傲慢な貴族の令息、令嬢達。
頑張ってざまぁへ。
「この方々は、非公式ですが我が国の国賓として招待されたのです。それを己の認識と我欲だけで判断して暴言を吐くとは、同じ国に生きる者として恥ずかしいばかりです。」
「ソレイユ様。おれは別にそんなつもりは……」
「私はソレイユ様をお守りする為に……」
「ぼくも貴族家という名誉有る働き口を進めただけで……」
「ソレイユさん。」
「はい。何でしょうか?」
「この3人の父親の爵位は?」
「貴方達、答えなさい。」
「おれの父上の爵位は侯爵だ。」
「私の父様の爵位は同じく侯爵よ。」
「ぼくの父さんの爵位は伯爵です。」
「ソレイユさん。先程、俺が言った通りでしょう。ソレイユさんが居て尚、コレですよ。」
「……そうみたいですね。お恥ずかしい限りです。」
「おい。お前、ソレイユさんと何を話している!」
「別にお前達には関係無いだろう?」
「国賓かもしれないが、だからと言って、我が国の至宝と謳われるソレイユさんと気軽に話し掛けて良い訳ではない!」
「我が国の至宝?」
「勝手に言われているだけです。私としては、好きな魔法を一生懸命に頑張っただけなのですが。」
「ソレイユ様。謙遜する必要はありません。今まで、どの国でも不可能だった『上級魔法』の詠唱破棄に初めて成功しているではありませんか!」
「ソレイユさんが『上級魔法』の詠唱破棄。それは凄いな。」
「そうだろう。だから、国賓とはいえ、冒険者如きが、近付く所か気軽に話し掛けて良い存在では無い!」
「そうよ。私達の憧れであるソレイユ様から離れなさい!」
「そうだぞ。ぼく達は魔法への探求を目指しているんだ。魔法をまともに使えもしない冒険者が居て良い場所では無いんだ!」
「そうだ!いくらソレイユ様が庇おうとも、おれ達の父上達が動けば、お前達を潰す事が出来るんだぞ。そうだな。その時はお前の前で女達を絞首刑にすれば良い!」
「貴方達、自分が何を言って……」
「ソレイユさん。もう遅い。」
「……セツナ様。」
「ソレイユさんの手前、我慢していたけど、もう無理。」
「……分かりました。」
「さて、世間知らずの馬鹿後継者の皆さんはかなり権力がお好きな様ですね。ならば、此方も権力を振り翳そうか。」
「はっ! 冒険者如きが何を言っている。」
「信じる、信じないはそちらの自由だが、紹介しよう。」
「何を言っている?」
「先ずは、リーナは東の大国オウカの王族の1人だ。王位継承権を有している。次に、リンは南の大国バイコウの王族の1人で同じく王位継承権を有している。次に、ランも北の大国クロツバキの王族の1人で同じく王位継承権を有している。」
「なっ!? 嘘だ!」
「信じなくても別に構わない。俺はお前達を決して許さない。」
「どうせ、ハッタリだ!」
「序でに言えば、俺自身は低いが東の大国オウカの王位継承権を有しているし、この西の大国サザンクロスの女王陛下には多大な借りが有るし、それ以上の高位のとある高貴な方との繋がりが有る。
さて、東西南北全ての王族と繋がりが有る俺達と、この国の一貴族に過ぎない上に、その当主でも無いお前達。この国の女王陛下はどちらを守るかな?」
「セツナ様。本当ですか?」
「本当だよ。ただ、冒険者としては邪魔だから隠していたんだ。」
「そ、そんなの嘘だ!」
「ソレイユ様。私達を守ってくれますよね?」
「ぼ、ぼくは、どうすれば……」
「私程度ではもう……」
「「「そんな!」」」
「それに、『国賓』という意味を解っているのか?」
「どういう事だ?」
「『国賓』とは、云わば、その国の最高責任者がお願いをして来る立場の者が『国賓』だ。それをこの様に暴言を吐く行為は、自分の国と相手の国を侮辱する国賊者に相当する。」
「「「え!?」」」
「既に、事はお前達が『子供』だとか、『学生』だという、言い訳は通用しない。一族全員を巻き込んでの『死刑』が順当だろうな。」
「……そんな! 嘘よ!?」
「ソレイユさん。残念な結果になりましたが、せめて、この国の誇りを守る為にもカール女王陛下に報告に行きましょう。」
「……そうですね。非常に残念で悔恨の念で一杯ですが、せめて、この国の誇りとこの愚か者達の一族に最後の誇りを守らせる為にも行きましょうか。」
「待って下さい。ソレイユ様!」
「ソレイユ様。お待ち下さい!」
「ぼくは悪く無い!」
「行きましょう。セツナ様。」
俺達とソレイユさんは、馬鹿後継者を無視して学園を去り、王城に向かった。
俺達とソレイユさんは王宮の応接室で、カール女王陛下と宰相と法務大臣を交えて、事の成り行きを話した。
カール女王陛下達は全員が顔を青くした。
俺だけでも駄目なのに、「東」、「北」、「南」に、更によりによって「幻想界」までを侮辱した事になる内容だったからだ。
(宰相と法務大臣には最低限、俺達の事を話している。)
……と、言っても「幻想界」は流石に公表出来ないので、1週間後に、建前付きの罪をでっち上げて、せめてもの情けで貴族としての誇りを守れる内容にして馬鹿後継者一族全員が処刑された。
(一族全員なのは、なまじ誰かを生かすと将来的にどんな遺恨が残り生まれるか解らない為。)
馬鹿後継者が、皆を絞首刑にすると言わなければ、俺もここまでしなかったんだけどな。
俺は別に、「善人」でも無いし、「博愛主義者」でも無いからな。
大切な存在に対して「絞首刑にする。」と言われて黙っていられるか!!
俺達は、カール女王陛下達との報告と話し合いが済んだ後は、浴場で暗い気分を流して、美味しい料理を楽しみ、皆で仲良く就寝した。
「セツナ様は寝た様ね。」
「そうじゃの。」
「セツナ君は、私達には凄く優しいし、大事にしてくれる分、怒ると怖いし、厳しいね。」
「ランもちょっと怖かったー。」
「吾しては、大事に想われて凄く嬉しいであります。」
「そうなんやけどな。」
「大事な存在には大切に。敵対者には厳しくは普通だ。」
「僕も同じ意見だよ。」
「私達はセツナ様の『嫁』です。これからもセツナ様と共に歩むだけです。」
「おー!」×7
「う、う~ん。」
「しー。」×8
とあるダンジョンでは。
ボコン。ガラッ。ボド。
「はあ、はあ、やっと出れた。幾ら、安全の為とはいえ、深く入れ過ぎた。しかし、そのお陰で助かったのだがな。くそ!彼奴らめ。力を取り戻したら、拷問が甘く感じる程の生き地獄を味会わせてやるぞ!」
「ピギーーーーーーーーー!!」
「なっ!? 何で、コア・ルームにスライムが居るんだ?」
「ピギー!」
「くっ! 近付くな! 止めろ! うわーーーーーーーー!!」
とあるダンジョンのコア・ルームで、喋る芋虫の様な正体不明がスライムに捕食されていた。
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