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カスパール魔法学園

学園のテンプレは腕が鳴るなぁ。と言えたらどんだけ気が楽か……。

「カスパール様。魔法学園に到着致しました。」

「ご苦労様です。セツナ様方、到着致しました。」

「では、ソレイユさん。行こうか。」

「先ずは、学園の理事である私の父の面会をお願い致します。」

「分かった。」

「ありがとうございます。此方です。」


 俺達はソレイユさんの案内の下、学園の理事を務めるソレイユさんの父親が居る部屋を目指した。


「ソレイユです。」

「入れ。」

「失礼致します。」

「セツナ様方。此方がカスパール魔法学園の理事を務める『ジョセフ=ルナ=カスパール』です。」

「初めまして。冒険者セツナです。後ろに居るのがパーティーメンバーのリン、ラン、セレン、ミヤ、リーナ、シャオ、レイカ、イリスです。」

「これはご丁寧に。カスパール魔法学園の理事を務める『ジョセフ=ルナ=カスパール』です。」

「セツナ様方は、後学の為にこの魔法学園に来られました。」

「成る程。是非、私の自慢の学園を廻って行って下さい。」

「宜しくお願いします。」

「では、セツナ様方、参りましょう。理事長、失礼致します。」

「うむ。しっかりと案内をする様に。」


 俺達は学園を廻りながら、ソレイユさんから説明を受けた。


「この魔法学園は、年少は10歳から入学が出来ます。年長は16歳で卒業になります。」

「結構長いんだね。」

「そうですね。しかし、この魔法学園に通う事で、後の出世に関わる事になりますから。」

「成る程。子供の内に、きちんと社交性を身に付ける訳だ。」

「そうですね。この魔法学園に通う者はほとんどが貴族ですから。」

「貴族ねぇ。中には、親の権力を使う馬鹿が居るんじゃないかな?」

「大丈夫です。国の法律で魔法学園内での権力の行使は禁じられています。」

「ふ~ん。」

「セツナ様。何か御不満でも?」

「今日来たばかりの部外者が言うのは(はばか)れるけど、恐らくは表面上だけだと思うよ。」

「何故ですか?」

「相手が誰か判るという事は、相手の父親の爵位も判るという事だ。つまり、卒業するまでは無事でも、その後は場合に因っては潰されるという事だよ。」

「なっ!?」

「そうだなぁ。直ぐに思い付くのが、学園に通う間は名前のみで、家名を名乗らない。後、上級『公爵、侯爵、伯爵』と下級『子爵、男爵、騎士爵』に分けるとか。」

「貴重な意見として、報告させて頂きます。」

「部外者の浅い意見として、流せば良いと思うよ。」

「いいえ。無視出来ない意見です。」

「まあ、学園の運営に関わる事だから慎重に対応をお願いします。と難しい話は終わりにして、学園の説明の続きをお願い出来るかな?」

「はい。年齢に関わらず、午前中は座学を当てられ知識を吸収する時間になります。午後からは、実技の修得に当てられます。」

「つまり、今は実技の時間という訳だ。」

「はい。」

「まあ、俺達の方の座学や教養は講師が講師だから大丈夫だけど、実技は手探りになるからちょうど良かった。」

「では、ご案内致します。」



 俺達は年少組の実技訓練場に向かった。

 訓練場では、年少組が一生懸命に覚えた魔法の詠唱を唱えている。

 内容は、灯りの魔法や手から水を出す魔法等だな。

 初めて成功したのか、大はしゃぎしている子やそれを悔しいそうに見ている子等、色々な表情を見せている。



 移動して、次は年中組だな。

 年中組は、初歩の攻撃魔法の修得を目指しているみたいだ。

 少し離れた的に向かって詠唱を唱えて魔法を発動して放っている。

 途中で消えたり、魔法自体発動しなかったり、的を壊す程の魔法を放つ子もいた。

 とりあえず、あの的を壊した生徒の顔は覚えておこう。



 最後は年長組だ。

 流石にこの年齢になると、初級の魔法を使って模擬戦の様な事をしている。

 魔法の内容自体は初級だが、結構本格的にしている。

 ソレイユさんの説明では、この学園で教える魔法は初級までで、それ以上は独学か王宮魔術師団に入るしか無い様だ。

 何故、初級までしか教えないかというと、貴族として生きる以上は基本的に必要無いからだ。

 それに、それ以上の魔法を使われるとその貴族に従う者、例えば領民や、下位の貴族が危険だからとか。

 一応は考えているみたいだ。


 ああ! やっぱり来たよ。

 如何にも上級貴族の令息や令嬢が、此方に向かっているよ。

 まあ、仕方無いと言えば仕方無いよな。

 此方には、カスパール理事の御令嬢と周りを囲む様に「美」少女冒険者が居る。

 後、余分に居る野郎冒険者の俺!

 絶対に! 絶対!! に、テンプレが発動する。


 例えば、お前達の様な下賤な輩が居て良い場所では無い!

 即刻、出て行け! とか


 例えば、ソレイユ様は、お前達の様な冒険者如きが近くに居て良い存在では無い!

 今直ぐに立ち去るならば見逃しても良いが、逆らうならば、処刑する! とか


 例えば、お前達、冒険者にしては美しいな。よし! 俺の側女として仕える事を許そう。とか


 と、こんな感じで、直ぐに3つも思い浮かべたよ。

 唯一の救いが、ある程度は俺達の事を知っているソレイユさんが居る事かな。

 ……って、考えている間に向こうが到着したよ。

 どうなる?


「お前達は誰だ? 此処は選ばれた者だけが、学ぶ事を許された場所だ!」

「貴方達、何ソレイユ様の近くに居るの? 身の程を弁えなさい!」

「お前達は冒険者か? 此処は冒険者如きが居て良い場所では無い! 即刻……、いや、男は処刑して、女は俺の専属メイドとして仕える事を許そう。オレ様に忠誠を誓え!」


 ……はい!?

 予想を超える、馬鹿共だな。

 相手が同じ冒険者なら、瞬殺にしているんだけど。

 一応、他国の俺達はお客様だからある程度は我慢しないとな。

 皆も我慢しているし。


「貴方達は何を言っているのです?」


 怒気を孕んだ言葉がソレイユさんから出た。



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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