歓談という形にして欲しい。
誰が居るのでしょうね。
大広間に入ると直ぐに異様に気づいた
……が、先ずはその異様の部分は後回しだ。
異様が大広間の中心部に佇んでいる。
其処から少しでも距離を取ろうと、壁周辺に居る方々が、恐らくこの国の関係者だろう。
内訳は、人族とエルフ族が、半々で、それを更に男女で分けて半々だ。
要するに、人族男性1/4、人族女性1/4、エルフ族男性1/4、エルフ族女性1/4という訳だ。
さて、問題の中心部で佇んでいる方々は5人だ。
その内訳は男性2人。女性は3人だ。
その中の男性1人だけが面識が無い。
残りは知っている部類に入る。
特に男性1人と3人の内の1人は良く知っている。
ふぅ~。移動を願うか。
俺の後ろにいる立場ある大人な女性3人は静観している。
俺が行くのを沈黙する事で強要してくる。
ミール女王、此処は貴女の国の筈では?
斎王母様、貴女は幻想界の女性1位の筈では?
龍宝公主様、貴女は龍族の至宝で、上2人に最低でも、「お願い」が言える立場の筈では?
そう! 今、この大広間に居る周りに迷惑を掛けている5人は、「龍王」、「狼王」、「聖鳥」、パイリ母さん、後1人は多分は「西の誰か」なのだろう。
ああ~。面倒くさい。
後ろをもう一度振り向くと、皆も胸の前で握り拳を作り、首を縦に動かした。
俺は処刑台の階段を登るかの様な足の重さを感じつつ彼等に近付いた。
「この地上に於いて立場有る方々がこの様な場所に揃われますと、周りの方々が大変苦しい思いをされますので、移動をお願い致します。もし、移動をされない場合は、用意出来る特上の美酒が世に出る事が叶わなくなりますが宜しいのですか?」
「……!?」
「そちらの女性の方も、俺の後ろに居る特別な女性2人共着けますから、この4人を別室への移動を促して下さい。」
「分かった。移動するから、必ず美酒を用意するのだぞ。」
「はいはい。後で後で。」
「返事がおざなり!?」
「必ず用意するのだぞー!!」
別室の扉が閉まった瞬間、何も無かった様に歓談をしているこの国の関係者達。
唯一、俺の側に残ったこの国の最高責任者のミール女王が話始めた。
「皆さん。心外の予定外が有りましたが、この方々が冒険者セツナ様にパーティーメンバーの方々です。」
儀礼上の挨拶が終了して自由時間になり、俺達はミール女王の所に向かい話し掛けた。
「俺達をこの大広間に呼ぶ意味が有るのか?」
「ええ。有りますよ。」
「理由は?」
「この場では詳しい事は言えませんが、冒険者としてやって欲しい事が有ります。まあ、これは当然オマケですが。本命である、龍宝公主様は復活されましたしね。」
「オマケの内容は?」
「この場では言えませんがと言ったのですが?」
「それでもある程度は言って頂かないと、返事のしようがありませんよ。」
「分かったわよ。簡単に言えば「とあるダンジョン」を完全攻略をして欲しいのよ。報酬は成功報酬になるけど、ダンジョン・マスターに成る事を認めるわ。勿論、秘密は厳守するわよ。」
「はあぁ~。分かったよ。後で詳しい説明を宜しくな。」
こうして、大広間での歓談は終了した。
ほとんど顔覚えて無い。
まあ、用事が有る時に改めて自己紹介をして貰おう。
さて、別室どころか、きちんとした部屋で龍王様達が待っているという事なので俺達は移動を開始した。
少し時間は戻り、きちんとした部屋に移動した龍王達はこんな話をしていた。
「しかし、無事に人形に成れて良かったな、龍宝公主よ。」
「龍王クランベル様には、御迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
「別に問題無い。後できちんと時間を取るだろうが、息子に出会えてどうだった?」
「はい。この手で育てられ無かった事は正直悔しくもありますが、パイリが立派に育て上げてくれました。」
「……龍宝公主様。」
「パイリ、私の代わりに見事に我が息子セツナを育て上げましたね。貴女は私の誇りです。」
「有難い御言葉を賜り、嬉しく思います。」
「しかし、流石の私も、成長した息子に会う喜びと共に、嫁が8人も居るとは想像すらしておりません。しかも、その中の1人が、龍王クランベル様の長子にして御息女のシャオリート様が居る。世の中は面白いモノです。」
「あれは、シャオの方が先に惚れた様だ。後、数年後には慣例に倣った形で再び通知を出すが、龍宝公主よ。そなたの息子はこの龍王クランベル=ドラグナストの正式な次期後継者だ。」
「え!? どういう事ですか?」
「セツナは、シャオの危機を命懸けで助けた。それにな、あやつはあの『結界』内ならば、私に勝てるのだ。だから、私の武具一式と武器を譲った。」
「え!? あの『結界』の内でですか?」
「そうだ。」
「我が息子は、母の想像を越えた成長をした様だな。」
「龍宝公主様、セツナは幼少の頃からある意味異様でした。」
「パイリよ、どういう事だ?」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




