には、ソレが無い。
「ほう。貴様は魔族を知っているし、戦った経験も有り、勝ったようだな。」
「ああ。有るぜ。」
「しかし、勉強が足らんようだな。
魔族にも階級が存在する。恐らく、貴様が戦った魔族は最下級だろう。
冥土の土産に教えてやろう。
魔族は、下級以上には魔力が無い通常の武器では一切ダメージを与える事ができん!」
「なる程。お前は最低でも下級以上の魔族という事だな。」
「そういう事だ。では、冥土の土産は渡してやった。死ね!!」
「お前がな。」
俺は即座に武器を刀に入れ替え、居合いの構えを取り、刀に大量の魔力を入れ圧縮する。刀の限界が来る直前まで溜め、黒幕が間合いに入った瞬間、俺は刀を抜いた。
「疾っ!」
「グワアアアー!」
「あれ?結構魔力を込めた筈だけどな?」
「まさか、我がここまでのダメージを受けるとは……。」
「さて、死んでないなら、その計画を教えてよ。」
「我に勝った褒美に教えてやろう。
さる高位の魔族の計画にあの都市が邪魔だからだ。」
「その計画は?」
「その計か……グギャアアァ!!」
黒い槍の様なモノが黒幕を突き破り、……消滅した。
「お喋りは災いの元ですよ。」
既に、謎の声の主は姿も見えず気配も無くなっていた。
俺はこの気配に微かに覚えが有り、思い出そうとした。
………………!?
思い出した!
以前、リンとランの3人で町に帰る途中に一瞬感じた気配に似ている。
そして、周りにも手掛かりを探したが無い為、それ以上考えても答えが無い以上、リン達の下に帰る事にした。
既に防衛戦も後片付けも終了している様なので、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドの玄関近くに右腕に包帯を巻いた女性が居たが、俺を睨みながら何処かに行った。睨んだ女性には、全く面識も何か有った記憶も無いのだが何だったんだろう?
分からない事が2つに増えたがとりあえず記憶の隅に追いやり、冒険者ギルドに入った。
ギルド内の酒場はドンチャン騒ぎだが、ギルド職員もてんてこ舞いだ。
リン達を探すと併設されている酒場の1番手前で寛いでいた。
リン達も気付いたようで、俺に寄って来た。
「リン達、お疲れ様。」
「セツナ様もお疲れ様です。」
「ランも頑張ったよー。」
「セツナ殿、お疲れ様です。」
「セツナはん、お疲れ様やな。」
「セツナ様、ギルドに来たら2階の応接室に来るように言われています。」
「じゃあ、行こうか。受付嬢さん。案内お願いします。」
「セツナ様、お疲れ様です。では、ご案内致します。」
「ギルドマスターを呼んできますので、応接室の中でお待ち下さい。」
「皆、中で待とうか。」
待っているとノックがあった。
「はい。どうぞ。」
「セツナとそのパーティー、待たせたわね。」
「それ程でもないですよ。」
「それでは報告と事後処理に入ろうか。
セツナ、オークロード1匹とオークジェネラル4匹を倒したんだな?」
「そうです。後でギルドの解体場に持っていきます。」
「助かるよ。それでその後は?」
「リン達と移動して、最後尾に追い付いたので俺の広範囲殲滅魔法でゴブリンを倒しました。」
「軽々と言うが、全くとんでもない魔法を使うもんだ。
倒したゴブリンは8割近くだろう?」
「自分でも予想外の結果でしたね。」
「そうなのかい?」
「そうです。」
「次に報酬の件だが、見ての通りだから、明日になる。」
「分かっています。それで内訳の相談ですが、俺が倒したオークロードとオークジェネラルとリン達が倒した上位種も含むゴブリンだけの分でお願いします。俺が倒したゴブリンの分は遠慮します。」
「何故?」
「約8000匹ですよ。もし、バレたら面倒ですので。もしバレたら、アルスラン秘蔵の大魔法と言いますから。」
「アルスランのCランクとバレて良いのかい?」
「流石にそれぐらいはバラさないと周りが納得しないでしょう。
それに、冒険者のスキル等の探りは御法度だし、当然ギルドマスターにも秘密だし、アルスランの冒険者ギルドに牙を剥く馬鹿は居ないでしょうしね。」
「それと何故、セツナは途中で防衛戦から離脱したの?」
「それは、広範囲殲滅魔法を放った後、オーク共が居た辺りから、禍々しい気配が生まれたので、そちらを優先しました。
と、言っても元凶は消滅し、周辺には何も残らなかったので、信憑性は無いです。因みに、元凶は下級魔族でした。この件の処理はそちらに任せます。まさか、都市の恩人に仇で返さないでしょうから。」
「分かったわ。その件も含めて頑張ってみます。それでは、この後に下で受付嬢に全員のギルドカードを渡してね。照会するから。終わったら、解体場にオーク共を渡してね。それで、今日のセツナ達の仕事は終わりです。お疲れ様。
そして、都市とそこに生きる人々を助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。俺達が助けたいからした事ですから。」
「それでもありがとう。」
俺達は、ギルドマスターとの話を終わらせ、受付嬢にギルドカードを渡して照会し、解体場にオーク共を渡してギルドを後にして、宿屋に帰り疲れていたので、全員に『洗浄』を掛けてリン達と別れ、俺は部屋に入り直ぐに寝た。
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