相談事とは?
仮にも西を預かる白虎ヴァングリフ=アフェランドラ様の相談とは?
「俺は女性や雌とは模擬戦が出来ぬのだ。」
「はっ!?」
「2度も言わすな!」
「分かりました。もう少し詳しく教えて下さい。」
「分かった。模擬戦では、避ける事や防ぐ事は出来るが、攻撃が出来ぬのだ。」
「何故ですか?」
「実は俺は両親を知らぬ。そして、俺を育てたのが、龍宝公主様だ。厳しく育てられた俺はいつしか、女性や雌には攻撃が出来ぬ様になってしまった。」
「最初の内は皆も笑顔で接してくれた。しかし、何時しか相手を申し込まれ無くなった。」
「何故?」
「向こうの言い分はこうだ。『私は素振りに来た訳じゃない!』だ、そうだ。」
「まあ、確かに攻めてくれないと、攻撃の良し悪しが分からないもんな。」
「そうなのだ。何か良い案は無いか?」
「触れる事は出来ますよね?」
「うむ。触れるだけなら、出来るぞ。」
「なら、模擬戦用の、先が丸くしてある木の棒を用意して、それを持って模擬戦をする。もし、相手が隙を見せたら、その木の棒の先の丸いので、相手の隙を軽く触れるのはどうですか? これなら、攻撃とは言えないし、相手も自身の悪い所が解るから喜ばれると思いますよ。」
「なる程な。確かに盲点だな。何故、今まで気づかなかったのか不思議だ。今度試してみよう。」
「良かったですね。」
「セツナの事は良く分かった。そして、そのセツナが愛し、また愛される、そこの女性達も素晴らしいのであろう。それに、既にコインを貰っているしな。」
「という事は?」
「俺のコインをセツナに託そう。」
「ありがとうございます。」
「後は、俺の加護を与えよう。イリスだ。」
「え!? 」
「俺の加護を受け止めてくれるか?」
「はい。」
「おめでとう。」×8
「では、イリス。俺からの加護だ。」
ヴァングリフ様から、光の玉が現れ、イリスの中に消えた。
その瞬間に身体から凄い勢いで風が吹き荒れた。
暫く経つと収まり、本人は少しボウとしているが、次第に笑顔になり全身で喜びを表現している。
「ヴァングリフ様。ありがとうございます。」
「うむ。その力を使い、自身の願いを叶えると良い。」
「はい!」
本人が落ち着くのを待って、彼女達はヴァングリフ様に模擬戦をお願いした。
現段階では、まともなヴァングリフ様からの攻撃は期待出来ないかもしれないが、それでも充分な価値有る経験が出来ると、彼女達の士気は高い。
「お願いします!」
こうして、彼女達の模擬戦が始まった。
約2時間後
「今日の模擬戦はこれで終了とする。」
「ありがとうございました。」×8
彼女達は全員が座り込んでいたが、ヴァングリフ様が終了の言葉を言った瞬間に立ち上がり、きちんとお礼の言葉とお辞儀をしていた。
「そろそろ、向こうは夕食の時間だ。」
「分かりました。では、俺達も向こうに戻ります。」
「うむ。セツナ達よ、此処に何時でも来るが良い。」
「はい。」×9
俺達はコインを使い、王宮に戻り、夕食を頂き風呂に入り、大部屋でのんびり過ごし、全員疲れているお蔭か何も起きずに就寝した。
俺は何故かふと目が覚めた事で、何と無く大部屋を出て散策を始めた。
テラスの様な場所に出ると、そこには誰かが居た。
近付くと、リオンが居た。
「これはセツナ様。どうされたのですか?」
「いや、何と無く目が覚めたから、散策していたら、リオンが居たから近付いてみた。」
「そうでしたか。もし、宜しければお話をしませんか?」
「そうだな。お相手願えるか?」
「喜んで。」
「そうだな。先ずはリオンこそ、どうしてこの時間に此処に居たのだ?」
「私も何と無くです。」
「そうか。」
「……」
会話が続かない。どうしようか。
仕方ない。リオンが俺の前世での妹か確めるか。
あの話題というか、あのネタを振れば必ず反応する筈だ。
俺達兄妹は基本的に仲が良いが、このネタが出る度に言い争いになるからな。
「俺は、○○○×○○○のカップリングを絶対認めない!」
「はあ!? 何を言っているのよ。○○○×○○○こそが、至高のカップリングよ!!」
「…………」
「やっぱり、璃音か?」
「……刹那兄さん!?」
やはり、リオンは前世での妹「璃音」だった!
ならば、確かめたい事が有る。
「璃音、この近くにお喋りに都合の良い部屋は有るか?」
「有るわ。こっちよ。」
俺達は、その部屋に入り、互いの前世での記憶の確認をした。
~暫くお待ち下さい。~
「よし! 互いの記憶に欠落は無い様だな。」
「そうね。問題無い様ね。でもまさか、セツナ様が刹那兄さんだったなんて。」
「そうだな。俺も初めて名前を聞いた時は驚いたぞ。」
「それはそうよね。私も、ミール女王様からの命令を受けた時は驚いたもの。」
「璃音はどうしてこっちの世界に?」
「そうだね。先ずは刹那兄さんが事故で死んだ後からを話した方が良いよね?」
「その方が良いな。」
「刹那兄さんが事故で死んだ後、私達はドライバーと会社から限界ギリギリまでの慰謝料をもぎ取ったわ。」
「それでこそ、俺の家族だ!」
「その後は流石に暫くの間は落ち込んだけど、次第に前を向く様になって、逞しく生きたわ。」
「そうか。」
「その後は私の子供達に囲まれ、母さんは呆ける事無く99歳の大往生よ。」
「それは良かった。」
「私も、呆ける事無く、孫に囲まれて100歳の大往生よ。」
「2人共、幸せな人生を送った様で安心したよ。」
「そうね。刹那兄さんが事故で死んだ事を除けば幸せな人生だったわ。」
「それでだな。聞き難いが、茉莉花は?」
「彼女は刹那兄さんの葬式に出席した後は会社を辞めたらしくて、その後の行方は知らないわ。」
「……そうか。葬式での茉莉花の様子は?」
「彼女は葬式が終了するまで泣き続けていたわ。そして終わった後に私達の所に来て、土下座して謝罪した後、私達の言葉を聞かずに出て言ったわ。」
「そうか。せめて、立ち直って新しい人生を送って欲しいな。」
「刹那兄さんがそう言うのならそれで良いけどね。」
「それで何故、この世界に?」
「それは……」
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