妹璃音の異世界転生
妹の璃音はどうやって異世界に転生したのか?
答えは1つ!
「100歳を過ぎてから、多分亡くなったんだと思う。」
「それで続きは?」
「普通に老衰で亡くなった私は、気がつくと周りが真っ白な場所に居たのよ。」
「如何にもな流れだな。」
「そうね。でも、私はそんな場所でのんびりしていた。最初はそこが天国だと思っていたから。」
「まあ、100超えのお婆ちゃんだったからなぁ。」
「のんびりしていると、誰かが来たの。天国への案内人だとか思ったわ。でも違っていた。」
「それで?」
「恐らくはこの世界の女神様だと思う。その女神様は、私に話し掛けて来たわ。
『納得していない部分は無いか?』ってね。」
多分はこの「女神様」は、創造神エルドロード様だろうな。
「私はその瞬間に、100歳を過ぎたお婆ちゃんから、刹那兄さんの死に納得していない、妹璃音に戻ったの。」
「まあ、今時、飲酒運転の死亡事故だからな。」
「そうよ。だから、一気に私の精神年齢が100歳からあの時の年齢に戻ったの。そして、女神様に噛み付いたわ。『私の刹那兄さんを返して!』って。」
「『私の刹那兄さん』って?」
「そこは、兄として、男として、スルーしなさいよ。」
「分かった。で?」
「そしたら、『返せないし、戻せないが埋める事は出来る。』って言ってきた。」
「まあ、『返せない』は解るし、『戻せない』のは当然だな。戻すと璃音や母さんの人生が無駄になるからな。」
「そうね。だから、聞いたの。『どうやって埋める?』って。」
「向こうはどう答えたんだ?」
「『再び兄妹として生まれ直しても、それは意味が無い。既に私達は刹那兄さんの居ない人生を歩んで来たから。だから、今度は他人として生を受けて、改めて出逢う人生を歩み、新しい未来を作りなさい。』って言われたわ。何か、言いくるめられた感じだったけど、納得したから、それで行こうと思ったの。」
「内面的な部分はそれで良いとして具体的には、どうしたんだ?」
「そこから、一気に精神年齢が若返った私はチートスキルを請求したわ。」
「……先程までの湿った空気が何処に行ったんだ?」
「良いでしょ別に! 私は女神様との交渉の結果、魔法使い系チートスキルと衣装や細工物の作成チートスキルを手に入れる事に成功したわ!」
「我が妹ながら逞しいものだ。」
「更に転生先も選ぶ事が出来たからエルフにしたわ。交渉の時にこの世界に刹那兄さんが居る事を聞いたから、長生きして刹那兄さんを探し出す為に。」
「本音は?」
「刹那兄さんの事も本音だけど、やはり、異世界での美しさの象徴のエルフに成りたかったの。」
「やっぱり。それでこそ『璃音』だ!」
「変な所で納得しないでよ、刹那兄さん!」
「分かった、分かった。で?」
「う~。」
「話の続き、続き。」
(ほぼ間違い無く、外見の美しさも交渉したに違いないな。エルフといえども、この美貌は『チート』だろう。璃音は「傾国の美女」には興味が無い筈だけど、そこは璃音も「女」だったという事かな。まあ、それはソレで、良い事も悪い事も起こるから本人が決めた事だから構わないがな。)
「はあ。そして、女神様との交渉が済んだ私はこの世界に転生したの。因みに母さんは、『人の人生なんてそんなモノだ!』と言ってさっくりと地球の輪廻転生の輪に戻ったそうよ。」
「母さんらしいな。」
「私もそう思うわ。」
「転生して、この世界で生まれてからはどうしてたんだ?」
「5才で前世を思い出してからは、『神童』や『天才』と持て囃されたけど、現世の母親に思いっきり怒られてからは、自重して能力向上を目指しながら成長したわ。まあ、転生テンプレの『巻き込まれ』に気付いて警戒して、前世とかの話は秘密にしているけど。」
「俺もそうだな。転生テンプレの巻き込まれは怖いからな。」
「戦闘面では、魔法使い系で成長しながら、衣装や細工物の製作者としては、この国の一流の仲間入りを去年果たしたわ。」
「それは凄いな。」
「所で、刹那兄さんの衣装やハーレムメンバーの衣装は誰が作ったの? 今の私でも、難しい、いや、無理だわ。」
「おい! ハーレムメンバーって……」
「事実でしょ! 良いから続き。」
「ああ。これ等は龍王様の直属の職人による傑作品だ。」
「……!? 刹那兄さんこそ、どんな人生を歩いて来たのよ? いくら、龍宝公主様の息子だとしても、この国に来るまでは無関係だったんだから。」
「まあ、育った場所が龍王様の『お膝元』で、努力の結果と成り行きで、こうなった。」
「転生テンプレが発生したのね。どうせ、ハーレムメンバーの誰かが、『龍王様の関係者』でしょ?」
「良く分かったな。シャオが、『シャオリート=ドラグナスト』だ。」
「もしかして、龍王様の長子で長女?」
「そうだ。」
「何か聞いた事が有る名前だと思っていたのよ!」
「……!? はっ!? まさか、『幼馴染み』?」
「良く分かったな。」
「分かるわよ!」
「そうか?」
「転生テンプレ、恐るべし。他にも有るでしょう転生テンプレ。」
「まあ、パーティーメンバーの何人かは『王族』だ。後、この世界の害悪『魔族』と敵対中だな。」
「テンプレ宜しく、魔王を倒した?」
「欠片だけどな。」
「嗚呼! やっぱりぃ!!」
「俺も驚いている部分は有る。まさしく、テンプレ恐るべしだな。」
「はあぁ。刹那兄さん、お茶を淹れるわ。」
「ありがとう。」
「ちょっと休憩しましょう。」
「分かった。」
「休憩が済んだら、詳しく白状して貰うわよ。」
「……分かった。」
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